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わけがわからない、なんだこれは(乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読んだ人の書き殴り感想)

〈3524字〉

どうも、パニックのみゆ3です。
本を読み終わりました。
意味が分かりません。
あの、本当に私の身の回りにこれを読んだことある人はいないんですか。

いやまあ私もこの小説はたまたま三洋堂書店の古本コーナーで出会って、何となくタイトルに惹かれて手に取って、あらすじを見て「へ~」って思って即買いしただけなので、その瞬間までは存在も知らなかったんですけど。

とりあえず本の背表紙のあらすじを書く。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにはほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説――と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

そのまま引用

まあ、こんなこと言われたら気になるじゃないですか。
この本を買ったのはたしか2月か3月で、ちょうど湊かなえの『告白』を読み終わって初めて「こんなおもろいミステリーあるんや!」という感動をした、「みゆ3ミステリ黎明期」(?)だったのでね。

でしばらく積読してて。
次何読もうとなって、積読コレクションの中からパっと選んですぐにブックカバーをつけたので、このあらすじは読まずに本を開いたんですよ。
だからまあこれがラッキーで、買った時以来あらすじを読んでなかったから「最後2行」とかを意識せずに読めたわけですが。

かるく内容

時代は80年代後半。公衆電話が頻繁に出てきたり、各章ごとのタイトルも懐かしい曲(ほとんど聞いたことがないけど)だったりする。
(せっかくだから曲を流しながら書くことにしようか)

あらすじにもあるように、まあほんとにベタな感じなんですよ。友達に誘われた合コンに渋々参加したらそのうちの一人に一目ぼれして、何回かデートして付き合いました、数年経って「僕」が東京に上京することになってしまったけど、それでも毎週会って、けど「僕」も東京でいろんな出会いがあって……みたいな。


⚠️⚠️⚠️⚠️注意⚠️⚠️⚠️⚠️


ここから内容にがっつり触れる上に、言葉を選ぶつもりもありません。
後々修正する可能性はありますが、今だけは叫ばせてください。
















??????


これね、私今日乗ってた電車と自宅に帰ってきてからの時間で一気に読んだんです。そんな分厚くなかったし、読みやすい(別に褒めてない)し。

というかね、そもそも、全然おもしろくなかったんですよ。

私基本的に多分趣味悪いんですけど。

この本、僕とマユがくっつくまでの間はマジで何の障壁もないし、小説の全体ページにおけるセックスの割合多すぎやろ死ねカスって一生思ってました。

何度読書を中断してTwitterで文句を言ってやろうかと悩んだことか。

何の障壁もなく恋愛する男女の小説、誰が好きやねん💢💢💢💢💢💢💢

多分Twitterするならこういう文章だったと思う

けど帯では芸能人が絶賛してるし、この読書を中断しても私に残されているのは退屈な田舎をちんたら走る電車での虚無な時間だけですし、元々私はよっぽどのことがないと読破を諦めたりしない主義なので、まあそれはそれはイライラしながら読んでたんです。

遠距離恋愛で週一セックスをするな、理不尽に他人に暴力をふるうな、彼氏持ちに対して毅然とした態度で正論に見せかけた暴論をふるうな、同僚が美人すぎることを理由にホテルに行くな。

色々言いたいことはあるけどなんかもう全部とびました。
こんなこともう今となってはどうでもいいです。

ひとつ、珍しく電車で乗り物酔いをしながら、自分は案外性善説信者なのかもしれないなとしみじみとしていたことは覚えています。


どういうことでしょうか。自分でも意味が分かりません。


はい、核心を喋る。

あの、『イニシエーション・ラブ』、9割9分はまじで面白くないけど、けどというか「なのに」、ガチで最後の2行でこれだけパニックにさせられている作品ということは理解してほしくて、なのでそれでもし興味を持ってくれているのならぜひ読んでほしくて、別に私もネタバレをやりたいわけではなくて、ただただ意味の分からない激動の思考をどうにかするためだけにこういうことをしていて、なので、ほんとはあんまり書きたくないんです。

ということを喋っているといつまで経っても書けないので書く。

「僕」=鈴木夕樹くんで、彼女のマユは「夕」がカタカナの「タ」に見えることから「たっくん」と呼んでいるんですね。

主人公は鈴木だからずっと鈴木視点で話が進む。

小説は当時主流だったカセットテープになぞらえて目次が「sideA」「sideB」とされていて、それぞれ6曲(6章)ずつの構成。

Aが鈴木の大学生時代、Bが鈴木の社会人時代。

てな感じで読み進めてて。
Bでは美人な同僚の石丸さんに告白されて、なし崩し的にヤッて。(ヤるなカス)

で、ラスト2行で石丸さんが彼に聞くんです。

「……何考えてるの、辰也?」

えっ?!

とわけが分からないままに物語が終わってしまいました。

なんですか?これ。

最後のほうを読んでいたのは自宅だったので、まじで素で「誰?!」と声を出してしまいました。誰も答えてくれません。家族は寝ているし小説はあとがきを残すのみです。

えっ?ちょっとまって?2人?
待て、どこで入れ替わった。
鈴木?ん?スーさん?(同僚からのあだ名)
たっくん……いや辰也も「たっくん」でいけ……るけどさ……
じゃあ堕胎した子どもは誰の子???
待って、マユは?マユは同一人物?よな???
じゃあこいつはトンデモ悪女ってこと??
まじで、どれが誰????
時系列?そんな君の名は。スタイルありえる???

みたいな(本当はもっと現状を把握できていなかった)思考をいったん落ち着かせようとして、解説の「『イニシエーション・ラブ』を理解するための用語辞典」を、本当にパニックになりながら読んだ。

この混沌を、とりあえず自力で落ち着かせたかったのでまだネタバレというか、解説をネットで調べたりはしていない。していないが、しないと絶対に拾いきれない。叙述トリックの全ては無理だ。これを自力で楽しみ切るには、私は生まれてくるのが遅かった。のかもしれない。もうそれすら判断がつかない。

まあとりあえず解説を読んだりひとしきり騒いだり、かいつまんで読み返したりして冷静さは大体取り戻した。

おそらくはsideAとsideBは時系列的には同時進行で、整理しながら読みたければ「sideA①→sideB①→sideA②→sideB②……」みたいな感じで読めば時系列は合う仕組みになっているんだろう。さっき軽くその読み方をして、「Bの鈴木がマユの誕プレに渡したルビーの指輪(指環)=Aのマユが合コンでつけてきながら「自分へのご褒美に買った」と言っていた指輪」であろうことは理解した。はぁ???

てか、そうじゃん。
今も読み返しながら書いてるけど、ラスト2行と言わずとも、なんか最後のページの回想シーンやたらキモい感じだったじゃん。「その記憶、読者しらんなあ」とか思ってたなあ。そりゃ知らんだろ、Aの鈴木は専門学校時代のマユと出会ってもないさ。はーーー……

てか、そうやんな。
今おかしいなと思って読み返したけど、しばらく時間をかけてようやく整理をつけたこの考察が合っていたとすれば(さすがに合ってるだろうが)、Aのマユは堕胎まで経験をしているくせに処女のフリしてセックスしたということですか?おいやめてくれ目眩するわ。堕ろした経験あるくせにナマですんな!!!!!!!!!!!!!!!!!💢💢💢💢💢💢💢

まじでページ数におけるセックスの描写がやたら多かったのはそのせい(「初めて」を読者に印象づけるため)か……読んでる最中からげんなり通り越してもはや苛々してたけど、なんか、理由分かった今も微妙に違うテンションでげんなりしている……いや、これはどちらかというと褒め言葉……

えーっと、じゃああれは?
「男女7人」(あとがきによると、遠距離恋愛中の浮気が発覚するシーンだったらしい)を見て「興奮しちゃって」って言ったAのマユは普通に半ば失言と捉えられるものだったということか。男女7人についての知識がゼロであることも相まって、「なんかマユっぽくない言葉遣いをするな」とは思ったけど、まあマユがゴミカス女だったということを理解した後なら、彼女から出てきた言葉だということも理解はできる。


はぁ……

結局書き殴るのに集中しすぎて「ゆれるまなざし」1曲しか聞けてないし……
これらの選曲にも、なにか意図があったりするのかなぁ……
また気が向いたら調べよう……なんか今はそういう模範解答に触れることはまだ許されていない時間な気がする。

いや、読んでほしいな……
でもなぁ……全体の99%(分量的な話)が「おもんない」と思いながら読み進めてた小説を人に薦めるのもどうかと思うんだよな……

とりあえず、読んだことがある知り合いは私に声をかけること。約束ですよ。

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