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カッコいい英作文のコツ #1: 情報の流れ

皆さんがこの記事を読むにあたっての
前置きなどを
以下に長々と書いてしまったので、
本題だけ読みたい方は
「本題:academic writingと普通の英作文の違い」
へ飛んでください。


前置き

英語を書くこと自体難しいのに、
大学の課題で英文レポート書いたら
『小学生の作文みたいだ』とか
『文章がまとまってなくて、
伝えたいことが分からない』
とか言われた経験ありませんか?

皆さんの中にはあるいは、
「カッコいい英作文が書きたい!」
と思っていたり、
今アメリカの大学院を目指していて、
どうやったらTOEFLのライティングで高得点取れるのか模索している人もいるかもしれません。

そういう方のためになる記事を書きました。

私の経歴

私は今フロリダ大学の博士号課程に所属し、
Systemic Functional Linguistics (SFL)
と呼ばれる言語理論を使って、
academic writing/reading と
disciplinary literacyを研究しています。
その研究の中で学んでいることと、
オハイオ州での修士号取得を含む
私自身の経験から得たことを、
共有します。

この記事の対象者(記事を理解するための前提条件)

この記事では、
読者である皆さんが以下のことを
知っている、
できる、
あるいは当てはまる
前提で書いています。

1. 文法をある程度(英検準2級程度)知っていて、英語の短文は書ける。
2. 文法用語を知っている(名詞、動詞、形容詞、関係代名詞など)。
3. 友達とのカジュアルなやり取りではなく、学術的なカッコいい英語を学びたいと思っている。

そして留意点としては、
先述したSFL (機能言語学)という言語学を
基にして話をしていますが、
専門用語を使わないように気をつけています。
また、
説明をできるだけ分かりやすくするために、
従来の文法用語も、文法書などの説明とは
多少異なるところがあるとは思います。
細々とした説明の正確性よりも、
academic writingの特徴などが
伝わるように書いているので、
そういった細かいところの大雑把さは
ご容赦ください。

本題:academic writingと普通の英作文の違い

その1:情報の流れ(information flow)

これらの違いはたくさんありますが、
まず私が学んだ中で
一番、目から鱗が出たことを先にお伝えします。
それは情報の流れ(information flow)
と呼ばれる特徴です。

説明の前に、下の(ア)と(イ)の文章の違いを考えてみてください。

(ア)
Japan is located in the easternmost part of the world. 
Many people visit Japan for its distinct culture every year.
It is an island country, and it has developed its unique culture.

(イ)
Japan is located in the easternmost part of the world. 
It is an island country, so it has developed its unique culture.
Many people visit Japan for its distinct culture every year.

どうでしょう?
どちらの方が「良い」文章だと思いますか?
(「良い」の定義については
いつかまた記事を書きます)
多分ほとんどの皆さんが(イ)の方が良いと思ったと思います。

では、理由はなぜですか?
ここで説明ができる人は感覚が良い方ですね。
できなかったとしても、大丈夫です。
説明を聞いて納得できれば
問題ありません。

では、説明をします。
(ア)の文章は
それぞれの文同士につながりを感じません。
思いついたことを、
思いついた順序通りに羅列した
ように感じます。
一方で(イ)の文章では、
日本の位置の話から日本の地形の話に移って、
日本が独特の文化に移っていますね。
さらに
「島国だから独特の文化ができた」
という意味のつながりが明確で、
流れが良くなり、
ちょっとカッコよくなりましたね。
最後に「その文化を楽しむために
多くの人が観光で日本に訪れる」
という分かりやすい流れになっています。

ということで、
(イ)の文章は
意味につながり、
流れがあります。
なので、
(ア)よりは(イ)の方が良い(カッコいい)文章
となるわけですが、
しかし、
実は情報の流れの観点からいうと、
(イ)もまだ改善の余地があります。
下の(ウ)の文章の方が
情報の流れの観点でいうと、
より良い文章になります。

(ウ)
Japan is located in the easternmost part of the world. 
It is an island country, so it has developed its unique culture.
Its distinct culture attracts many tourists to Japan every year.

なぜ(ウ)の文章の方が(カッコ)良いかというと、
各文の一番最初の情報が
全てすでに出ている情報(旧情報)
だからです。

例えば、
2文目の主語はit(代名詞)で、
Japanのことを指していて、
これは1文目に出てきています。
そして、3文目の初めの主語は、
太字で示したように、
2文目の終わりに出てくる語句が
出てきていますよね?

academic writingでは、
このように文全体の意味のつながり、
流れだけでなく、
各文のどこで「新情報」と「旧情報」
が出てくるかも大切なことです。
イメージ的には下のイラストのような感じです。

この時、
旧情報は必ず主語になるというわけではありません。
下の(エ)のように、
前置詞として
主語より前にくることもあります。

(エ)
Japan is located in the easternmost part of the world. 
It is an island country, so it has developed its unique culture.
To enjoy its distinct culture, many tourists visit Japan every year.

(ウ)と(エ)ではどちらの方が良いか
については場合にもよります。
そしてその違いについてはまた別の機会に話をしようと思います。

留意点としては、
絶対、旧情報は文の最初で新情報は文の最後、というわけではありません。
「え?じゃこの話は何?」
と思うかもしれませんが、
これはあくまでも基本です。
とりあえず、これができると、
「まとまりがない」とか「読みにくい」などと
言われることが少なくなります。

この基本を抑えててくれると、
今後私が伝えていく
academic writingの他のコツが
比較的すんなり入ってくると思います。
今回「academic writingのコツ」
として出しましたが、
このinormation flowに関しては
academicだけでなく、
普通の英作文(手紙、ビジネス、コメントなど)にも役立ちます。

もっと例を挙げたいところなのですが、
博士号課程の鬼のような課題の合間を縫って
書いていますので、
この辺で終わろうと思います。

次回がいつになるか分かりませんが、
また近いうちに「その2」を執筆しますね。

では、ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。
少しでもためになることがあれば幸いです。

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