ロストドラパルトの可能性
はじめに
初めまして。本記事が初投稿になります、月音と申します。競技ポケカ歴は9か月程の新参者です。よろしくお願いします。
本記事では私が愛用しているロスト型のドラパルトexデッキについて語っていきます。なお私は変幻の仮面発売以降ガチデッキをほぼこれしか触れていないため、他デッキに対する理解が浅い部分があること、それに起因する立ち回りの穴があるかもしれないことを踏まえて読んでいただくとありがたいです。では、
ステラミラクル環境におけるロストドラパルト
結論から言いますと、「回れば」ほぼすべてのデッキタイプに五分の戦いをすることができます。
まず、展開の初速ややりたい行動の再現性は他のドラパルトデッキに劣ります。ピジョットやネイティオが先2でファントムダイブを打つ速度を持ち、サーチ系のカードを多投しているのに対して、ロスト型は先3で打てればいいなぁくらいの速さかつ、サーチカードはボール系とゲートだけです。(一応先2でダイブできなくはない。)
じゃあ何が強いのかといいますと、アタッカーの対応範囲の広さとミラージュゲートの存在です。ウッウやヤミラミ、かがリザガチグマ等赤ロストで採用されるポケモンたちを自然に採用でき、これらはドラパルトと非常に相性がいいです。また、ドラパルトの地味に重いエネ要求をエネ無しの状態からグッズ1枚で満たせるミラージュゲートにより他タイプのドラパで重い手張り権を比較的手軽にできるのもロスト型の強みです。
また、ロストの相方という視点からもドラパルトは非常に相性がよく、ロストしないドローソースの担保や盤面制圧できる高耐久アタッカー、採用エネルギーが2色かつドラパの要求が2個である故のエネ管理のしやすさなどの面から、ロストデッキの第3の選択肢として視野に入れてもよいと勝手に思っています。
しかし、どうしても縦引きで手札を増やすので安定感に欠け、その上ピン刺しのカードが多いため、ロストへ送るカードを間違えないくらいの高い練度と環境への理解が求められるドラパルトの中でも玄人向けのデッキとなっています。
デッキレシピと採用カード
ロストドラパルトを組む、となったら基本的に上のカードたちは確定で入ると思われます。(一部選択カード有り。)
ここから現環境風にアレンジしたのが下のレシピです。
本構築は、「ドラパルトexの絶妙に足りない打点を押し上げる」をコンセプトに組んでいます。ファントムダイブの効果自体は強力ですが、素点200はメジャーなHP210をワンパンできず、素点+ダメカン6個でVSTARを飛ばせません。前者はダメカン撒きでまだなんとかなりますが、後者はサイドレースが追い付かずそのままゲームセットです。なので、そもそものダメカン総量をかさ増しし、VSTARラインにも対応可能なドラパルトとして組んでいます。
以下採用カードを抜粋(ほぼ全部)して紹介
ドラパライン(3-4-4)
本構築のメインアタッカー。ドラメシヤが狩られやすい+ドロンチも置きたいので4枚、ドラパは1試合2匹動ければいいので3枚採用です。ドロンチは最低3枚、枠があれば4枚ですが、飴との相談になるのでこの話はふしぎな飴の時に。
ウッウ2
ドラパが殴れない最序盤の中継ぎとして非常に優秀です。ダイブの素点を合わせた310打点は環境のリザやドラパをギリギリ倒せないラインですが、いつでも倒せる状態で敢えて放置しておくことで他のポケモンを出させずに後から盤面を枯らす、という動きを取りやすいです。もちろん普通におとぼけ2回でexやV、ダイブと合わせてVSTARまで倒すプランも取れる地味に重要なポジションなので2枚採用しています。
輝くリザードン1
アカツキガチグマexと選択or両採用のエネ踏み倒し高火力枠。かがリザ選択の理由として、サイド1のアタッカーという点もあるのですが、一番は素点が250である点です。30点乗せるだけで280打点となり、流行りのレジドラゴをはじめとしたVSTARポケモンをワンパンできる素点なのが非常に優秀で、フィニッシャーとしても中継ぎとしても非常に活躍してくれます。
マシマシラ1
メタで採用したカードでありながら、対応範囲が非常に高い本構築のキーカードその1。シンプルに高耐久のドラパと相性が良く、構築単位で不利をとるドラパルトミラーやレジドラゴ、サーナイトへのメタとして入れています。自分の場の1匹のダメカンを最大3個返す特性がとてつもなく強力で、相手のサイドプランを遅らせるのはもちろん、コンセプトである打点押し上げの一端を担っています。(例として、返したダメカン3個+ダイブのダメカン6個でドロンチやキルリアを、3個+ダイブの素点でオーガポンexやキチキギスexの210ラインを取れます。)
また、悪エネの要求もゲートで満たしやすいため、マシラを採用しやすい点もロスト型の強みと言えます。
ボール系(ポフィン4、ネスト3)
ポフィンは4枚マストです。ネストも最大限採用したいですが、最低限後半に1、2枚使えればいいので3枚採用です。
ふしぎな飴2
最低限の2枚採用。飴を増やすと初速が少し増しますが、ドラパをサーチするカードがなく、後半死に札になりやすいのと、ドロンチを多く採用しておくと盤面を作りやすいので、飴よりドロンチを優先しています。
いれかえ札(いれかえ4、カート2、ボード1、ジェットエネ1)
ロストを回すため、最低計8枚採用です。緊急ボードを1枚、ジェットを1~2枚採用してあとは好みになります。私はいれかえカートを2枚しか持っていないので涙の4-2採用です。
エネ供給札(ゲート3、釣竿2)
冒頭でゲートは偉大と言いましたが、ドラパの要求が2エネである点、ドラパは動かして2回である点から3枚採用です。また、エネの採用枚数を最低限にしているため使いまわしたいことから釣竿を2枚採用しています。
ロストスイーパー1
ロストの名を冠していながらどのデッキにも出張する超汎用カード。相手のスタジアムや道具、特に封印石を落としてくれます。わりと重要なのでもう1枚採用してもいいかもしれません。(封印石を太字にしたのは、相手の封印石を落とさなかった結果ドラパに2回負けたからです(自戒)。)
呼び出し札(カウンターキャッチャー2、ボス1)
枠として3は最低限、4あるとなお良しです。本構築はサイドを先行されてからサイドを取りに行く都合上、カウキャを扱いやすいため多めに入れたいです。しかし、カウキャが機能しない上、不利を取ってしまうサーナイトが環境にいる都合上、ボスかプライムを計2枚採用したいのが現状です。
手札干渉札(アンフェア1、ツツジ1)
この枠は2~3枚が理想です。ロストドラパの負けパターンとして序盤に遅れてそのままずるずるいってしまうことがレジドラゴや結晶ドラパの台頭でかなり増えました。この「序盤に遅れる」を相対的に緩和する札として序盤に強力な手札干渉をしたいため、ACESPECはアンフェアスタンプを採用しています。そして、後半の手札干渉としてこちらの手札を強くできるツツジを採用していますが、いつでも使える干渉札を採用していないため、こちらもナンジャモの採用を検討したい枠となっています。
まけんき鉢巻1
本構築のキーカードその2。マシマシラ同様30点の上乗せをするカードです。効果はマシラと違ってバトル場のみですが、ファントムダイブを種exワンパンの230点、かえんばくをVSTARワンパンの280点に即席で押し上げてくれます。これも現環境だとドラパルトにほぼ必須級のカードだと思っています。
基本エネ配分(炎3超3悪1)
炎超どちらかが2枚+もう一方も1枚サイド落ちみたいなことがない限りこの配分でいいと思います。入れるアタッカーによって炎超片方だけ4枚にしたり両方4枚にしたりすると回しやすいですが、他の枠を考え直す必要があります。悪エネに関してはないと苦しい対面があるので2枚採用を検討中です。
立ち回り、他デッキとの相性
先攻後攻どちらをとっても序盤の動きは大きく変わりません。1ターン目はキュワワーとドラメシヤを2体ずつ立てることを目標とし、ロストをためつつドロンチとドラパルトを育成していきます。目安としてサイド2枚取られた返しにファントムダイブを打てると、アンフェアを使いつつカウキャや鉢巻を生かしてサイド複数枚取りを狙いに行きやすいです。盤面形成のコツとして、ドラパラインを枯らさないように、2ターン目以降ドラパラインを3で保つことを意識すると、負けない動きをしやすくなります。
ロストに送るカードですが、基本的にドラパ2枚、炎超エネ各2枚、ゲート2枚、釣り竿、呼び出し札2枚をできる限り残すように送ると後半が楽になります。
以下より対環境デッキの有利不利と戦い方について話します。(デッキが回っていることを前提とします。)
リザードン
5分~微有利
ヨマワルラインとリザードを最優先で狩っていく試合になります。1回でもヨノワールが爆発するとドラパラインが枯らされて負けるリスクがあるので可能な限り阻止しましょう。また、2体目のリザードンをリザードを経由して育ててくることが多いので、そのリザードを先に倒せると2体目以降のリザードンを育成させずに楽な展開を作れます。
ドラパルト
5分~微不利
マシマシラを置けると比較的楽に戦えますが、置けないとほぼ先にダイブを打たれるのでかなり苦しい展開になります。リザ同様ヨマワルを狙っていきますが、ドロンチを枯らせそうな場合、ヨマワルよりも優先してダメカンを乗せて後続を育たせないようにしましょう。
ライコポン
5分
かがリザが必要です。まけんきダイブ→かえんばく→ダイブの順か、(おとぼけ)→ダイブ→かえんばく→ダイブの順でサイドを複数枚取りつつ、相手に1-1-2-1-2のサイドプランを押し付けられれば基本勝てます。ベンチにドラパルトやを残して番を返すと呼ばれて終わるのでドラパは攻撃する直前に進化させましょう。
レジドラゴ
5分~微不利
対ドラパルトデッキ同様、マシマシラを置きましょう。VSTARの処理をかがリザで、Vやexをドラパで処理するとダメカンが無駄になりにくいです。マナフィは忘れずに置きましょう。
トドロクツキ
微有利
早めにドラパルトを押し付けましょう。トドロクツキ側はドラパをワンパンする技が「くるいえぐる」のみなので、ダイブをバトル場のツキに打っておけば2回のカラミティストームで落とすかくるいえぐって相打ちを狙うかの2択に追い込めます。カラミティなら裏のexを呼んで4枚取り、えぐってきたらかがリザとボスを駆使してexポケモンを2体倒しましょう。
サーナイト
5分~不利
マシマシラがマストです。基本的にマシラのブレインやハバカミの祟りとばすでダメカンをばらまいてから「デヴォリューション」を使ってドラパラインを枯らしてくるので、それをこちらのマシラで遅延しながら、システムのキルリアやマシマシラを倒しましょう。クレッフィやハバカミの特性でロスト系特性が使えなくなっても、偵察指令とアクロマで引けるので、ロストの中でも比較的サーナイトに強いデッキになっていますが、奴らが初手前だと馬鹿みたいに苦しいです。キャンセルコロンホシイ
大空洞パルキア
5分
ウッウの最速おとぼけスピットを打てるとかなり楽です。これをパルキアに打っておくことでダイブでも飛ばせるので、2-2-2のサイドプランを取りやすくなっています。おとぼけをパルキアに打てなくても、パルキア側は種テラスタルやキチキギスといった狩りやすい種exを盤面に置かなければいけないので、裏の呼び出しやかがリザで狩りまくりましょう。
ルギア
不利
明確な不利マッチ。小粒の子たちはごっつぁんされ、ドラパルトはチラチーノやアヤシシに飛ばされるため、サイドを取らせない盤面やサイドずらしを作りにくいです。しかし勝ち筋が無いわけではなく、
・アーケオスを枯らす
・チラチーノを枯らす
・カイナを2回動かさせない
を徹底すれば相手にサイドを取らせないターンを作って勝てる可能性が上がります。特にカイナに2回ごっつぁんされるとその時点でほぼ試合が終わるので必ず阻止しましょう、最悪リザをエネ3枚で起動させるつもりで。
この対面は疑似赤ロストとして運用し、かがリザを釣竿で使い回すとやややりやすいと思います。
ミライドン
不利
ルギア同様、如何に1回でごっつぁんを止められるかです。ドラパを立てられない場合、かがリザを3エネで起動させるプランに早めに移行しましょう。カイナを倒せば後はライチュウ→ライコウ→その他exの優先度で落とし、サイドを2枚ずつ取りましょう。ライコウの火力が大空洞で強化されましたが、こちらが7匹以上出さなければドラパルトがワンパンされる心配はないので、ドラパをワンパンしてくるライチュウを優先して落としましょう。
テツノイバラ
微有利
イニシャライズの影響をほぼ受けません。ハンディサーキュレーターやクラッシュハンマーによるエネ破壊、ビワやクセロシキによるハンデスの方がよっぽど怖いので、釣り竿やエネ、スイーパーを使わないときは偵察指令で山下に送って対策しましょう。ロストが7枚になった後は基本的に偵察指令で山を回すことを意識しつつ、マシラとドラパでダメカンをばらまきながら盤面を破壊しましょう。
カビゴンLO
微有利
こちらの理想の盤面はドラパ1、ドロンチ3、ウッウ1or0、キュワワー1or2です。いれかえ札、エネルギー、釣り竿が大事になってくるので、基本的に偵察指令で山を回しながらゆるゆるロストを7枚まで貯め、ロトムVを取れる状況になったら攻撃をはじめて追い詰めていきましょう。
おまけ~採用候補カード~
ヤミラミ
ここまで一切話題に出しませんでしたが、本構築はヤミラミを切っております。私がヤミラミをうまく扱えないのもありますが、ロストドラパ自体がロストを貯めるスピードが遅い都合上バレットやギラティナほどヤミラミが強い展開を作りづらい上、デヴォリューションを打つ余裕が無く、使わないデッキに対してスタートするリスクが高いためどうしようか考えていたところ、似たような役割で、ライコ以外にはスタートしても役割が持てるマシマシラを見つけたため、今回入れ替えました。しかし、対サーナイトにおいてはマシマシラ以上に優秀であり、ドラパにも強く出られるので、枠があれば採用したい1枚です。
キチキギスex(2024/9/2追記)
どこにでもいる(準伝説)キジのポケモン。実質無条件3ドローという非常に優秀な特性を持っているため、ほぼ全てのデッキに採用されているカードですが、本構築では採用していません。
理由は呼び出し札で手軽にサイドを複数枚取られるシステムポケモンだからです。冒頭で触れた通りこのデッキは展開が遅いのですが、それをごまかせている一端にシステムポケモンがサイド1しか取られない、という点があります。サイド2のシステムがそんなに悪いかという話ですが、他の構築には既にロトムやネオラント、ミュウといったキチキギスよりHPが低いポケモンがいるので今更なのですが、ロストは彼らを一切採用していないので話が違います。ただでさえサイドの取り始めが遅いのにサイドを取られやすいとなると環境的にキツくなると思い、今回は外しました。
しかし、この点を加味しても縦引きを加速させられる特性は強力なので、十分に採用圏内ではあると思います。なので採用するかどうかは好みでいいのかなと思います。
ヒスイのヘビーボール
本構築はピン刺しの重要カードが多く、サイド落ちすると簡単に負けかねないので、そのケアができるヒスボの価値は非常に高いです。入れるならウッウ1枚と交換になるのかなと思います。
プライムキャッチャー
ロストと切っても切れない最強のACESPEC。呼び出し札といれかえ札の二役を担えるまさに切り札です。ロストドラパは他のドラパと異なりACESPECの選択肢が豊富な点も強みですが、手札干渉札の項目で話した通り、アンフェアやレガシーはデッキパワーの最低値を上げる(負け筋を減らす)、プライムや結晶は最大値を上げる(勝ち筋を増やす)ACESPECであるという考えのもと、今回はサイドレースに追いつけない負け筋を減らすアンフェアを採用しました。どちらを取るかは個人の考えに拠るので各々好きなACESPECを試してみてください。(レガシーとか普通に強そう)
ビーチコート、シンオウ神殿、ジャミングタワー
今回採用していないスタジアム枠です。ビーチコートはいれかえ札のかさ増し、神殿はルギア対策、ジャミングは封印石や結晶、デヴォのけん制になりますが、ジャミングはこちらのボードやまけんきも封じてしまうので優先度は若干下がります。
おわりに
長々と拙い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。
4月からミラージュゲートの噛み合いとアタッカーの豊富さに惹かれ、レギュ落ちにおびえながら使ってきたので、最後に何かしらの結果を残してほしい思いから素人なりに本記事を書かせていただきました。初心者向けではないデッキ難度ではありますが、逆に煮詰め甲斐のあるデッキであり、他のドラパルトには無い明確な強さと環境にも負けないパワーを持っています。
結晶の登場で多くのドラパ使いがピジョットに流れてしまいましたが、この記事を読んでくれたドラパルト使いやロスト使いが少しでもこのデッキタイプを試してくれたら嬉しい限りです。
では。
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