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完母になれなかった私の母乳リタイア

離乳食前の乳児の栄養摂取は
 ①母乳のみ(いわゆる"完母")
 ②ミルクのみ(いわゆる"完ミ")
 ③母乳とミルク混合
の3タイプありますが、我が家は③の混合栄養で生後4ヶ月まで過ごしてきました。

これは私にとっては本意ではなく、
いろんな母乳相談のタイミングで毎回「できれば完母をめざしたい」と、助産師さんや保健師さんに話し続けてきました。
が、願いは叶わず。
混合栄養から完母へ移行できず、完ミへの移行を決意するに至りました。

母乳神話とのたたかい

粉ミルクの缶には「基本、母乳で栄養をあげるのが最良でありミルクは代替手段である」旨記載されているうえ、WHOも以下のように謳っています。

6 ヵ月間は完全母乳で育て、2 年以上母乳育児を続けることができれば、衰弱や肥満など子どもを栄養不良から守ることができます。

"母乳神話"と言うと、あたかも
「本当は良くないことを良いと思い込んでいる」かのようですが、実際母乳が最強なわけです。

おまけに完母ならミルクと違って外出時に荷物が少なくて済むしミルク代やら哺乳瓶代もないので経済的。
さらに子とスキンシップも取れる。すばらしい。

出産前からこういった情報を見続けた結果、
私の中で母乳神話が確立され、完母に無条件の憧れを持っていました。

でも、スタートダッシュ失敗

完母になるためには子が欲しがる分どんどん母乳をあげ、頻回授乳を行うことが必要とされています。

がしかし、スタートダッシュ失敗。

私の産院は母子別室で3時間おきの通い授乳。
母乳前後で体重を測り、足りない分はミルクを足すスタイルでのスタートで、母乳オンリーではなくミルクを足すのは当然・授乳は3時間おきというやり方が頭に定着していきます。

また、ありがたいことに夫が夜間の授乳を2回担当してくれた(22時と深夜1時)ため、
必然的にその間は母乳をあげないことになります。

1日全部の授乳を母乳で頑張ればよかったんでしょうが、実際体力的にきつい。
幸せな授乳像とはほど遠い、授乳でギャン泣きさせてしまう自分が嫌になり精神的にもきつい。
一度は「完母になりたいから全部私が授乳する!」と息巻いたこともありましたが、夫に一部授乳を担ってもらう体制は継続しました。
これは、夫にとっても授乳は子と触れ合い多少なりとも癒される時間であったからです。

24時間全ての授乳を私が行うこと以外を前提として、試行錯誤しまくる苦難の4ヶ月が始まりました。

一心不乱に試行錯誤した0〜3ヶ月

とにかく完母になりたい一心で、ぴよログに毎日毎回の授乳の状況を記録し、原因の切り分けと対処を続けました。
また自分だけでは埒があかない!!と思いつめた時は、専門家である
・自治体の保健センターの助産師さん
・桶谷式母乳相談室の助産師さん
にアドバイスをもらいました。
基本的には授乳姿勢など諸々チェックしてもらい改善ポイントがあれば指導してもらうのですが、自分的“目からウロコ系アドバイス“として以下のようなものがありました。

◎夫に授乳を代わってもらうなら夜より朝とか日中の方が良い

これは夜間にプロラクチン(乳汁分泌作用のあるホルモン)が生成されるため。
助産師さんから「旦那さんテレワークのときに、会議しながら手元でミルクあげてもらえばいいのよ〜!」と言われ、たしかにー!とは言ったものの、さすがにそれはお願いしませんでした。笑

◎1回の授乳で頻繁に左右を入れ替える

母乳分泌には波があるからこうしたほうがよいというアドバイスでしたが、我が子は出生体重重めだったので左右頻繁に入れ替えるのは結構しんどい。しかも入れ替えると機嫌悪くなったりするのでなかなかうまくいきませんでしたが、そういう手法もあるのねという意味で記しておきます。

なんかうまく飲んでくれるようになったな…!という瞬間もあれば、またすぐに飲まなくなったり、以前と違う嫌がり方をしたり。
とにかく授乳は毎日の悩みの種で、メンタルをすり減らし続けました。

そして、生後4ヶ月でも混合栄養のまま。
搾乳してもMAX両胸あわせて60mlくらいでした。

冷静になった生後4ヶ月

日々原因分析→対策実施をぐるぐる繰り返していましたが、2つのきっかけで完ミに切り替える決断に至りました。

①「完母の人は今ぐらいの時期、1日に10回以上母乳あげてますよ」と言われる

生後3ヶ月の終わりに宿泊型産後ケアを利用した際、母乳相談で言われた言葉です。
言われてショックだったとかではありません。
やっぱりそれぐらい頻回授乳しないと完母って難しい。今から回数をそれだけ増やすのってしんどくないですか?授乳以外の育児もあるんだから無理しなくて頑張らなくていいんですよ!
というニュアンスでこの言葉をかけてもらい、やっと完母になれない自分を受け入れられたのだと思います。

②完ミで子を育てた友人の言葉

完ミだけど何か困ったこともなく元気に育っているから大丈夫!
やっぱり経験者の言葉は背中を押してくれました。

決断をしてからは「まあ飲まなくてもしょうがないよね〜」くらいのゆったりした気持ちで授乳し、生後5ヶ月になった日から完ミに切り替えました。
おっぱいあげないと多少ぐずったりするかな…?!なんてちょっと期待したものの、初めからおっぱいなんてなかったかのようにあっさりと完ミに移行できてしまうのでした。

トラップも多いけど

子どもがいる友人とよく話題になるのが、街中で「あら可愛いわね〜母乳?」と突然聞いてくるご年配の方について。
私も1回遭遇。
当時は「ミルクと半々です〜」とヘラヘラして立ち去りましたが、悩んでいる身からすると心がザワザワするもの。
夜間も授乳あって大変だね、頑張ってね、の意図なのはわかっているんですがね。

母乳が特別なものであるのはわかるけど、私自身は
量も少なくて子もおっぱいに執着していないのに無理におっぱいをあげつづけるのは親のエゴなんじゃないか?と思うようになりました。
身近に早々に完ミにした友人がいたから決断できましたが、もしこういう存在がいなければ母乳神話にすがり、出ない母乳を搾り続けていたと思います。

心が少しでも穏やかになるほうを選んでもいいよね。
母乳のかわりに、いっぱい抱っこやハグをしたいと思います。

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