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深海の揺らぎになびいて眠る
厚い海藻のカーテンに仕切られた海の底では
光が届かない国の住人がいる
色は無い、形は無い、言葉も無い
黒潮に結び付けられたそれぞれが
互いを干渉するわけも無く
ただ、音楽が流れるのを聴いている
たまにそこへ真っ白な灰が降り積もるとき
それぞれが祈りの為に海面を見あげようとするが
それぞれは目が無いのを思い出して
それぞれに嘆く
しかし言葉も無いので悲しみは声にならず
何も無かったかのように海流が続く
七キロの早さで四散していった灰は
生まれ変わってまた陸に帰るだろう
おかえり、と誰かが言うはずだった
光のない国の誰もがそう思っていた

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