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ネガティブは自己防衛本能システム

スキーをしていて転んでしまった息子。
「もうやだ、心折れた。やめる!」
と片付け始めた。

家への道を歩いていると、
「僕、今、ネガティブ」
と、少ししょんぼりと息子が言った。

「そっか!危険を察知してネガティブが発動したんだね!素晴らしいね!」
と母は言った。

「え?」
意味が分からないという表情で母を見上げる息子。

「ネガティブはさ、自分の身に危険が及んだ時に発動する防衛本能で、自分の命を守るために発動するんだから、良かったじゃん!」
「『転んで痛かった』『だから止める』っていうのは、自分の体を守るためにネガティブが発動して、これ以上スキーをしないように本能で行動を止めたんだよ。だからそんなにしょんぼりしなくていいんだよ」

「ふーん…」
息子の表情はさっきよりも明るくなっていた。
「じゃあ、ソリで遊ぼっ!」
そこからまた30分ほど雪遊びは続き、母は体力の衰えを嫌というほど味わった。

夜になり、ふと息子が聞いてきた。
「ポジティブとネガティブはどっちが良いの?」

母は自分に言い聞かせるように言った。
「どっちが良いとか悪いとかじゃないよ。どっちもあっていいんだよ。昼と夜、太陽と月、どっちが良いとかないでしょ?いつも交代してるんだよ」

「じゃあ、太陽は悲しくなってお月様に交代するのかな?」

「ん~…悲しくなったから交代とかじゃなくて、役割分担って感じかな?はい、こうたーい!って感じ?」

「ふーん」

質問しといて話を最後まで聞かずに違うことをやりだす息子は、すでにスプラトゥーン3をやり始めている。
ガチヤグラにはエクスプロッシャーが良いと力説し始めた。

なんだかいい話が出来た日曜日だったな、と母は嬉しく思っている。

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