子どもにとってSNSは悪なのか?

学校が支給したタブレットが原因で、小学生が自殺したというニュースがあった。
オンライン上での陰口が原因だという話だ。
以前からこのような事例はあったが、我が子が通う学校でも、生徒一人に一台の端末が支給されたことで、いろいろ考える機会が増えてきた。
まだオンライン授業は想定しておらず、学校内だけでの使用に限定しているが、状況が変わればどうなるかは分からない。

今回の事件を受けて、また教育現場がSNSを悪いものとしてとらえ、排除する方向に進まなければいいなぁと思っている。
SNSがいじめの温床になるという話は以前からあったが、SNSは場所になっただけで原因ではないと思っている。
また、一言でSNSといっても様々あるわけで、良いところも悪いところもそれぞれ違う。
危険なこともあるだろうが、その危険とどう付き合うかを教えるのが教育だと思う。
しかし、教育現場に限らず社会全体が危険を排除する方向に動きやすいので、学校でのICT教育の方向性が心配になってしまう。


自治体の教育を管理監督するのは教育委員会だが、その委員になるのはほとんどが定年退職した教員や公務員だ。
数年前の規則の改定で、小中学生の子どもを持つ保護者を1人以上入れなければいけなくなったが、発言権は弱い。
田舎の町では委員の成り手がいないので、何期も連続して同じ人間が任命されることもざらで、何歳なんだろうと思うような人が現役で委員をやっていることもある。
実務を担う公務員がICT教育を説明したとしても、理解できない委員が多いのが実情だし、その公務員も数年ごとに異動になるので、詳しい人間がいない場合も多い。
そういう組織が、教育現場を仕切っているのが現状だ。

話を戻すと、SNSといっても様々あるわけで、良いところも悪いところもそれぞれある。
危険なこともあるだろうが、距離を越えてつながることが出来、自分の世界を大きく広げることができる素晴らしい面もある。
危険なものを排除して子どもの安全を守るのではなく、危険を教えたうえで身を守る術を教え、どう利用していくかを教えるのが教育の役割だと思う。
クラスのコミュニティとしてグループを作るような、そんな狭い世界でのつながりではなく、世界中とつながれる可能性を感じられるようになってほしい。
いじめに苦しんでいたり、友達がいないと悩んでいたり、価値観が合う人が周りにいないと思っている人ほど、SNSが救いになることもある。
事実、現実生活では友達といえる人がいなかった私が、SNSでのつながりから豊かさと幸福感を実感し、日々の生活に彩を感じることが出来るようになった。
子どもにとっても、自分自身を表現する場になったり、同じ趣味の人とつながることで充実感を得たり、様々な価値観に触れることで見識を広げる刺激になったり、プラスになることも多いはずだ。

そんな思いから、先日から長女にTwitterを利用することを許可した。
もともとイラストを描くことが大好きで、時間があればずっと描き続けている。
そんなに熱中して続けることが出来るというのは才能だと思い、私のiPadを使うことを許し、パソコンもおじいちゃんに買ってもらい、子どもにしてはかなり充実した環境で、趣味のイラストを描き続けている。
せっかくだからそのイラストを投稿してみたらどう?と勧めたところ、やってみたいというので、注意すること、危険なことを伝えながら、アカウント登録から一緒にやった。
一応私がフォローして見ることを伝え、おすすめの使い方なども教えた。
まだ始めたばかりだが、好きなYouTuberをフォローしたり、ハッシュタグを使って同じ趣味の人を見つけたりしながら楽しんでいる。
いいね♡がついたりリツイートしてもらうと、嬉しそうに教えてくれる。
有名なYouTuberからフォローバックされて、一緒に興奮したりもした。
プロフィールを何度も変更して、制限のある文字数でどうやって自分を伝えるか試行錯誤している様子を見ると、作文の授業よりもずっと効果があると思ってしまう。

我が子には出来るだけ多くのことを経験させたい。
失敗もするだろうし、傷付く事もあるだろう。
でも、それを恐れて何もしないよりは、人生はずっと豊かになる。
ひとり立ちするまでは寄り添って、一緒に色々な経験をして楽しんでいきたいと思う。

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