FF歌舞伎は、言いたいことは色々あるけど愛に溢れてて良かった

①3万は戸惑うよ

いやだって、3万だよ??
B席とかなら2万とかになるけど、それでも結構……。

まぁ9時間だったら大作3~4本の時間になるから、
時間対効果としてはむしろ安いって考え方もあるかもしれないけど……

と思いながら見に行き。

結論なんですけどね。
結局、見に行って良かったですよ!!

すごく、愛があった!!!!!

感想溢れすぎて、
賛否含めて言いたい事めちゃくちゃあるので
noteに書き殴ります。

ネタバレしまくりながら好き勝手に書くので、
ご容赦ください。
変な事言ってたらごめん。


②FFオタク歌舞伎俳優の愛を浴びる9時間


結論これです。これ以上でも以下でもないです。

尾上さんはね、
歌舞伎という謎のフィールドから現れた、ただのオタクですよ。
オタクが「僕はFFXが大好きでーす!!」
って叫び続ける9時間ですよ。


③なんの涙だ……(カイジ)


冒頭ね、始まった瞬間、涙がワーーーって。
なりました。

なんだろう。

発売から時間が経っているゲームを、今から気合入れて舞台化しようというクレイジーがいること。
その人が心底FFXを愛していることをひしひしと感じたこと。
それを、高い金と長い時間払ってでも見に行こうとしている人たちが大勢いる事。
そんな人たちがひとつの場所に集まって、一つの作品で盛り上がろうとしている事。

そのものに感動してしまって、まだ何も始まってないのに、
涙が止まりませんでした。
厄介オタクですね、はい。すいません。
ティーダー!俺にも専用のポーズしてー!!

僕、昔、
アンダーテイル(ゲーム)のコンサートいったことがあるんですけど、
あれも、一つのゲームを愛してる人たちが同じ場所に集まってることが嬉しくて
ずっとウキウキしてたな。

千と千尋の舞台も見ましたよ。あれもめっちゃくちゃすごかったし、
2.5次元の一つの完成形だと思ったけど。
でもあれはさ、
知らない人いないじゃないですか。
映画好きじゃなくても見てる人多いだろうし。

でもさ、FFXなんて

昔のゲームですよ。
今更舞台て!!!(大歓喜)

多分あの「オタク達で空間を共有する」感動は、
見に行かないと得られないと思います。
これだけでも行く価値あったんじゃないかな。

④とはいえ舞台はかなり雑

演出の人とか知らんけどさ。
「とりあえず映像使っとけ」感がすごい。

それをさ!!アナログでやるのが!!舞台じゃないの!?!?!?
って思う場面が、多いこと多いこと……。

「んーこれどうやって作ろう。そうだ、映像使おう!」

みたいな。

シンとかはいいよ、まぁ。

でも回想シーンとかまで映像にする必要あったの????

微妙なCGと相まって結構キツかった…

脳内にはゲームのビジュアルがあるのに、
役者の録画映像をドアップで出しちゃったら
「あ、おっさんだ……」
ってなっちゃうじゃん。

せっかくの360度舞台も、90度ごとに舞台が4つあるだけって感じだったし、
舞台美術もなんかごちゃごちゃバラバラして微妙だった。
あの劇場である必然性あったのかなぁ……

モンスターも、再現度はともかく、浮いてるよ…。
ほんでちょっとしか出てこないやん……。
その予算カットして、金額をもうちょっと………いやそれは違うか…。

⑤歌舞伎が悪い方向に働いてる気がした前半

前半、歌舞伎がなんか違和感あった。

基本、ストレートプレイの舞台だったので、
突然入ってくる歌舞伎要素が、戸惑いしか生んでない気がした。

殺陣とかさ。

あれは、どうなんだ……?

ぼくが歌舞伎を知らないからかもしれないけどさ。

あれは、いいのか?
もちもち歩いてぺこぺこ剣振って。

あれは……どうなんだ……??

めちゃくちゃいい演技で

「てめぇをぶっ殺す!!」

みたいに叫んで戦闘が始まった瞬間、
なんか仲良さそうにフリフリ動いて、

はい、チーズ、パシャ。
みたいな。(見得ですね、分かってますよ。)
あんたら戦ってるんちゃうんかい。

他にも歌舞伎要素が随所に入ってたんだけど。

全体通して、

「FFを歌舞伎で再構築!」

ではなく、

「基本普通にやるけど、入れれそうなところでは歌舞伎要素いれるよ!」

って感じで、突然歌舞伎要素がついばむように入ってくるから、
なんか浮いてるというか…。

いや、本当に、
歌舞伎を悪く言うつもりはなくて。
使いどころとか混ぜ方の話で。

あれは、あれでええんか???


……と思いつつ見てたら、

ルールーとシーモアの見得は、なんか、
シンプルに歌舞伎すごい!って思った。

なんでだろあれ。
僕だけ?
いや多分あそこだけ拍手強かったと思うし、
みんなもそうだったのかなぁ……

あの、ルールーの、ぐーってのけぞる姿勢。

あれ、やばくねぇ?(MOROHA)

あそこで、この芝居の見方を理解した気がする。

「そうか。現代劇パートと歌舞伎パートは、分けてみればいいんだ」

って。

今は現代劇。今は歌舞伎。
こっちが切り替えて見るようにすれば、問題ない。
そうやって見れば、シーモア戦はすごく迫力あるように見えた。


やっぱ、作り手が、本領が歌舞伎なんですよね。
歌舞伎は、分かりやすくすごい。
でも、ストレートプレイとの文化の違いで浮いてしまった気がする。

じゃあ、
別に1から10まで全部歌舞伎で良かったんじゃないかなぁと思ってしまう。

全体通して、

「歌舞伎ばっかりでやってもついてこれないと思うから、基本はストレートプレイでいくよ!随所に歌舞伎要素もいれるから、そこも楽しんでね!」

って感じだったんだよなぁ……
別に遠慮しなくても、
全部歌舞伎で思いっきりやってくれてよかったのよ…?
むしろそれが見たかったわよ…?

と思った。

ハイポーションのとこは
あれはどういう顔で見ればよかったんだ?

例の異界送りのシーン。
最初の見せ場。

ユウナ役の人の動き、めちゃくちゃ美しかった。
やっぱ所作がすごいんだな、歌舞伎って。

でもあの台が浮く演出……必要だったのかな…。
台に乗ったら役者さん動けないじゃん……
もっと所作をちゃんと見たかった……

劇場が広すぎるのと、
歌舞伎とストレートプレイとの落差と、
潤沢な予算と特殊メイクと造形と、

色々使えるものが多すぎて、演出のキャパを超えて、
ごった煮になってしまった感じがあったんだよなー。

ほんで歌舞伎という得意分野がハッキリしてる分、
より悪い所が目立ってるような気がした。
変に全部成立させようとするんじゃなくて、
得意分野だけで戦う手段を考えてもよかった気がする。
すんません、何様やねんって感じですね。

BGMと衣装は最高すぎたなーーーーーーー。
サントラ待ってますよーーーーーー。

⑥FFXオタクが本気で歌舞伎やり始めた後半


と思ってたら、

いや後半!!!!!!!!!

前半なんやってんってぐらいいきなり歌舞伎し始める。

奏者そこにおったんかwww
じゃあなに、出てくるまであそこでじっと演奏してたってこと?
可愛そう……。

後半始まった瞬間、前半感じてた不満が解消された。

いや、それが見たかったんだよ!!
ちゃんと歌舞伎やるのかよ!!

あと召喚獣シーンね!!!!

出てきた瞬間「ワァ……(ちいかわ)」ですよ。

幻想的すぎた。あそこ思い出すだけで鳥肌立つ。

前半の殺陣に感じてた「いやお前ら敵同士やのに何を仲良さそうにやってんねん」みたいな不満も、
このシーンに限って言えば、ストーリー背景を理解してたら気にならない。

だってずっと支えてくれてた味方だもんね…
盛大に舞って、美しく散れよ……。

歌もめちゃくちゃいい!!

「好きな言葉は~、心づけ~~」

最高か???
召喚獣それぞれの衣装も動きもめちゃくちゃいいし、

なんなんあれ、めちゃくちゃいいじゃん(語彙)

舞台の回転も使って、
髪の毛振り回して大暴れして。

か、歌舞伎だぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!
最高だよーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
これがFF歌舞伎だよぉーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
召喚獣ーーーーー!!最高ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!



……



じゃあなんで前半はずっと映像やってん(我に返って)

あんなにいい衣装作ったなら最初から出したらよかったやん。

そりゃまぁ、あそこで思いっきり出すのが瞬間最大風速はすごかったかもしれんけど。
ヴァルファーレ最初に出すとことか、これやってくれてもよかったんやで??

あんなすごいの、何回でも見たいし。

そういうの!!もっと前半でやってほしかったよ!!!!!!!!!

じゃあ後半からだけでいいやん、って話になりますやん。

そんなすごいことできるなら最初からやってほしかったよ!!!



あと、この人、FFX好きすぎませんか。

シーモアの過去とか知らん人の方が多いやろ。
「シーモアさんはね!!悪いだけの人じゃないんですよ!だってこの人は幼少期から……」
と涙ながらに訴えてくる尾上さんが見えたよ。
最高です、はい。

あと!!ジェクトの追加シーンよ!!!

キャッチボール!!!!!!!!!!!

あんなん泣くって!!!!!!!!!!!!!!!

マスクビチャビチャなったわ!!!!!!

あのへんは、歌舞伎とか、クオリティとかどうでもよくて

「あんた、FFXが大好きなんだねぇ。ありがとう、ありがとうねぇ」

と、私の脳内の老婆が微笑んでました。

⑦総じて

なんかゴチャゴチャして何をどう見ればいいのか分からんかった前半、

FFオタクの愛と、歌舞伎の本気でどっぷり魅了された後半。


正直、粗も多かったし、
もっとなんとかなったやろ、って思うとこもめちゃくちゃあるんやけど、

まぁこうやって歌舞伎に触れる機会を作ってくれたことに感謝だし、

FFXをもう一度見せてくれたことにも感謝だし、

作者がとにかくFFXを愛していることが伝わってきたのもよかったし、

ジェクトのキャッチボール良かったし(号泣)

クライマックスめちゃくちゃ良かったし(号泣)

召喚獣シーン良すぎたし(あそこだけもう一回見せてくれ)

あぁして、FFXをみんなで共有できる空間に立ちあえた事。

もうね、ありがとう、って感じ。


もし金額がネックで見に行くか迷ったままこの記事を読んでしまった人は、
とりあえず後半だけ見に行くのも全然アリだと思う
(ストーリー履修済みがマストだけど)

とにかく愛があって、いい時間でした。

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