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初めての温泉地の、初めての宿へ

車を(自身かあるいは同行者が)運転して旅をするなら、宿泊する温泉宿の隣町に別の温泉地があれば、ついでに立ち寄って日帰り入浴などを楽しむ人が多いのだろうなと思う。

いつも公共交通機関を利用した一人旅なので、泊まった宿から車で20分ぐらいの場所であっても「ついでに寄る」ということがなかなかできない。
2024年最初の連休初日に宿泊を予約していた温泉地も、以前から知っていて「いつか泊まってみたいし、立ち寄りたい宿もある」と思っていたけれど、長いこと立ち寄ることができずにいた場所だった。

前日の夜の飛行機で現地に着き、素泊まりで温泉付きのホテルに泊まった翌朝、まずは近くのカフェで朝食を食べた。

多すぎず少なすぎず、和朝食も洋朝食も理想どおりのメニュー。今回は洋朝食を選んだが味もすばらしく店内の居心地も良かった。Wi-Fiも利用できたのでランチ目当てのお客さんが入ってくるまでしばしコーヒーを飲みながら執筆をさせてもらい、お昼過ぎに店を出て目的地に向かう電車に乗るため駅に向かう。

駅に向かって歩きながら、タクシー会社に電話をかけた。
今日泊まる予定の温泉は最寄り駅から車で10分ほどの場所にあるのだが、無人駅で、タクシー乗り場などはない。温泉地の最寄り駅なので少し前までは大手のタクシー会社の支所が駅近くにあったようなのだが、現在は廃止されており、少し離れたタクシー会社に連絡して駅に車を回してもらう必要があったのだ。最近、多くの温泉地で同様のことが起こっており(身近なところでは群馬県の水上駅など)温泉旅の途中でどうしても電車とバスでは行けない部分をタクシーで補う、ということがしにくくなってきたなあと感じている。

そういう立地の温泉地なのでもちろん、どの宿も宿泊客向けには送迎サービスを行っており、今日泊まる宿も「15時以降であれば駅までお迎えにあがります」との案内をいただいていた。
しかし私は「どうせなら少し早く着いて、別の宿で日帰り入浴してからチェックインしたい」と考えていたので、駅からのタクシーを確保しておく必要があったのだ。
それで2軒のタクシー会社に電話し、最寄り駅に到着予定の今から約1時間後にタクシーを予約したい旨を連絡したが、返答は「予約可能なタクシーがない」とのこと。おお……やはりタクシー不足。。。

しかし、後からかけたほうの配車センターの方に
「予約はできないが、もうちょっと時間が近づいてから『今から車を回してほしい』という風に連絡をもらえたら、少しお待たせするかもしれないけれど配車できると思います」
と言われたので、あまり待たずに済むことを祈りつつ、駅でコーヒーを買って電車に乗った。

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