消失の波

今日が終わる
夜の海に向かう
感情が飲まれ
意識は遠くに
いずれ片づけるよ
この残骸の群れ
有象無象に塗れ
それに安心して

人は失っていく
人は捨てていく
大切なものからボールペンまで
気づかぬうちに気付かぬうちに気付かぬうちに

そのうち感情さえも失って捨てていけば
世界は少しは穏やかになるかもしれない
そんな場所にいることにすら慣れていく
慣れていく様はとても恐ろしい

慣れが怖いと思った時夜と朝の繰り返しだと気づいたら
この世界に居られなくなる
それを恐怖だと思わなければ生きていけない
それでも明けない夜はないっていう言葉が嫌いだ

だって希望だろそんなの
希望のない場所でも生きていくしかないというのに

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