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袋が有料化した。すなわちどういうことか。

コンビニでも当然袋は貰えない。すなわちどういうことか。

購入した商品を剥き出しで持って帰る人間がでてくる。

すなわち僕だ。


肉じゃがを持って夜の街を歩く。
いつもの帰り道、おもむろに肉じゃがの封をきる。割り箸をそっ、と袋に滑り込ませる。

空気と肉じゃがの境と僕、それぞれの境界が溶けてゆく。

標識が落とす影をまたぎ、歩く。仕事を放棄してチカチカと点滅する信号機。ぬるい風が頬を通り過ぎる。夢のごとき世界を煌々と月が照らし出す。イヤホンから流れる音楽にあわせ足音を鳴らす。ウェス・モンゴメリーはいつだって僕の鼓膜を心地よく震わせる。
冷たく固まった油が口の中でほどけていく。すれ違う人が僕の手にある肉じゃがを一瞥して、すぐに目を逸らす。日常の中の非日常。見慣れた道も少しよそよそしい。

そう、世界はいつだって変えられる。
そしてそれは自分の足で踏み出すことが大切なんだ。

手元では同意するように、白滝がプルンと揺れた。

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