終わる夏
まばたきみたいな夏の終わり
終わったと思ったらちょっとだけ起きて、眠気覚ましに嵐が来てる
さらわれてくね
夏が好き
日差しなんて年中差し込んでるけど、真夏の、真っ白な割れた鏡みたいな日差しでぎらぎらしてる世界が好き。夏の日差しはちょっとだけ温度への感度が鈍る。先に色や音が聞こえすぎてそこに溶けられる気がする、でも日焼けは嫌い。結局暑いし、ずっと照らされてはいられない。
7月に入ったとき、急に寂しくなった、まだ始まってないはずの夏の終わりを感じてしまって、どうしようもなくなってひたすら外を歩いた。
カメラを持って歩いて、撮らなきゃ、と思ってなんということもない気持ちで撮った。なんということもない写真しか撮れなかった。焦りは本当になんにも生まない。
海に行った。
朝起きて、夏が終わってしまう匂いがして、胸がソワソワして、そのままワンピースと麦わら帽子を買って七里ヶ浜まで行った。
海が好き
水の音、泡の残り、砂に取られる足、早足の蟹、来るたびにどきっとする波、すこしべたつく風、全部が心地良くて体が無くなる感じがする。水の底に沈んでゆっくり眠りたい、わかんないけど、多分前世は海の生き物だったかも、海底の生き物好きだし、いや、うーん、違うかも。
自分のこと、たまに海みたいだなって思う。心臓のことを考えると海の音が聞こえる、月明かりがちょっとだけ届くような暗いけどゆっくりしたおおきな海、私の中にはどんな生き物が住んでるんだろう。
8月31日と、9月1日
1秒過ぎた瞬間に夏が終わる。
空気の色が変わる。全部夢だったみたいに。
夏を過ごしている間、自分の体がどこにもないような感覚になる、多分夢なんだろうな。だからいつまで経っても夏が好きだし、夏を追いかけてる。夢を夢のまま現実を生きてる。それを忘れたくなくてつらつら書いてる。
季節に数字がついてるのはきっと気持ちを思い出にできるから、いつまでも夢のままじゃだめだよって言われてる、切り替えのきっかけになる、8月31日23:59まで持っていた気持ちをサクサクと思い出箱に仕舞う、来月もきっと同じ気持ち、来年の夏も多分同じ気持ち、人は何か外的な理由があるとわりと素直に動けたりする。そうやって理由づけして、うまく生きていければそれでいいと思う。
と、とりとめもない本当に、ただの日記。
夏が好きだ!
月舘おもち
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