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半農半林で暮らしを立てる―編集部より

晩秋の晴れた日、新潟県魚沼市のもっとも奥まった山の中の人口100人足らずの福山新田集落に暮らし、
田んぼ34枚での米作り、パートナーによるみそづくりと、魚沼杉の林業を生業にしながら暮らす著者を訪ねた。

昼飯をすべて無垢の杉でのセルフビルドのお宅でごちそうになったのだが、茶碗に盛られた炊きたてのご飯に驚いた。
この秋に収穫したばかりのコシヒカリの香りがすばらしいのだ。ご飯が冷めたら、塩むすびも絶品だそうだ。
パートナーの希さんが自宅裏のキッチンガーデンで収穫した太い有機長ネギを軽くグリルしたものも絶品だった。
口に入れたとたんに、ネットリした上品な甘みが口腔を満たす。
近所の山仕事仲間(イタリア製の散弾銃をもった半林半猟で暮らすツワモノ)が山から掘ってきたばかりの天然の自然薯は、
泥を落として薄くスライスしただけのものをいただいた。かすかな酸味と強い味。
醤油をかけるのがもったいない。

裏山で採れた山菜、麹から自家製のみそなど描き出せばきりがないが、
築地ではなかなか出会えない、命の母のような、うまいものを毎日食べている市井さんが羨ましくなった。

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