元彼に言われて意味不明だった台詞

元彼に言われて意味不明だったけど当時は何故か傷ついてた台詞がある。元彼が彼の自宅にて無言でゲームやってる横でぼーっとしてたら急に
「俺、身内に数えるのは血縁者だけだからな。」
って喋りだして、二十歳を少し過ぎたくらいの私は意味不明だったけどその言葉のイントネーションでショックを受けていた。え?元彼くんの身内になれないの?元彼くんと結婚して赤ちゃんを産んでそのお母さんになっても私は他人なの?そう深読みしていた。そして私はたぶん泣いていた。昔のこと過ぎて思い出せないけどたぶん泣いた。それを見て元彼はメンヘラめんどくせーみたいな対応をしていたと記憶している。ぼんやりとだけど。
今になって思うんだけど、なんで私は元彼の身内になりたかったのだろうか。好きな人の身内って、そりゃなれたら嬉しいが「身内」なんて言葉は人間同士の関係性におけるオマケみたいなものじゃないだろうか?例えば、事件や事故に遭ったとき警察の人に向かって「この人は身内の人です。」と言うことがすごく稀にあったり、他にも「身内の者がご迷惑をおかけしました。」とか言うことがあったり、「身内」と言う単語の使い道はそれくらいのものだろう。なのに何故私は「身内」にこだわって態々泣いていたのか、自分でもわからない。そもそも、恋人に向かって血縁者しか身内に入れないからな、と宣言するのは如何なものかと思われる。そしてそんな台詞を吐く人と付き合っていた自分のセンスの悪さに笑ってしまう。
元彼の意味不明なこの台詞をどう解釈すれば良いのか今の私にはよくわからない。現時点でうっすらわかるのは、とにかく格好つけたいとか、お前とは体の関係はあっても一生他人だ、みたいニュアンスを含むことぐらいだ。こんな自分勝手でナルシズムの強い人間とよく付き合ってたなあ…若かったなあ…と言う愚痴を書き綴ってみたのだが、如何だっただろうか。書いた当事者以外つまらないとは思うが、書き出すことで消せるもやもやもある。今出せる明確な答えと言えばこれくらいのものだろう。本当に意味不明な台詞が一生に一度はあるんだなあ。

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