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ネイティブアメリカンの植物学者が語る10代からの環境哲学―編集部より

本書は、2013年に米国で出版された『Braiding Sweetgrass』(『植物と叡智の守り人』築地書館、2018年)を若い読者向けに再編した『Braiding Sweetgrass for Young Adults』の日本語版です。

あらゆる娯楽を享受し、食べたい時に食べたいものを食べ、
絶え間なく更新される情報を最小限の時間で流し見て生きる現代の若者たち。
彼らは真の意味で豊かな人生を送っていると言えるでしょうか?

いくら資源に恵まれていても、それを当たり前と思って消費してばかりいれば、
あっという間に手元から消えていきます。
中には二度と戻ってこないものもあるかもしれません。
歩みを支えてくれる大地、空気や水を清めてくれる植物、肉や毛皮で生かしてくれる動物たち、
自分のために時間を割いてくれる家族や友人。
そのすべてに対する感謝の念を思い出させてくれるきっかけが、
これからの地球を生きていく人間社会には必要なのです。

著者は、無力感に苛まれ厭世的ですらある現代の若者を豊かな言葉で励まし、
地球温暖化をはじめとする数多の問題に立ち向かう勇気をくれます。
そして、若者だけでなく地球に生きるすべての人びとに、
これからの生き方をどう選択していくべきか気づかせてくれます。

ただ読んで終わりにならぬよう、
読者に「あなたはどうですか?」と問いかける熟考のための質問が各所にちりばめられており、
学校でのグループワークや自己学習にもお使いいただけます。
また、キーワードの横には用語解説がつき、読者を置き去りにしないよう工夫されています。

10代からシニアまで、表面的ではない深い理解が得られる環境教育の入門書として最適な1冊です。

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