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【水田家の食卓】3.気鬱

2024/1/10(水)
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気鬱。
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雨の中、薪を割り続ける1日。
見栄えのしない単調な作業だが、これだって大切な仕事だ。

ただなんだかな。気持ちが晴れない1日だった。
あいにくの天気だったからか、独り単調な作業が退屈だったからか。
独り黙々とする単調作業では、自分自身との対話(?)は必須。
この時間は私しか知らない醜い自分の本性と向き合わなければならない。
それに加えて、過去の後悔や恥辱が無限にフラッシュバックを繰り返す。これ以上に苦しいことはない。私がこの類の作業を苦手としている理由はこれだ。

ただ、この苦しさは単調作業だけに限らず、毎日突発的にやってくる。もはや天災。叫び、逃げ出したくなる。もううんざりもしなくなった。そんな毎日。とっても充実している。
くだらない問答を繰り返し、頭と心の容量の無駄使いを年中無休で毎瞬毎瞬勤しんでいる。継続は力なりとはよく言ったものだが、どうやらなんでも続ければいいって訳でもないらしい。努力賞はあげてやってもいい。

そんな毎日でも、なんやかんや落ち込みすぎずに過ごしてきた。ただどうしてか、ここ数日は気分がどんよりしきったままだ。
気が晴れない理由にはいくつか心当たりがある。

ひとつは”帰属感”だ。ここでの生活は基本的に常にホストの家族と一緒の時間と空間を過ごす。私はこれがどうも得意ではないらしい。私はどう足掻いたって”よそ者”でしかなく、常に”異質な存在”であることを自覚させられる。なんだろう、ここに私は居るべきではないと強く思ってしまう。”ここに居ていい”と思えない。これは私の昔からの性分だから、どんな状況であれ同じ思いはすると思う。帰属感を感じられないどころか、むしろ疎外感を勝手に感じ、存在感を消すために会話に入らず黙り込む。”もういいや”とコミュニケーションを取ろうともしなくなり、目も合わせられなくなる。1度こうなるとなかなか自分から元には戻れない。手を差し伸べてくれるか、時間がただただ過ぎていくのをひたすら息を殺して待つ。そうなると一層気まずい空気感になり、より自分の存在が邪魔であることを感じて苦しくなる。手を差し伸べられたとしても、私に対して気を遣わせてしまっていることに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになる。つまりはもうお手上げ状態。wwooferとしては最悪な感性だと思う。
これは幼少期からの悩みでかなり深刻だ。これはものすごく辛い。

また、これは穿った発言になってしまうかもしれないが、wwoof先にいろんな思想をもつ方々がいるというのもひとつの要因だと思う。実際、有機農業や農的暮らしを取り巻く環境下にはそういった人達が多いのは事実だ。

いろんな考え、性格の人がいるのがあたりまえで、正解や普遍的な正しさなどは決してない。そんな前提言うまでもない。なんだって自由だ。
そう認識しているはずなのに、スピリチュアルな話や文化的な習わしなどを、その背景や歴史を調べたりもせず、そして明確な理由や根拠もなく、ただ世の中の言説になびかれて”それがいいんだ”とか、”そうしないと不吉だ”とかを言っている人を見ると、私はとても不快な気持ちになる。スピリチュアルな感性や文化的習わしが嫌いと言っているわけでは決してない。
何を信じても、何を選択しても、それは各個人の自由の範疇だ。他人がどう生きようと、その選択に対して何を思うことは無い。それは他人への配慮であり、敬意でもあり、他人と自分との棲み分けでもあると思っている。

他の人の選択に対して、間違ってるだの、良くないだの、ペラペラと自分の正当性を訴えかけるのはほんとうに不快でしかない。私に対してだけでなく、他人が他人に対してそうしているのを見るのも嫌いだ。
得体の知れない脅しで恐怖心を煽り、他の感性や考え方を排他的に扱い、それでいて自分は清く正しく美しいんですよなんて反吐が出る。主張するのはご自由に。でも他人の自由な選択権のテリトリーに土足で踏み込んで、自分の正義を押し付け、ただただ自分が気持ちよくなるための肴にするのは気分が悪い。

なんて、そう言っている自分がまさにその人なのかもしれない。いや、きっとそうなのだろう。この間の私はまさにこれだった。過去の私には軽蔑すらしてしまう。これは戒めだ。自分と他人の境界線だけはしっかり引いて、その上で大切な人とは深く関わっていきたい。

なかなか強い言葉で表現してしまった。これを読んで気分を害してしまった方がいたら大変申し訳ない。ごめんなさい。

本音を打ち明けるときの言葉選びはすごく難しい。
ありのままでいるってすごく難しい。

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#薪割り
#油圧式薪割り機
#農村カメラマン

生憎の天気。悴む指先。解ける雪。
薪割り
油圧式薪割り機
薪割り一掃

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