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ラク語構文講座

私の母語はニホン語ではない。
ニホン語は、母語のスペイン語と違って、意識的に努力をして覚えてきた言語だ。
だからこそ、表現や意味を間違えて捉えてしまった、勘違いもいいとこだと言いたくなるようなニホン語にまつわるエピソードが山ほどある。
例えば、「神のみぞ知る」という表現をはじめて耳にした時だ。「それは誰も知りようがないことだ」という意味だとは正確に推測ができたが、うっかり「神の味噌汁」に聞こえてしまった。係り結びなんて聞いたことすらなかったあの頃の私は、「なるほど!神の味噌汁の具なんて誰も知りようがないから、そう言うのか!面白い!」というとんでもない勘違いをしてしまった。その後、先生に言ったらすぐ直してくださったけれど。
というのはさておき、お待ちかね・ラク語構文講座である。
なお、私はニホン語もラク語もネイティブではないので、くれぐれもあまり手の込んだものを期待なさらないよう、読者にお願いしたい。

・~わけだ。

ラク語のみならず、普段のニホン語の表現でもあるこの言葉は、当然・必然・納得を表わす。ある前提からある結論までの論理的思考の筋道を示す断定的な表現だ。ラク語家は自分がしている噺(はなし)の論理が以前からわかっているわけだから、よく出てくる表現である(今の、お気づきの方、いらっしゃるかなかな。意図的に使ってみました。すいません。)。


・~でございます。

もう定番ですね。居酒屋でいうところの「生ビール」。しかしその滑稽さは侮れません。というのも、読者にも試していただきたい実験があるのだ。身の回りの物の名前と一緒に、語尾に「~でございます」を付けて、知り合いや友人、恋人や家族に言うのだが、だいたいの人は笑ってくれる。タイミングと口調に工夫を入れると面白さが増すだろう。

・~次第だ。

「落研に入るか否かは、あなた次第である」の方の「~次第だ」ではなく、「~わけだ」と意味が似ている方の「~次第だ」。これぇすんなり言えちゃうとカッコいいんすよねぇ。言えた人は落点カードに20ポイント貯まるとか。

・~(っ)てえと。

こりゃぁ説明し難い構文だ。「というと」のラク語っぽい言い方で、動作を2つ繋げて前後関係を成立させる働きを持つものだ。専門家のちゃんとした論文も出ているようなので、興味の沸いた方はぜひご一読を。

(しかし神様の飲む味噌汁の具はお豆腐でしょうか、わかめでしょうか、、、疑問が晴れない四月の昼下がりです。)

食亭円珍

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