【月の和〜祈りの調べ】 産声 その①
別れからの祈り
令和元年初秋
私のかけがえのないものが突然空に還った。
夏は戸外の猛暑が和らぐ夜、一緒に月を眺めながら散歩していたヤツだった。
まだ悲しみが癒えないある日、また会いたいと願っていた尼僧さまのお話しを聞きに行った。
冒頭「あなたの誕生日、命の生はいつからですか?」という問いから話しが始まった。
母の胎内から生まれ落ちた誕生日なのか。
母の胎内で受精した日なのか。
その父母が生まれおちた日なのか。
…ずっと辿っていくと自分、命という存在は決してエイリアンが降って