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冷蔵と人間の歴史―編集部より

今や、私たちは冷蔵庫なしの生活など、とても想像できない。空気のように、あるのが当たり前のような存在になっている。
そんな冷蔵庫がどのようにして誕生したのか、人類がどのようにして冷蔵技術を手に入れたのか、考えたことがあるだろうか。

旧石器時代の人間がほとんど苦もなく木の棒に火をともすことができたのに、アイスキャンディーを棒につけられるようになるまでには数万年を要した(序より)

古代文明の人々がものを冷やす方法から、世界は土、水、火、空気でできていると考えられていた時代に「低温」を解明しようとした自然哲学者たち、酸素や圧力といった新しい物質や現象をつきとめた科学者たちの奮闘と、19世紀アメリカの実業家が切り開いた氷ビジネス。エーテルやアンモニアを使った冷媒の開発、そして家庭用冷蔵庫が誕生する。

冷蔵庫が登場するとスーパーマーケットが誕生し、人々の消費活動も大きく変わった。冷蔵技術の進歩は物流に変革をもたらし、世界各地の生産地と各家庭の台所がつながっていく。
そして現在、冷蔵技術は単にものを冷やすだけでなく、最新のテクノロジーでも活用されている。テレポーテーションも可能にするかもしれないという話もある。

冷蔵庫を見る目が一変する、イギリス、アメリカの有名紙でも好評を博した異色のノンフィクションをお楽しみください。

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