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つきじ
2022年10月16日 04:00
写真よりも遠くに見た姿を熱よりも熱いざわめきに息は吸うことを許されて息は吐くことすら許される降りかかるけむりは私のところまで漂い落ちて色を削がれて身を潜める私は潔くそれを飲み込むその輪郭に熱がかかるたびに私の眼のふちは赤く染まり私の眼のなかは溶けて膨らむどんどんと溶けだしたものを見て花びらみたいだれかに言われた気がしたいつからか私を包むろうは忘れられていて
2022年10月14日 23:58
下をむくと、行き場を失った足とその影が、ただ覗いていたきみは、空の孔にしがみつくきみが”ゆらゆら”と辺りを広げ、息をつくっていたのにぼくは、”それ”を思い出せずに空の孔から溢れた亡霊の言葉を、溺れてしまった伸び続ける葉と茎は決して夜にならずいつも空の孔と繋がった痕だけがぼくの影に見せていた蓄え続ける芽は、ついに焼き焦げ切れ落ちて震えることも閉じることもできなくなったき