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【ライナーノーツ】また同じ日が来るまで


今回はこちらの楽曲についてのセルフライナーノートです。
まだ聴いていない方は、記事を読む前に是非一度
聴いてみてください。



忙しない日々を過ごしていると、ある時ふっと昔の自分に癒しを求めたくなる。
昔、僕がボロボロになるまで読んだ所謂「不朽の名作」を開くと、
そこにはあの頃から何も変わっていない文字の羅列があった。
かつて溺れるほど愛したそれは、僕のことをずっと待ってくれていた、そんな気がした。

僕は安心したと同時に、少し怖かった。
今どれだけ夢中になって、愛しているものがあっても
時間が経てば結局、思い出しすらしない存在になってしまうんじゃあないか。
僕はこれから変わっていってしまうんだ、と。

しかし、本を読み進めるうちに、あることに気が付いた。
この物語が、昔よりもっと鮮明で、魅力的なものに見えたのだ。
変わってしまった僕でさえも優しく包みこむ燈のような温もりを感じたのだ。
そのとき、心の中で永遠に光り続けるこの本は
僕にとっても「不朽」だったんだなと、
そしてその想いを綴って残したいと、思った。

貴方にとってこの歌が、例えほんの一瞬夜空を彩る流星のようなものであったとしても、
その心に流れた一筋の光が貴方にとっての「銀河鉄道」であることを僕は願っている。






素敵なイラストは、ばなこ武丸様の作品をお借りしています。
ありがとうございます。


【歌詞】
この手を離したら
遠くへ行ってしまうかな
夜空を駆ける汽車のように

快晴の空の色
吹く風も口笛鳴らして
貴方を想う蛙(かわず)の町

アルコールラムプを
天の川の隅っこに灯して
忘れてた二人を思い起こして

離さないよ
夜空の帰路で
走馬灯が流れて
貴方の声が遠くなって
ただ独りが怖かった

車窓から見えた僕は
今日夢に魘されて
何処まで行こうとも
流れた時は戻らない


動かない言葉はまだ
僕のこと待ってくれていた
蘇る鼓動 無垢な心

僕らの過ごすこの時は
一筆書きの星座の様
繰り返さない

きっとカンパネルラ、もうバイバイだ
バイバイなんだ

発車の音
蠍火の眼
コールタールの香り
鳥捕り、雁の味、手の温もり
語感だけの歌を歌う

銀河を切り裂くほど
長く尾を引く彗星だった

また同じ日がくるまでは

離さないよ
言葉の宇宙で
抗えないと解っても
繋がった星と星
今なら何処へだって行ける

終点が迫る

夜空の帰路で
走馬灯が流れて 
貴方の声が遠くなって
ただ独りが怖かった

例え貴方の言葉が遠い未来に色褪せて
その火が消えても
僕らの意味は
幸せの意味は変わらない

また同じ日が来るまで/月影さんしょ


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