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嵐が来る前に、家の庭でデイキャンプ

ここ数日、ずっと天気予報を見ていた。夜に雨風が強くなる予報。せっかくの長い休み。父と母が来ている間に、一度くらいはBBQをやりたい。

今日は家の庭で焼肉をすることに。北海道ではよく見かける光景だ。隣家や道路からはけっこう離れており、周りは木々に囲まれた我が家。まるでキャンプ場にいるかのような錯覚に陥る。

テントやタープを張ることも可能だったが、天候が悪化したらすぐに撤収できるように、それらは張らずにテーブルやイスなど必要最小限のキャンプ道具を使用するに留めた。

もうすでに時々強く風も吹いており、テントなどを張ってもひと苦労するのも目に浮かんだからだ。

少し涼しくなり始めた午後から炭をおこし始めた。子供達とじいじ(私の父)と夫と、楽しそうに炭をおこす姿は微笑ましかった。何度もキャンプを重ねていくうちに覚えたのか、息子2人ともやり方をかなり理解していた。

その間、わたしはご飯を炊いて塩おにぎりを作ったり、野菜を切ったり、肉類や飲み物をクーラーBOXに詰めたりしていた。そして1階の窓からそれらを庭に運ぶ。

家でのデイキャンプはかなり楽だし、手軽にキャンプ気分を味わうことができる。

非日常の中で非日常を楽しむ、というのがキャンプの趣旨だとすると、家でのキャンプは、日常の中で非日常を楽しむ、というのが趣旨だろう。

不便さなど含めてキャンプの醍醐味だと思うのだけど、家でのキャンプもこれはこれで良い。いつのも風景の中に、いつもはないものが溶け込む。

そういえば、賃貸暮らしの時代。買ったばかりのテントを寝室に広げて、インナーテントの中に布団を敷いて何日か寝たことを思い出した。

その頃、まだ小さかった子供達は、その「キャンプごっこ」がとても楽しかったらしく、ずっとテントの中で遊んでいた。以降、毎年のようにキャンプに出かけていた思い出は、子供たちの心に強く刻まれている。

もし今回テントを張っていたら、外で寝たい!と言っていたに違いない。


父は、ずっと笑顔だった。
母も、ずっとおしゃべりをしていた。
子供達も、飽きることなく外にいてくれた。
夫は、ずっと色々焼いてくれていた。


炭で焼いた肉や野菜は、少し焦げているけれど、キッチンで作るどの料理よりも美味しかった。ただの、塩おにぎりも、なぜかとても美味しかった。お酒も、とても美味しかった。



遠くの空がどんどん黒い雲に覆われていき、嵐が目の前に迫っていた。だけど、不思議と頭上の空だけは、ずっとぽっかりと青空が見えていて、時々パラパラと小雨が降る程度でデイキャンプを終えることができた。


またいつの日か、できますように。

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◾︎わたしのこと

霞月つむぐ ¦読書好きなエッセイスト

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