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【イベントレポート】「妖怪と神々の里 ようこそ遠野物語の舞台へ」


『遠野物語』の名前を聞いたこと、読んだこと、ありますか?
「民俗学って、難しそう。」と思った方にも、少し身近に感じられる
新しい楽しみ方を知っていただききたいと思い、この講座を実施しました。

5月27日(水)に開催された講座
「妖怪と神々の里 ようこそ遠野物語の舞台へ」

当日は、遠野市内に住んでいる人も住んでいない人も、『遠野物語』初心者から、語りだすと止まらない上級者まで、老若男女問わず様々な人にご参加いただきました。この記事では、そんな参加者のみなさんと講師を務めた富川岳さん、つくる大学事務局多田が、『遠野物語』を語り倒した約2時間のイベントの様子をお伝えします。


自己紹介〜富川さんが遠野物語にハマるまで

講師、参加者の自己紹介からスタート。
それぞれが遠野物語について感じていることなどを事前に共有した上で、富川さんから遠野物語の説明が始まりました。
まずは『遠野物語』の全体構成のご紹介。山女、山男、魂の行方などテーマは様々。山にまつわる話が多いのが富川さんの注目ポイントです。

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全体構成が分かったところで、富川さん、多田の「ベスト遠野物語」をご紹介。多田は「オシラサマ」こちらは有名なお話なので耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?「オシラサマ」は馬と恋に落ちた女性のお話です。
一方、富川さんは第99話「死者の想い」明治三陸大津波後、津波で死んだ妻の霊に、夫が夜の三陸の渚(なぎさ)で出会うお話です。会談めいた男女の哀しい恋愛物語として知られる一方、東日本大震災の時には震災を巡る生と死の物語とも語られています。

異界に一番近い町、遠野に住む魅力
ローカルプロデューサーとして”to know””富川屋”などの活動を通して、文化の保存・継承、学ぶ観光、教育、地域の生業づくりをお仕事にしている富川さんですが、『遠野物語』を教わる師匠の大橋先生に「君、本当に何も知らないんだな!」と笑われたことがあるそうです。(何事も、最初は初心者ですからね…!)

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そんなご師匠・大橋先生とのフィールドワークが、『遠野物語』にどハマりするきっかけになったそう。遠野には作中に出てくる「オシラサマ」を祀っている家庭があったり、座敷童が住んでいたという家の跡地があったり、登場人物のご子孫が御存命だったりします。富川さんは大橋先生とのフィールドワークを通して、物語の舞台に住んでいることを実感し、その魅力にハマっていったそうです。フィールドワークを通して物語に触れ、文献を読み解く。200年前の物語が、地続きに語り継がれる町・遠野に住んでいるからこそできる学び方ですね。

少しずつ参加者のみなさんの興味が高まってきたところで、
クイズコーナー。問題は「遠野物語って何話あるの?」
この記事を読んでくださっているみなさんも考えてみてください。当日はチャット欄でご回答いただきました。(詳しい方が多くて、正答率が高かったです、、、)

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正解は「D.111話以上」でした!
この他にも数問クイズを挟みながら、著者の紹介などの解説が続きました。著者の紹介では、セリフを現代風にアレンジしたスライドでクスっと笑える場面も。最後は、おすすめの異界スポットをテーマに参加者のみなさまと講師の交流を楽しみました。


今回の講座では、約200年前から残る『遠野物語』を、富川さんの本業であるプロデュース力を生かした図や写真、現代風の翻訳で分かりやすく解説していただきました。富川さんが「自分よりも詳しい」と語る参加者の方々のディープな質問も飛び交い、初心者から上級者まで楽しんでいただけた会になったんじゃないでしょうか。事務局が回線のトラブルで離席してしまった時も(妖怪の仕業かな・・?)参加者のみなさまが遠野物語を起点にお話を進めてくださり、終始和やかな時間になりました。


今回の記事は、新米インターン生・高橋ひな子がお送りしました。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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講座「妖怪と神々の里 ようこそ遠野物語の舞台へ」
日時:2020年5月27日(水) 19:30-21:00
キャンパス:オンライン配信(zoomのURLを参加者にメールにてご連絡します。ご利用前にアプリ「Zoom」をダウンロードください。)
参加費:1,500円
必要なもの:オンライン配信を閲覧できる環境

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