飛び出し事故

自宅から車で10分程度の場所へ
用事で出掛けた帰り道の出来事です。
運転していたのは私、助手席に夫がいました。
大きな道の一本裏、住宅が並ぶ細い路地を走行中
5歳の男の子が車の前に飛び出してきたのです。
道の反対側にいたお父さんに向かって
一目散に駆け出したそうでした。

初めて通る路地だったこともあり、減速して走行していましたが
それでも20キロは出ていたと思います。
とても徐行とは言えない速度でしたので
ブレーキを踏んでも間に合わず、男の子と車体がぶつかり
男の子は2〜3メートルほど前方に
突き飛ばされるように倒れ込みました。
慌てて車から降り、夫に救急車の手配と
警察への連絡をしてもらいました。

結果から言うと、男の子に怪我はなかったのですが
車に轢かれて痛くないわけはありません。
家の中から駆けつけてきたお母さんが
大泣きしている男の子を抱きかかえ
「ちゃんと見てなくて、飛び出しさせてごめんなさい!」
とおっしゃったので、驚きました。
私は頭が真っ白の状態で
「痛い思いをさせてごめんなさい!」
とお返事するのが精一杯でした。

男の子は病院へ搬送されて、警察の現場検証が始まりました。
現場の位置や状況から事故は不可避と判断されたのか
担当の方も親切にしてくださり
男の子のお父さんも、こちらを責めることなく
お互いが不運な出来事でしたね、とおっしゃいました。

今回、男の子は大きな怪我もなく
その後の通院もしていないとのことですが
同じような事故で命を奪ってしまうケースもあるのだと思うと
すぐに氣持ちを切り替えることも難しかったです。
人と車の事故は、ほとんど全部車が悪いとなるけど
飛び出されたら避けれない、あなたは悪くないよと
友達が励ましてくれて少し心が楽になりましたが
そうだ私は悪くない、と開き直れるものでもなく。
どっちが悪い悪くないという次元の話じゃなくて
子どもを轢いたという事実が、ただただ しんどいのです。
事故の瞬間の映像が何回も頭に浮かびました。
免許更新時の講習で見せられる交通安全のビデオに
必ず子どもの飛び出しのシーンがあるけれど
運転手の視点をまさか自分が体験するとは思っていませんでした。

保険の手続きをするために訪れた車屋さんで、
もし事故を起こしたのが軽トラックだったら
ぶつかった衝撃がダイレクトに人に伝わるので
大怪我させることが多いんだ と言う話を聞きました。
夫は普段、軽トラックに乗っていて
地元民なので道に詳しく、細い路地にも入りがちです。
実際、事故の日も助手席の夫の誘導に従って路地に入りました。
あの日、夫の車で夫の運転で同じ事故を起こしていたら
男の子が無事だったかどうかわかりません。
そう考えると、助手席で一部始終を見ていた夫が
これからは俺もなるべく大きい道を通ることにする、
と言ってくれたことが
今後の大きな事故の防止に繋がっているのではないか?と
そういう視点を持つことができました。
私も今後はなるべく路地には入らないだろうし
避けられない場合は、最徐行ぐらいの慎重さで走行します。

事故を起こしてよかった、とはとても思えないけれど
きっとこれには意味がある
きっとこれが最善だったのだと
そう位置付けることにしました。
男の子も、私も、護られていたのだと思います。
今回の事故で学んだことを活かすべく
お話をシェアさせていただきました。

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