小春日和のセーラムドライブ 7
「例えば、省吾の配属先が東京になったとするじゃない? しばらくは遠距離恋愛も続けられると思うよ。でも、その先は?
私は結局、両親を置いてついていけないんだよね。じゃぁ、そうかといって、省吾はせっかく入ったばかりの会社辞めて、あの街で仕事探して、私と暮らせる?」
美里は生来の小さな声ではあったが、それでも一息に捲し立てた。省吾が黙っていると、更に続けた。
「だから、仮配属で来た省吾を好きになっちゃいけないって、最初は心にブレーキかけていたんだよ。でも、人間の感情なんてそんな