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Essay

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不定期に書いたエッセイのようなもの、をまとめました。
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#エッセイ部門

120文字のラブストーリー

おやすみの前に聴いたあなたの声は、 いつだって穏やかで、 眠たそうだった。 あの頃と変わらぬ様子に、 私はいつも必ず 思い出す。 そう。 今からちょうど20年前に、 遠距離恋愛していた頃に、 初めてあなたの声を、電話越しに聴いたのも、 この7月のある日だった。

私は美容師になりたかった

今日は久しぶりに娘の髪の毛をカットした。 肩から10センチ下くらいまで長く伸びた娘の髪の毛は、私に似て少し多い。重たくなった髪の毛をすきバサミですいていく。 「そういえば、ママは美容師さんになりたかった時期があったんだよ」 「え?!そうなの?!」 髪を切りながら、美容師になりたかった時期があったことを思い出し娘に話した。夢は実現しなかったけど。 なぜ、美容師を目指さなかったのか、娘は深く質問してこなかった。 それから娘の髪の毛を切り終わった後、久しぶりに髪の毛も洗