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『グズゴー鳥の瞳石』34:プロット100本できるかな。

 タロットカード6枚引いて小説のプロット100本作る創作訓練やってみた記録です。



◆引いたカード◆
1主人公の現在:審判(逆)こだわる、遅延
2主人公の近い未来:月(逆)嘘に気づく、小さくて済む危険な出来事
3主人公の過去:死神(正)終止、悪い変化
4援助者:力(逆)不正、偏る
5敵対者:正義(逆)誘惑に負ける、無気力
6結末:節制(逆)不毛、忍耐力の無さ

『グズゴー鳥の瞳石』34/100

 小役人のフォッサは、昔は朗らかで街の人にも評判がよかった。誰にも言えないが、街の有力者かしの言いなりにならざるを得ない仕事をさせられて以来、仕事中には愛想笑いすらしなくなっていた(死神・正)。細かい手続きにこだわってはやり直しをさせるフォッサ(審判・逆)に、街の人はもう小役人なんてみんなそんなもんだと、機嫌の良かったフォッサを忘れている。
 ある日、拾得物として届けられた不思議な石にフォッサは心を奪われた。何年も乾いた心で働いていたフォッサは、強い衝動から、その石を自分のものにしたくてたまらなくなる。似たような石を探してすり替えようと試みるとき、上役から内密のお達しがあった。ある石を探しにくる者があれば、憲兵に差しだすよう、また万が一その石を取得した場合は申し出るようにと。
 何らかの公にできない秘密を感じたフォッサは、計画どおり石をすり替える(力・逆)。かつて公正ではないことをやらされたのだから、これくら当然の権利だと考えた。しかし、石の持ち主という人物が現れる。上役がこっそり憲兵を呼びにやる間、フォッサはあの石が何なのかをどうしても知りたくなり、その石と同じく不思議な気配を発する人物と逃亡。追われる身となる。
 事情を話す代わり、フォッサは石のことを訊ねた。のぞくとこことは異なる世界が見える石。持ち主である一族だけが、この石からのぞける世界と行き来できる。悪用されるのを嫌って、誰にも知られぬ場所へ運ぶ途中、ひとつだけ盗み出されたのがこの石だという。一族以外が持っていても、魅入られるだけで益はないと言われるが、フォッサは石を持って逃げた。好きだった仕事を汚されて以来、どうにかしてしっぺ返しをしてやりたい、そして自分も滅んでしまいたいという希望が叶う(節制・逆)。
 何日か経った夜、あの不思議な人物が橋の下に現れ、ぼんやり光る石を拾っていた。  (了)

 あれ、おかしいな、BL変換できません……。

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