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筑前道中記 #2

前回のお話→筑前道中記 #1

2019年7月15日(月・祝) 2日目

今回の旅の最大の目的、追い山。
結論から申し上げますと、追い山見られませんでした。

4:59スタートなのですが、目を覚ましたのは6:00。
何故かアラームが鳴りませんでした。いや、鳴っていたのかもしれませんが爆睡していて気付かなかったのかも。

山笠は女人禁制で、その理由が神様が血の穢れを嫌うからだ、という話を聞いたことがあるのですが、今回山笠にご縁がなかったのはそのせいかもしれません。
(月の障りにあたっていて、14日時点で2日目でした)
寝過ごしてしまったのも、参加するなという神の思し召しだったのかなあ、なんて思ったり。
また次の機会に、万全のコンディションで参加したいです。

とりあえず二度寝を決め込み、10:00頃起床、気を取り直して、大宰府へ
バスに乗る前にごぼう天うどんを食べてパワーチャージ(2-1)。こちらは因幡うどんさん。
優しいお出汁が朝の身体に染み入ります。
九州特有のコシのないぽってりしたうどん、結構クセになるんですよね。画像1

博多からバスで太宰府へ。大体40分くらいの道程です。
三連休最終日かつ梅雨の晴れ間ということもあり、大宰府は観光客でいっぱい。
まずは特別展「室町将軍ー戦乱と美の足利十五代ー」を観るために九州国立博物館へ(2-2)。
こちらの博物館、建物自体もとても面白いんです。
壁面を覆うハーフミラーに木々が映りこみ、緩やかな曲線で構成された外観は周囲の山々の稜線と調和し、周囲に溶け込むかのよう。

入口すぐのところに大般若さんのパネルと書き下ろしのイラストがあったのでうちのぎねくんと記念撮影しました。(2-3)
お目当ての大般若さんはもちろんですが、その他の展示も見ごたえがあり、動乱の時代に築き上げられた独自の美の世界観を体感してきました。
日本史において、スポットが当たる将軍もそうでない将軍もいるわけですが、この展示ではそれぞれを丁寧に紹介し、将軍一人ひとりの人柄が感じられるよう工夫されていたのが印象的でした。
今回音声ガイドもつけてみたのですが、大正解でした。
美術品を口説くのが趣味だというキャラ付けと相俟って、まるで大般若さんと一緒に美術館デートをしているかのような気分を味わえました。
大般若さん自身は、何というか、ダイナミックかつ艶っぽくて目を引く刀だなあという印象。
六百貫という、当時としては大変破格の評価を受けたのも納得の美しさでした。

他にも見るところあるし・・・と思って常設展示などは見なかったのですが、大宰府の観光エリアって2、3時間もあればほとんど回りきれちゃうんですよね・・・
結局この日は時間を持て余し気味だったので、常設展示も観ておけばよかったと今になって後悔。

九博を後にして太宰府天満宮へ。参拝客が多すぎて、正直印象に残っていない・・・(2-5)(2-6)(2-7)(2-8)
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その後、宝物殿で蛍丸写に会ってきました。
丁度真打と影打が展示されており、大太刀というだけあり両者とも迫力があります。
まあ正直なところ、素人ゆえ両者の違いはよくわかりませんでしたが・・・刀匠さんのプライド、審神者を含めた刀剣ファンの愛、この刀に込められた様々な想いを噛みしめながら鑑賞してきました。

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参道をぷらぷら歩いていると、揚げ物の良い香りが鼻を掠めたので辿って脇道に入り、ハンバーガーショップを発見。こちらの筑紫庵さんで大宰府バーガーをいただきました(2-9)。
どうもこういう地名の入った商品には弱い・・・ご当地感があるとつい買ってみたくなりますよね。
大宰府といえば梅、こちらのバーガーには竜田揚げと梅肉ソースが挟んであります。あとバンズが特徴的。
梅肉ソースのさっぱり感がいい具合に全体とマッチし、食べ応えもあり満足でした。

お土産や手土産を買い込み、散策を少し早めに切り上げ、ゲストハウスへ向かうため西鉄太宰府駅へ。
令和ゆかりの地ともあり、令和のラッピングを施された縁起のよさそうな電車が大宰府と西鉄本線をつなぐ区間を走っています。
駅舎も天満宮を意識したつくりとなっていて、観光気分が高まります。

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この日のお宿はエアビーで予約した、筑紫野にあるとっても愉快なゲストハウス。
ホストのシコさんは、脱サラし世界を旅した後ゲストハウスの運営を始められた方で、とにかく面白い人!

とりあえず荷物を部屋に入れ、自転車をお借りしシコさんの勧めで二日市温泉 博多湯さん(2-10)(2-11)で一汗流すことにしました。
二日市温泉は奈良時代に開かれ、万葉の和歌にも詠まれたことがあるほどの名湯です。
「万葉の湯」とも呼ばれ歴代黒田藩主にも愛されたそう。
博多湯さんは1860年創業の歴史ある日帰り温泉で、源泉掛け流しで美肌の湯として定評があります。
※入湯にあたり、月経カップを装着し漏れることがないか確認した上で、太腿から上が湯に浸からないようにし、衛生上問題がないようにしましたことを書き添えます

ゲストハウスへの道すがら、ローカルスーパーを見て回りお土産を調達した後、ゲストハウスに居合わせた三人で夕餉をとりました。
シコさん手作りのカレーをご馳走になったり、手土産で酒盛りしたり(2-12)、四方山話に花を咲かせたり・・・
おかげさまで、ひとり旅のちょっとした寂しさがどこかへ飛んでいきました。
シコさんのこだわりがいっぱいで(2-13)、超アットホームなこのゲストハウスに巡り合えたことが、今日一番の幸運です。

日付が変わり、心は温かく、身体は温泉で解れ、満ち足りた気持ちで床に着きました。画像5

筑前道中記#3