#057 2016年3月25日
「妊娠した・・・」
仕事から帰って妻に言われた一言。
2016年3月25日、この日は忘れられない日です。
それまで私たち夫婦は、約2年の間不妊治療、妊活をしてきた。
タイミング法に始まり、食事の改善をしたり、定期的に運動したり、人工授精したり、ご利益のある神社にお参りに行ったり・・・などなど、色々と取り組んできた。
先日も人工授精を行ったが、今回で8回目。
先生からは「そろそろ次の段階(顕微授精)へ進みましょう・・・」と促されているところでした。
不妊治療を開始したとき、妻はホルモンの数値が悪かったが、通院するうちに改善してきていた。
私も採取する精子の量にバラツキがあったが、特に問題があるという訳ではなかった。
それなのに人工授精を始めても全然結果がでない。
先生に聞いた話や、ネットで調べた感じだと、6回以上の人工授精はあまり意味がないらしい。
「妻の卵子と私の精子の相性が悪いのだろうか?」
妻と二人で悩んだこともあった。
回数を重ねるごとに、仕事を休まなければならない、お金もかかる、結果がでないことへの苛立ちが積み重なる。
夫婦仲も少しずつ悪くなる。
もちろん、ケンカばかりしている訳ではないが、以前よりもケンカの回数が増えているのは確かだ。
追い打ちを掛けるように、仕事もあまり上手くいかなくなってきた。
仕事のストレスが原因で言いたくないようなことを妻に言ってしまう・・・
またケンカが増える。
悪循環。
最悪だ・・・
この頃のケンカの原因は、ほとんど私。
だけど「ごめん」の一言が言えない。
ケンカが激しくなり「離婚」の二文字が頭をよぎることもあった。
どうせ子供がいないんだから離婚しても良いのではないか?
今度の不妊治療もうまくいかなかったらお互い爆発してしまわないだろうか・・・
「妊娠した・・・」
そんな中で言われた一言。
涙が止まらなかった。
玄関先で妻と抱き合った。
言葉も交わさず、ただただ抱き合った。
時間も忘れるくらい。
何分経ったのかは分からないけど、とても長い時間だったと思う。
不妊治療の結果が出ないことへの苛立ち、仕事がうまくいかないことによるストレス、すべてが吹っ飛んだ。
子供を授かるということは「一億分の一の奇跡」という人がいる。
今まさしく、その奇跡を経験している。
「妊娠した・・・」
妻の一言は、すごい力が宿っていた。
大げさだけど笑
この時は全てがうまくいくと思っていたが、出産までには、まだまだ事件が続くのです・・・
続きは、また明日。
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