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人に話したくなる土壌微生物の世界―編集部より

ほんの30年前まで、わずか1%しか存在を認識されていなかった土壌微生物。
研究手段の発達により明らかになったその働きは、動植物の生育を手助けしたり洞窟を作ったりするだけでなく、エネルギー生産、環境浄化といったさまざまな場面で暮らしに役立つものでした。

一方で、病気をもたらす土壌由来の微生物もいます。
肺炎を引き起こすレジオネラ菌や食中毒を発生させるボツリヌス菌、大腸菌O157が有名ですが、研究が進むにつれてそれらは防げるものだとわかってきました。
本書では微生物の生態や特徴からその研究の歴史までも解説します。

本書は、著者が佐賀大学で行った土壌学・土壌微生物学の講義などを元にまとめられました。
中高生から読める敷居の低さと、それに反した内容の濃さが魅力で、
「洞窟のコウモリと微生物は関係が深くて…」「石油の海洋汚染を浄化するには…」と人に話したくなるお話がたくさん詰まっています。

肉眼では見ることのできない生物の正しい知識を身につけることで、
その働きや影響に冷静に向き合い、見える世界を広げられる一冊です。

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