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「腐女子をカミングアウトした」の話

私は漫画が好きだ。

本屋さんに寄っては、漫画コーナーで


新刊出てないかなー。何か面白そうな漫画ないかなー、と探索する。

至福の時だ。


大人なので、大人買いも出来る。大人になって本当に良かった。


以前、弟に「少女ファイト」という高校バレーボールの漫画を激押しした。初見では割と個性的な絵柄なので、弟は「!?」という表情をした。


そして、こうつぶやいた。


「ま、ねーちゃんの漫画見るセンスだけは信じられるから」


他にもいっぱい信じられる所あるとおもうけどな!!


出産してから、息子が3、4歳位になるまでは、漫画を読むどころではなかった。仕事を始めたばかりで、まだ息子も小さく、バッタバタだった。


息子が5歳頃、ドラゴンボール超を見るようになった。


「あ!ドラゴンボールの漫画がある!」


やっと見つけてくれたのね!子供を産んでから、この日がくるのを待ち望んでいたのだ。


子供と好きな漫画の話をする。なんて幸せなんだ……。


そして、漫画と離れていた空白の5年間を埋めるように、新たな漫画との出会いを求めて、本屋さんへ通うようになった。


その日、人類は思い出した。


あ、私、そういや腐女子だったな(◍•ᴗ•◍)


久しぶりの腐の漫画を見て


(ああ〜、これだよこれ!)


あーあ、腐女子卒業と思っとったのにな。完全復活したな。復活の「F」……Fujoshi。


はたと気づく。


そういや、かっちゃんも息子も漫画読むし……本棚にBLの本置いといて、発見されたら……


やだ、ドン引きされたらどうしよう!


よし、先制攻撃!カミングアウトよ!


「ただいま〜」


息子が学校から帰ってきた。


「おかえり。あなたに大事な話があります。実はあなたの母は腐女子なのです。腐女子という生き物を知ってますか?」


「言葉は知っとる。意味はわからんわ」


「腐女子とは男性同士の恋愛を描いた小説、漫画が大好きな女の人の事だよ」

 
「ふーん、話そんだけ?You Tube見ていい?」


「え、お、うん」

 
なんか……思ってたんと違う。


「ただいま〜」


かっちゃんが帰ってきた!


「かっちゃん……実は今まで黙ってたけど、実は私腐女子なんよ」


「腐女子って何?」


「え?あ、ああ、BLが好きな女の人の事よ」


「BL?」


「えーと……ボーイズラブの略で……男の子同士の恋愛の小説とか漫画とか大好きな女性の事。」


「そっかー。女の人はそういうの好きな人もいるかもね」
 

「あー……うん。、そだねー。」
 

「お風呂入ってくるね」


「ごゆっくりー」


やっぱり。思ってたんと違う。


さて。このカミングアウトにより私はすっかり気が緩んでいたようだ。


ある日私が帰って来ると、かっちゃんが


「絶対BLになる世界〜読んだよ!面白かった!」


「は?え?」


リビングのテーブルの上に昨日私が、買った漫画が数冊置いてあった。その中の一冊がこれだ。

「えーと……マジで読んだんじゃ」


「うん!面白かったよ!」


「あー、わかる。面白かった、私も」


「主人公のキャラと表情がいいね」


「そうそう。いや、あのさ。腐女子に理解があるのは嬉しいんじゃけど、男の子と一緒にBL楽しむのは……うーん。かっちゃんに腐男子になってほしい訳じゃないんよな」


「そっか、まあ気にしない気にしない。またオススメあったら教えてね」


「……」
 

 
ラーラーラーララーラー♪


ことばーにできなーい♫
















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