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雨もキノコも鼻クソも大気微生物の世界―編集部より

昨今、土壌中や腸内の微生物の大きな働きにスポットがあたり、微生物が注目されています。
でも、大気微生物(バイオエアロゾル)の研究は始まったばかりです。

人は、ひと呼吸で50個、1日で125万個の微生物を吸っていることをご存じですか。
大気中は未知の微生物であふれていることがわかってきましたが、私たちが日々吸いこんでいる微生物の正体は、まだすべてが明らかにされているわけではありません。
それらはどこからやってきて、人の暮らしにどんな影響を与えているのでしょうか。

鼻クソや雪の中には空から降ってきた微生物だらけ。決して食べてはいけない。
能登半島の特産品「いしり」(魚醤)の旨味に、空飛ぶ微生物が関わっている?
微生物がいなければ雨は降らない。
モンゴル・中国の砂漠から、同じ黄砂を追いかけて、能登半島でキャッチ。
黄砂とともにやってくる微生物とは? それは海の栄養源になっている?


気球や小型飛行機、ヘリコプターを使って独自の微生物採取手法を開発するなど、実験・研究の工夫、苦労、成功談などをおりまぜながら、大気中の微生物の意外な移動の軌跡と、彼らの気候や健康、食べ物、環境などへの影響(良い面・悪い面)を探る異色のサイエンスノンフィクションです。

そして、まるで自分も中国やモンゴルの砂漠で気球をあげていたり、能登半島の上空をヘリコプターで飛んでいたり、富山県立山連峰の積雪を掘り進んでいたり、実際に調査に加わっているような気分が味わえます。

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