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【004】「100日後に死ぬワニ」は「100時間待てなかった」ワニ?

Twitter で賞賛を集めていた、連日投稿型・4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」が、100日目に一転して大炎上して話題になってますね。

せっかくなのでこの話題から、プロモーションストーリーテリング における「欲求」「時間」について検証してみたいと思います。


◆「100日後に死ぬワニ」おさらい

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ご存知の方も多いと思いますが「100日後に死ぬワニ」は、タイトルの通り、100日後に死んでしまうという結末が分かった状態で、1日1投稿されていく、ワニの他愛のない日常を描いた物語。

➡  「100日後に死ぬワニ」全話まとめ

リアルタイムな死へのカウントダウンと共に、そんなことは露知らずなワニの生活を追いかけることで、読者はワニに感情移入し、自分自身と重ね合わせ、その異色な仕掛けと相まって、うなぎ登りに話題と賞賛を集めていきました。

・・が!!!

100日目、ワニの死亡と共に、大々的に「追悼」と銘打った、書籍化・映画化・グッズ販売・コラボPV・タイアップなどが矢継ぎ早に発表され、ステマ記事の外注や、スタッフに電通チームが発見されたことから

#電通案件 として大炎上。応援してきたファンたちが一転して、叩き始めるという現象が起こりました。※ 詳しく知りたい方は Yahoo!ニュース

◆  インディペンデントを応援したい時代


ちなみに、これが電通案件だったかどうかに、僕はあまり興味がありません。

今回は、何故ファンだった人たちが、嫌悪感を抱いたのか? の検証が主眼なので、悪しからず。

まず、ネット時代の特徴として「頑張る個人」= インディペンデント を応援したい風潮があります。そこに目をつけたのが、クラウドファンディング などの「C to C」ビジネスですよね?

変な話、仮に電通バックアップの下で複合展開が決まっていたとしても、そこを隠して、連載終了後に「書籍化」「映画化」クラウドファンディング を始めたら、相当なお金が集まったでしょう。

みんなで応援した「個人の」Twitter 連載が、みんなで出し合ったお金 で書店に並び、映画になる。これほど 美しいストーリー はなかったのに・・。

このムーブメントの原動力は、ワニと共に きくちゆうき さんという、個人イラストレーター = インディペンデント を応援する< 物 語 >だったと思います。そして、電通の登場によって

「俺たちが育ててきた」地下アイドルが、実は大手芸能プロに所属していた = 出来レースだった=自分たちは「大企業の金づる」「盛り上げ役」だったことに気づくのと同タイプの不快感を感じたのではないでしょうか?

◆ 「ロス時間」も物語のうち


昨今、カーテンコール後、舞台上でいきなり物販や告知を始める劇団って、いっぱいあるじゃないですか?あれ、嫌いなんですよねー (笑)

その作品が素晴らしければ素晴らしいほど、イラっときます。だって、余韻に浸りたい んだもの。物語を反芻したり、受け止めたり、考えたかったりするのに、いきなり現実に引き戻されて、読後感を台無しにされる んだもの。

以前、「あまちゃん」というドラマが大ヒットした後に「あまロス」という言葉が生まれましたが、「ロス」に浸る時間も お客さんにとっては
< 物 語 >のうち なんですよね。

「映画を観に行く」にしても、観終わった後に、ご飯食べながら語り合ったり、Filmarks に感想書いたりまで含めての楽しみじゃないですか?

企画が素晴らしかっただけに、その「ロス時間」を奪ってしまった ことが、何よりも勿体ないところですよね。

◆  せめて100時間待って欲しかった・・


100日間頑張ったのだから、せめて100時間「ロス時間」を作って欲しかった。

それぐらいは余裕で持つパワーコンテンツでしたし、同じ発表をするにしても、待った方が効果は高かった だろうなぁ~、と僕は思います。

お客さんの「欲求」を高める時間 って、プロモーションにしても、ストーリーテリングにしても、すっごく大事なんですよね。

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ただ、もしも仮に、電通の仕業だとすると、Twitter上のファンは上図の アーリーアダプター まで。世間一般に知れ渡るための「キャズム」と呼ばれる 突破し難い「深い溝」を越える策として

#電通案件 の炎上まで計算づくだったら・・

(最低だけど) 電通やるな。。と思います。こんな記事を書いてしまってるのも、実はまんまと手の内で転がされてるのかもしれませんね (笑)

繰り返しになりますが、僕的にはどっちでも良いです。出来れば、シンデレラストーリーはあると信じたい ♪ www

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