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PIXAR映画マイ・エレメントを観て~みんな違ってみんないい~

ディズニーピクサーの最新作マイ・エレメント
アーユルヴェーダの根源ともいえるエレメント(元素)がテーマで
昔からピクサー映画が大好きということもあって先日観に行ってきました!
そこで改めて感じたことがあったので書いてみたいと思います。

アーユルヴェーダの5元素とは

アーユルヴェーダの重要理論の1つに
” Panca Maha Bhuta Nyaya" (パンチャマハーブータ二ヤーヤ)
というものがあります。
これは
この世の全てのものはパンチャマハーブータ(5元素)からできている
というものです。
5つの元素とは空・風・火・水・地のことで
私たち人間も、動物も、植物も、海も、スマートフォンも、車も
この世に存在するものは全てこの5つの要素からできているというものです。

私たちの体を動かすエネルギーであるドーシャも、同じくこの5つの要素からできています。
ワータ(風エネルギー)は空要素+風要素
ピッタ(火エネルギー)は火要素+(少し)水要素
カパ(水エネルギー)は水要素+地要素

私たちは全員この3つのドーシャ全てを持っていますが、
どのような割合で持っているかによって体質に違いが生まれ
私たちの体の特徴や行動・思考の傾向に違いが生まれます。

映画マイ・エレメント

マイ・エレメントの中では風・火・水・土(地)の4つの元素が描かれていました。
その中で主人公のエンバーは火のエレメント、ウェイドは水のエレメント、
アーユルヴェーダで言うとエンバーはピッタ体質、ウェイドはカパ体質です。
勝気で少し怒りっぽく努力家のエンバーと、優しくて穏やかなウェイド、
2人共ピッタとカパの要素がたっぷりで、アーユルヴェーダの世界観がそこにはありました。

違うから恐れる、でも違うから惹かれる

火のエレメントのエンバーと水のエレメントのウェイドは正反対で
映画の中ではお互いを消し合ってしまう可能性もある存在として描かれています。
その為、初めはお互いにあまり近づかないようにしています。
でも違うからこそ見たことのない世界を見せてくれる、
知らない感情を教えてくれる。

これは私たちの世界でも同じだと思っています。
自分と全く違う人を見て最初少し距離を取ろうと感じることって
ある意味動物としての防衛本能が働いているんだと思います。
だからとても自然なことなんじゃないかと思っています。
でも違うからこそ刺激をもらえる、新しい価値観に触れることができる、
そして人として成長することができる。
英語でeye-openerという言葉がありますが、
文字通りパッと目を見開かされる経験って自分と違うタイプの人から受けることが多いように思います。

私自身海外生活の中で経験したことですが、
悩みがあった際に日本人の友達に話すと、私の思いに共感してくれて
私の思いを分かってくれる嬉しさと安心感を与えてくれました。
反対に外国人の友達に話すと "なんで悩んでいるのか分からない、
だって〇〇〇〇でしょ?” と言われたりしました。
この〇〇〇〇は私にとって新しい考え方で、自分1人では決してその答えにたどり着くことはありませんでした。
海外という場所で生活する私にとって、
日本人がくれる共感も外国人がくれる刺激もどちらもとても大切なものでした。

みんな違ってみんないい

アーユルヴェーダの体質は大きく分けて7つあります。
・ワータ体質(ワータの割合が高い)
・ピッタ体質(ピッタの割合が高い)
・カパ体質(カパの割合が高い)
・ワータピッタ体質(ワータとピッタの割合が同じぐらい高い)
・ワータカパ体質(ワータとカパの割合が同じぐらい高い)
・ピッタカパ体質(ピッタとカパの割合が同じぐらい高い)
・ワータピッタカパ体質(ワータピッタカパの割合がほぼ同じぐらい)

体質が違うと見た目だけでなく、考え方や行動に違いが生まれます。
違いが生まれるとそこには誤解や摩擦、衝突が生まれやすくなります。

例えば、
考えるよりも先に行動する傾向が強いワータの人を見て、
思考型のピッタはもう少し考えてから行動して欲しいと思うかもしれません。
目標を立ててそれに向かってストイックに突き進むピッタを見て、
変化を好まないカパは苦手に感じるかもしれません。
自分の考えをまとめたり口にするのに時間がかかるカパを見て、
アイディアマンのワータからは考えががないように見えるかもしれません。

でも違う人たちの集まりだからこそ私たちの世界はバランスがとれている。

この世の中が例えばワータ体質の人ばかりだとしたら、
沢山の新しアイディアが生まれ次々と変化していく世の中になる一方で
職人さんのように何十年も1つのことを伝えていく、そんな存在はいないかもしれません。
もしピッタ体質の人ばかりだとしたら、
目標を掲げ努力する人が多い一方で、
ピリピリとしてリラックスを忘れてしまった社会になるかもしれません。
もしカパ体質の人ばかりだとしたら、
ゆっくりと穏やかな毎日を過ごせる一方で、
刺激や変化、驚きの少ない社会になるかもしれません。

色々な人がいるから世界は面白くなる、
そして学ぶことができる。
ワータの人からは行動することや変化することの大切さを、
ピッタの人からは努力することや上を目指すことの大切さを、
カパの人からはリラックスすることや継続することの大切さを、
そして私たちは少しずつお互いに成長し合えるのだと思います。

アーユルヴェーダの体質は大きく分けて7つですが、
同じ体質にカテゴライズされても1人1人のドーシャの割合は違います。
もちろんそこに育ってきた環境などもプラスされるわけなので
当たり前のことですが、本当に色々な人がこの地球上で一緒に暮らしているんだなと。

自分と全く違うタイプの人に出会った時、頭で理解できず正直まだまだイライラッとしてしまうこともあります。
でも理解できなくて当たり前、だって違うから。
理解しようとせず、ジャッジしようとせず、ただ受け取る、このことがもっと上手くできるようになりたい。

色々な人が一緒に生活することの難しさを感じることももちろんたくさんあるけど、
色々な人がいるからこそ世界はカラフルになる。

”みんな違ってみんないい”
よく耳にするこの言葉の意味を改めて考えさせられる、そんな映画になりました。







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