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また買っちゃったよ『マイブック』

いよいよ入りましたね、12月。寒いよ。
今日は新潮文庫のユニークな本をご紹介。その名は『マイブック』。
どうしようもない本なんですが、今年も買ってしまいました。

なんて説明したらいいんでしょうね。日付と曜日しか入ってない、ほぼ白紙の本です。サイズは文庫判。とりあえず、日記風な文庫本としておきましょうか。


「本書の使い方」

日記風と書きましたが、必ずしも日記として使わなくていいんです。こんな風に書いてあります。

 1日1ページを手帳として使うか、日記をしたためるか、まったく別の用途を見つけるのか。本書はどんな使い方も自由ですが、1年が終わった時には、じぶんだけの「2022年」を1冊にぎっしり詰めこんだ「マイブック」が完成していることでしょう。
 きっと2022年の「じぶん」がいちばん面白い。あなたのそばにいつも置いて、愛用してください。

躓くロバ『マイブック』新潮 2022.,
p.398

使用例として、いくつか挙げられています。少し紹介しますね。

  • 新聞記事、切手、キップ、ハズレ馬券……。2022年のさまざまな思い出をのこすスクラップブック。

  • 友人、恋人どうしの交換日記。

  • 2022年にあなたは何をたべた?朝、昼、夜の食事メモ

(クセ強くない?????)

ちなみにロバは、恋人とのデートで持ち歩いて記録をつけることが多いです。その時食べたものや行った場所、そして恋人のイラストを描きがちです。惚気です、すみません。
また以前Twitterで、プロフィール画像を模写するキャンペーンやっていたのですが、それもこの本に描きました。


どうしようもないポイント

ここまで読んで「別にそんな面白くなくない?」って思うじゃないですか。安心してください。本気でどうしようもなくなるの、ここからです。

著者欄・著者略歴欄

表紙、背表紙、扉、奥付……。至る所に著者名を書く欄があります。
カバーそでには著者略歴を書く欄があって、写真まで貼れちゃいます。
カバーはツルツルしているので、光沢のあるシールに印刷するとそれっぽくなるかもしれません。今度作ってみようかな🤔
「その年のベスト・ポートレートとか貼ると素敵かな」と思う反面、「誰かに見られた時にめっちゃ恥ずかしいな???」と思う自分もいます。
ちなみに新潮文庫の本でも、ポートレートが載っていない本もあります(我が家における調査では、写真掲載の方が少数派でした)。

写真が貼れちゃうカバーそで(右は『夜のミッキー・マウス』)


スピン

新潮文庫の隠れたシンボル、スピンしおり

森見登美彦『太陽の塔』

こちらの記事によれば「1933年から終戦直後の物資不足の時代を除き、新潮文庫には現在まで一貫してこのスピンが付いています」。もともとは他の文庫にもあったそうなのですが「コストダウンなどの理由でスピンを取りやめる文庫が増え、いつのまにか、新潮文庫にだけスピンがついているという状況に」なったそうです。逆になんで続けているのか。

スピンをつける理由は、「読書において非常に便利である」ことはもちろん、「安価で軽装な文庫本といえども書籍であり、これを蔵書として扱う読者にこたえたい」という考えが新潮文庫にあるからです。
言い方をかえると、「読み捨てにされるような文庫は出していない」という私たちの自負でもあるのです。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 新潮文庫のささやかな秘密。

うう、かっこいいよ。それを『マイブック』でも貫くところがすごいよ。確かにとっても便利だよ。

天アンカット

覚えていらしゃいますか。少し前にバズった岩波書店のツイート。

上を敢えてギザギザにしているというトリビア。これをやっているの、新潮文庫もなんです。

これが『マイブック』も例外ではなく適応されてるんです。本当にどうしようもない、愛すべきこだわりです。


きっとまた買っちゃう

上にご紹介した以外にも、本当にどうしようもないポイントがたくさんあるんです。巻末にあとがき書くとこついてたり。カバーそでに年間カレンダーついていたり。ISBNついていたり。ちゃんと安価だったり(定価400円!)。

ちなみに私は一年間通じていろんなところに持っていくので、図書館で使われるような透明のフィルムを貼っています。こんな感じの。

この本、私は今年で2冊目なんですが、並べると楽しそうですよね。
著者、ぜんぶ私。売れっ子作家みたいじゃないですか。

こうして背表紙を並べてみると、帯ごと保管したくなりますね。ちなみに2022年は銀です。かっこいい。

ちょっと年末らしい本の紹介でした。
あなたも作家デビューしてみませんか?


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