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エビとカニの博物誌―編集部より

海に棲むもの陸に棲むもの、クジラや魚の餌になるもの、ウツボやイソギンチャクと共生するもの、無性生殖で増えるものから性転換をするものまで、一口に甲殻類といってもその生態はさまざまです。そんな不思議な生物を、人間は150年にわたって切手に描いてきました。
本書では、日本や世界で切手になった253種の甲殻類を、半世紀以上にわたって海洋生物研究を続け、何種もの甲殻類の命名者になっている著者が解説します。

本書の魅力は甲殻類を説明するだけにとどまりません。
世界各地で起こる環境悪化や生態系の撹乱、漁獲量の減少についてデータを用いて言及し、身近なエビ・カニを入口に環境や漁業、海洋資源の持続可能な利用を考えるきっかけとしての役割も果たします。

外出が難しい今だからこそ、世界の海でのびのびと生きる甲殻類と、さまざまな国や地域で食されるおいしいエビ・カニ料理に思いを馳せてみませんか。

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