意味がわかると怖い話
その女の子の家は歯医者さんだった。
小学4年生か5年生のとき、
そこに通っていた同い年の男の子が亡くなった。
男の子とは家も近く、
小さな頃からずっと一緒に遊んでいて、
いつしか相手への気持ちは淡い恋心に変わっていた。
参列したお葬式で、
喪主のお母さんがつけていた真珠のネックレスが強く印象に残った。
葬儀の帰り、女の子はそんなことをつらつらとお父さんに話した。
数日後、お父さんはよく磨かれた白い粒が連なる手作りのネックレスをプレゼントしてくれた。
「男親って、やっぱりどこかズレてるのよね」
成長した彼女は、その時のことを困り顔で、
しかしどこか楽しそうに話すのだった。
「でも大人になったからかな、
お父さんの気持ちも最近わかる気がしてきて……」
彼女は今、歯科大学に通っている。
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