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里山の再生に、土壌から挑む!NPO法人「地球守」さん訪問日誌

TSUMUGIでは、月に一度のペースで生産者さんのもとを訪れる社会科見学を実施しています。今回は、書籍「土中環境」の著者である、高田さんが中心となり、山の土壌改善や環境保全に取り組んでいる「NPO法人・地球守」さんの千葉の拠点(エコビレッジ)に見学に行ってきました!

11月23日、千葉県・土気にあるNPO法人・地球守さんのダーチャを訪れました。ダーチャとは、もともとロシアの言葉で、都市に暮らす人々が夏の間に過ごす菜園付きの別荘を指すそうですが、ここは別荘というには大きすぎるほどの敷地!小さな森付きの拠点といった印象です。

半日ほどの時間をかけて、ダーチャ内の建物や森を案内してもらい、土壌について、自然と共生する知恵についてを教わりました。

土も呼吸している

健やかな森を育てるのは、健やかな土。では、健やかな土とは?

水と空気の通り道がしっかりあって、微生物たちが活性化していると、土はふわふわで生命を育みやすい土壌になります。

こちらは、「段切り」という土壌再生の手法。土の中に切り込み入れることで、断面に水がしみこみ、表面を流れて行かないようにしてあげます。断面ができると、空気に触れる部分も増えます。水と空気の通り道ができて、呼吸しやすくなるというわけ。

段切りをしたそばでどんぐりが芽吹いているのも見せてくれました。段のそばは生命のパワースポットだそうです。

全国の里山再生のため、年間に約2000ポット育てているそう!

同じことはポットでの苗づくりでも言えます。水と空気の通りを良くするため、こちらのポットにも穴をあけています。

自然と共生する建築物

さらに案内してもらったのは、研修などに使っている家屋。
よくみると、足場はコンクリートで固められておらず、石の上に柱があるだけ!

地震がきても大丈夫らしい・・・

「石場建て」と呼ばれる建築手法で、地面と設置している面が石の部分だけなので、土壌環境に与える影響が少なくなります。対して、コンクリートで土を固めてしまうと土の中に空気が入らなくなるので、土壌の中にいる微生物も死んでしまい、土はどんどん固くなってしまうとのこと。

素人目には不安定そうに見えるけれど、実は石の下には焼き杭が打ってあり、そこに菌糸が絡まっているので、とても頑丈なのだそうです。

炭の力で全然匂わない!

こちらはコンポストトイレ。高低差のある場所にコンポストトイレをつくってあげれば、人間の排泄物も山の循環の一部になります。用を足したら竹炭と籾殻を上からかけると臭いもしないそう。

自然の賢さと力強さを教えてもらった1日

他にも、森を案内してもらいながら「枯れた木は枯れているけど情報を持っている」「植物は死んだとしても根っこのところに空気の通り道ができて、菌も生きやすくなる」etc…さまざまなことを教わりました。

生きているものだけでなく、死んだものにすら、すべての植生にちゃんと役割があり、それによって生態系のバランスが保たれているーー

自然の循環システムは、本当に良くできすぎているなあ…と改めて感じました。人間の社会にもこんな循環を持ち込みたい、そのために、TSUMUGIの活動ももっと広げていきたいなと思いました。


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