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GLP-1と糖尿病そして腸炎

病の話をするのは少し気が引ける。
不幸自慢をしたいわけではないのだが、人によってはそう受け止める場合もあるという事は理解できるからだ。
だが今日は現在治療中の病気について少し記載しておきたい。

昨今「GLP-1」が取り沙汰されていると感じている。SNSやYouTubeでの広告で見かける方も多いのではないかと思う。要は「痩せ薬」としての広告だ。
私は2021年の初頭にHba1cが7.2まで上がり糖尿病の診断がついたのだが、その時に初めて「リベルサス」という薬の説明を受けた。
主治医からは "膵臓を護りながらインスリンが出るよう促す、また胃腸の動きを抑えて、かつ食欲抑制を起こさせる" と言う話で、芸能人やモデル等が自費で痩せるために使うこともあると言われた。
ただ私の主治医は基本的には糖尿病患者への保険適用として処方指示を出している。
自費だと3mgや7mgでも月に数万から10万近く掛かると説明を受けた。恐ろしい金額だ。

私は2021年の4月からリベルサス3mgで内服を開始し割とすぐに7mgへ上げて数ヶ月継続した。食欲抑制効果は抜群で、特に炭水化物への抑制は強く効果があった。副作用としては、①胃のむかつき ②吐き気 ③便秘 だった。全く大丈夫な人もいるとのことだったが、私は以上3点が7mgにあげてから少しずつ出てきて14mgにして2ヶ月くらい経過した頃には午前中は嘔気で食事が出来ないことがあった。

前の記事に記載したが、もともと2018年に子宮全摘手術を受けており、その際に腸の癒着のことは指摘されていた。実際に手術後から便秘知らずの私が便秘がちになっていたので後遺症的に腸の動きが悪くなっていたのだろう。
しかし私はそれをあまり重要視していなかった。便秘しても2、3日に一度出れば良いくらいに軽く考えていた。

便秘の対策は内科で処方を貰っていた。
漢方、マグミットから、センノシド、ピコスルファート(ラキソベロン)等、都度試しながら排便を試みたがいつも排泄後にも残っている感覚がありスッキリしなかった。腹痛や嘔気はよくあった。便意があっても出ないことが辛くはあった。そうやって、今回もまた3回目の「虚血性腸炎」を起こしたのだ。

流石に3回目ともなると、婦人科、消化器内科、糖尿内科の全ての医師の意見を求めることとなった。
まず、私の虚血性腸炎はもはや子宮全摘後遺症としても良いくらい今後も繰り返すだろうという話、そしてそんな腸の状態の患者に糖尿病とはいえリベルサス14mgを入れ続けるのは問題ではないか、ということ。

最終結論としては、
①グーフィス5mgを定期で分1
②水様の下痢になったらビオスリーとガスコン適宜使用
③排便マイナス3日でリベルサスの一旦停止(排便あるまで)、なおマイナス3日の時点でレシカルボン坐剤かグリセリン浣腸液を使用しても排便させること
④リベルサスは7mgへ減薬(それでも便秘の改善がなければリベルサス使用を終了)
ということとなった。
私の個人的な希望としてはあと5kg前後体重を落とすまでリベルサスは止めたくない。食欲抑制1年かけて20kg近い減量で私の肝臓値は標準枠におさまり、中性脂肪は標準値を下回った。
問題であるHba1cはここ半年は平均5.6くらいだ。本日のBSは朝食を8:45に食べ、11時の採血で101だった。
4月の8日からリベルサス内服を止めて、この16日から普通食を再開し始めている状態での数値となるためこのあと普通の排便が認められたらリベルサス7mgでの再開、1週間後に再診で状態を見る。

正直とても悩ましい。

私はリベルサスで救われた。糖尿病は寛解しても完治がないと言われているので発症した際のショックはかなり大きかった。私の実母もHba1cが6-7台へあがってた時期があったが度重なるくも膜下出血での入院で、いつのまにか投薬を受けることもなく糖尿病の話は立ち消えている。もちろん、くも膜下出血を重ねるのは糖尿病よりもっと嫌ではあるが。
私の未破裂脳動脈瘤も糖尿病も母の遺伝として受け継いだ節はあるだろう。
(未破裂脳動脈瘤についてはまた後日投稿しようと思うが、これだから病の不幸自慢に見えてしまうのではないかとため息が出るのだ)

とにかく、腸の動きを見ながらあと少しはリベルサス内服を続けたいが最終判断はもちろん主治医となる。
虚血性腸炎や、消化器になんらかの慢性疾患を抱えている人にGLP-1は少し問題があるのかもしれない。
もちろんとても画期的で良い薬だが。
なので、消化器になんらかの疾患がある人はただ痩せたいだけで高額なGLP-1を内服するのはリスクを伴うこともある、ということを知って欲しいと思う。
例えば、発達障害等で自身での食欲抑制が利かず、且つ運動能力も低いような人には保険適用でのリベルサス7mgくらいは処方許可が出ても良いとは思うが、普通に運動が出来て膵臓に問題もない人なら、トータルカロリー摂取量の計算と運動での減量は可能だと思うので安易にGLP-1に手を出すのは私個人は肯定しきれないと考えている。もちろん個人の自由ではあるが。

虚血性腸炎が起きたときの痛みはかなり凄まじい。
血便を伴うので夜中なら救急搬送対象となる。痛みと便意でトイレから数時間出られないこともあるくらいだ。例えるならペンチ等で腸管を抓られている感じといえば良いだろうか。
痛みにのたうち回っている時は「もう仕事辞める、もう何にもしない、何にも食べない、もう何もしないし、どうせできないし、安静にするから早くこの痛みから解放してくれ!」と涙ながらに願うくらいだ。
治療も絶食と腸管安静くらいしかない。絶飲食するために点滴は必要にはなるが特効薬があるわけではない。
腸炎を起こすたびに緊急受診、点滴、入院をしていたら破産するので私はなるべく通院で点滴を受けに行くことにしている。
酷い人は腸管壊死、完全なイレウス等、緊急手術で開腹ということもある。もちろん命も…。

結局のところ、糖尿病は実に厄介だ。
そして子宮全摘も、臓器をひとつ排除するということはなんらかの問題も伴ったりするということだ。
健康の大切さは、誰が注意を促したところで、自分自身が苦しまないとわからないものなのだろう。

我が身への戒めを込めてこの記事を投稿する。

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