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特定技能人材の本音を知るために。

こんにちは!
先日もまた、福岡県内にある製造会社さんで働くベトナム人人材の子と面談がてらお昼ご飯を食べてきました。かたち上は面談です。が、面談の場所はおしゃれ喫茶。そう、面談という名のランチ会です。

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▲民家を改装してつくられたアジアン喫茶さんでした。また行きたい...。

定期面談で本音は聞き出せる?

登録支援機関がやるべき支援の1つに定期面談があります。最低3ヶ月に1回は必ず面談を実施して四半期ごとに定期報告書類を出入国在留管理局(入管)に提出することが義務付けられています。
「面談」とは具体的に「対特定技能人材」と「対受け入れ企業担当者」に対して、業務内容や待遇、生活面での問題が起きていないか等を確認するというものです。
ただし、「問題はおきてないですか?」「大丈夫ですか?」の確認だけで終わってしまっては、「おきてません」「大丈夫です」で終了してしまい、無意味の支援に終わってしまうので注意が必要です。

また一般的に、対企業との面談では「実は○○くん、最近社内でうまくコミュニケーションがとれないんだよね」「ちょっと彼困ったことがあって…」などいろいろ課題や問題など本音が出てきます。

しかし、外国人人材に関していうと、なかなか本音を言わないものです。特に企業さんが同席でもしていたら、仮に何か問題を抱えていても絶対に本音なんか言うわけありません笑 でもその本音を聞きださないことにはその子の課題や問題は解決しませんし、仕事もうまくいきません。だからこそ、本音を聞き出す「環境」を作ることが大切なのです。

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▲アジアン喫茶イチオシの本格ベトナムサンドイッチ「バインミー」 とにかくパクチーがパンパンにはいってました。(笑)

場所・時間・人を変える

面談をするとき、また相手の本音を引き出すために意識している3つがこちらです。

まずは「場所」。
いつもの仕事場だとリラックスもできないし、緊張感も感じてしまう。だからこそ食事をとりながら話をしたり、空気の澄んだいつもとは違う場所などで話をすることによって、気分が高揚し、本音のトークがしやすくなります。

次に「時間」。
出勤日の合間の時間を使って面談しても、頭が仕事モードになっているので、なかなか本音は引き出せません。つなぐっとの場合は、時に休みの日にその外国人のおうちにお邪魔したりして、リラックスできる時間を選んで話をするようにしています。

最後に「人」。
外国人の子と年齢がかけ離れたおじさんが面談の相手をしても、年齢的な距離を感じて本音が言いづらく、また面談者も共感してあげられないこともあります泣 同じ年齢層の同性、または異性のスタッフなどケースバイケースで話を聞いてあげるメンバーを変えて、話しやすい環境を作ることも大事です。また、あえて通訳スタッフを付けずに日本人だけで面談の対応をしてみるなども良いかもしれません(日本語能力が長けている外国人向けかもしれません)。

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▲つなぐっとの日本人スタッフと特定技能人材として働くベトナム人の子との1枚。SNSの活用の仕方が違っていて、お互いに興味津々です。

定期面談を成功させるためには、相手との「関係構築」が最優先

たとえば面談の際、ある外国人の子が「上司の○○さんはいつも私に仕事中注意ばかりしてくるので、ちょっと嫌な気持ちになります」と言ってきたとします。あなたは、それを聞いて何と答えますか?

「それは、あなたが間違ったことをしているからじゃないの?」

そんな返事を思わずしていませんか?
実はこのような返答をしてしまうと、もうその子はあなたに対して本音を言わなくなります。はじめからこの子の発言を疑っているからです。

そうではなくて、「そんなことがあったんだ」「○○さんが、あなたに注意ばかりしてくるから嫌な気持ちになったんだね」といった形で、まずは相手の気持ちを受け止める必要があります。

相手の話や思いを受け止めてあげれば、「この人には何を言っても、しっかり話を聞いてくれる」という認識になり、少しずつ関係が構築されていきます。「ラポール形成」とも呼ばれる、プロのカウンセラーがクライアントと対峙する際に最も大切にしているのが、この関係構築なのです。

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まとめ:環境とコミュニケーションに重きを

相手の意見をまずはくみ取る。どんなに相手の意見や考えが間違っていると判断しても、すぐその場で相手に矛先を向けずに「受け止める」ことができれば、次第に相手との距離感が縮まり、支援者としてのスキルアップすることにつながります。

いつ、どんな場所で、誰が話を聞いてあげるか。
そして、どんなコミュニケーションを意識するか。

それによって、本当の支援者としての支援ができる状態になります。
特定技能人材が登録支援機関と関係構築ができれば、「支援機関の人もサポートしてくれるし、また明日からがんばろう」という新たなモチベーションも生み出すことができます。ぜひ意識してこれからの支援をトライしてみてください。

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