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『罪受け人と星の海』48:プロット100本できるかな。

 タロットカード6枚引いて小説のプロット100本作る創作訓練やってみた記録です。



◆引いたカード◆
1主人公の現在:月(逆)不安の解消、明瞭、混沌の終り
2主人公の近い未来:女帝(正)豊穣、母性
3主人公の過去:星(逆)幻滅、悲哀
4援助者:愚者(正)冒険、無知
5敵対者:節制(逆)浪費、不安定
6結末:吊された男(正)自己犠牲、忍耐

『罪受け人と星の海』48/100

 ミミ族は死の床で罪の告白を聞き、その罪を引き受ける一族だ。死者が神の国に迎えられるよう、弔いには欠かせない存在でありながら、疎まれ蔑まれている。死にかけている人間が口も聞けない状態のときや、告白を語る途中で息絶えたときは、体を交えて罪を吸い取るなどと噂されているせいだ。サクは己の生まれを呪いながらも(星・逆)、成人して一族の生業の秘術を身に着けた(月・逆)。
 親族の生前の罪を他人に知られたくないために、死ぬ間際までミミ族を呼ばないことはよくあるが、たいがいは罪を聞き出し務めを果たすことができる。あるときサクが呼ばれていくと、すでに腐り始めた死体があった。横領の噂のあった、町の有力者だ。吐気をこらえながら秘術により死者と交わり罪受けを行うサク。親族はその間に逃げ去り、あとには通例どおりの謝礼と、幼い子どもが残されていた。死んだ有力者の晩年に生まれた子だ。とても愛されて育てられたが、この子をきっかけに悪事から手を引こうとしたため、甘い汁を吸っていた親族からは疎まれていたことが分かる。ツクという名が己に似ているからと、サクは自分が引き取り育てることにする(女帝・正)。
 しかし、ミミ族のサクが育てると、ツクもまた成人すれば同じようにこの仕事をすることになる。かつて生まれを呪ったサクだが、何故ミミ族がこのような務めを負わねばならなくなったのか、その発祥が伝えられる地へ、ツクを連れて旅立つことを決意(愚者・正)。旅の途中で泥棒(節制・逆)にあい、なんとか捕まえるがサクたちの旅の目的を知ると、モトと名乗り、同行を申し出てきた。モトは両親を亡くしたとき、謝礼が払えないためにミミ族に罪受けを断られた過去があった。サクとの同行は、恨みもあるが、両親は本当に神の国に迎えられることなく地獄で苦しんでいるのか、知ることができると期待したからだった。
 ようやくたどり着いた地では、宗教が忘れ去られていた。人々は皆自分こそが神であるかのように振る舞っている。そこに人々の幸せを見いだせなかったサクは、罪受けの新たな方法を発案し、帰っていく。(了)


 ファンタジーでBL縛り……て考えたら、なぜかこんなあんばいに。マクガフィンとして新たにタロット引くのでなく、4援助者のカードをマクガフィンと解釈してみました。
 そういや、援助者って送り手でもあるのじゃなかったっけ、と思って。つまり冒険か何かに「行ってこい!」て主人公に頼むやつ。
 いや、違うかも。
 うろ覚え。

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