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「月世の部屋」#8 画材について語りましょう② Q&A

8月12日配信分Q&Aをまとめました。

事前に頂いた質問の中から「画材について」のご質問を中心に回答しました。

配信URLはこちら↓
#8 画材について語りましょう② 』http://youtu.be/XeyboxX8sqU


販売事情


Q1. 日本のお店で売っていない絵具を持っている方がいます。海外の通販サイトから買っているようです。なぜ、日本で販売しないんですか?(三国志)


A1.二つの視点から回答します。(バニーコルアート伊藤さん)

1. 日本に進出していないブランドに関して。

日本の販売店や代理店が無いからだと考えられます。海外ブランドが日本の販売店を探すためにコンタクトを取ってくることは多々ありますが、締結までに至っていない背景はさまざまですので、具体的にはお答えできません。

2. 日本に販売店があるブランドのグローバルで販売されているが日本では販売されていない商品に関して。

日本の市場にマッチした商品を、それぞれの販売店が検討し新商品として取り扱っていますが、全てのユーザーさんにご満足いただけるラインナップでは無いかもしれません。ニーズがあるかと永続的に供給できるかがセレクトの基準になっています。


Q2. アクリルの話で申し訳ありません。ターナーさんが販売していたゴールデンという絵具を、今度はホルベインさんが販売するというツイートを見つけました。なぜ、販売する会社が変わったりするんですか?(アクリル作家)


A2.  ターナーさんもホルベインさんも日本のメーカーです。貿易販売や製品ラインナップなどの都合で契約を見直せざるを得ないなど、理由はさまざまかと思います。ユーザーさんが求めている商品を共有するために、販売店や代理店が変わるということはそれほど珍しいことでは無いです。

※両社に確認を取ったわけではありませんので、ご参考までに。(バニーコルアート伊藤さん)


絵具について


Q3. いつも楽しくためになる配信をありがとうございます。白い絵の具について先生の考えをお聞きできると嬉しいです。私はペールグリーンやペールブルーなどのパステルカラーがとても好きで、白い花や鳥などは白残ししますが、白い絵の具を混ぜて作った色を使います。透明水彩で白を混ぜるなんて邪道だと言われることも珍しくなく、白を混ぜると鈍いのに不自然に浮いたり苦労します。先生は白い絵の具はほとんど使わないかもしれませんが、白い絵の具を使う場合はどのように使われますか?。また、いとうさん、透明水彩絵の具のセットに白は入っているし、チタニウムホワイトやチャイニーズホワイトなど、種類も何種類かあると思います。透明水彩絵の具で白は邪道だと言われることもある中、どのように使う目的で白い水彩絵の具があるのでしょうか?良い使い方があれば教えて下さい。長々と本当にすみません。宜しくお願い致します。(ねこのあしあと)


Q3. 透明水彩での白(チャイニーズホワイトなど)は被覆力が少ないので、覆い隠すというより白く濁らせる効果を狙って使うものだと思います。完全に紙の状態に戻すことは難しいですが、オペークホワイトなど被覆力の強いものを使うと色を付けた上から白を発色させられますので、その能力に応じた使い分けをすると良いでしょう。

透明水彩で白を使うのが邪道というのは、恐らく色を明るくする目的で白を使うことが間違いだということからだと思います。明るくするつもりなら、水で薄めるのが効果的だからです。ですが、ビビッドな明るさではなく、ソフトなトーンにするために白を混ぜることは有効なので、そういう意味では白を混ぜることは決して邪道ではないです。

白い絵具が水彩絵具にセットされているのは、水彩絵の具が油彩の代わりに手軽に描ける道具として開発されたことがあるかと思います。どちらかというと不透明水彩的に使われて、白いものは白を混ぜて表現することが普通だったのでしょう。

良質な顔料を使った品質の高い透明水彩絵具が開発され、黄変しない良質な中性紙が開発されて、白絵具を必要としない透明水彩画が可能となった今も、白を混ぜた色の魅力はそのまま守られているのかもしれません。



Q4. 絵を描く際、水彩にするかアクリルにするかどのように使い分けているのですか。アクリルで描かれた作品を拝見する機会はありますか。(ミコ)


A4.私がアクリル画を描くのは主にキャンバスに油彩の代用として使います。水彩と合わせて描くことはほとんどありませんが、最近はキャンバスに水彩を使うので、そこに合わせて使うことも考えています。油彩のような表現として描いている作品は、銀座の日動画廊さんでたまに出品していますので、そちらで作品を観ることができます。


Q5. 小野先生お勧めの、花を描く時の24色のほかにもプラスすると良い絵具があればご紹介して頂きたいと思います。(青い林檎)


A5.  花を描くためでしたら、色んなメーカーの赤い絵具を集められることをお勧めします。花の色は複雑ですし、きれいな鮮やかな赤い色は自分で作れないので、色々持っているとベストな色を選べると思います。

花を描くときもそうですが、風景を描くときも便利なのはペリレーングリーンです。自分でも作れる色ですが、いきなり暗い濃い色をとっさに欲しいときにチューブから出してそのまま使えるので便利です。


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