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つまるところ言葉が好き

結局、言葉が好きなのである。
文章を読むのも書くのも好きだし、短歌も好きだ。好きな曲はもっぱら歌詞が理由だ。
もっと言えば人の名前も好きだ。意味に込められた願いとか親の好みとか、最高だ。

言葉には色があるし形があると思う。
最初にそれを認識したのはいつのことだっただろうか。小説を読んでいても、登場人物が頭に絵で浮かぶのと同じことかもしれない。

好きな言葉を紡ぐな、という人が何人かいる。
スピッツの草野マサムネさん、益田ミリさん、
岡野大嗣さん、オードリーの若林正恭さん。
少なからず彼らの影響を受けているので、いわばわたしの養分たちである。

スピッツの「放浪カモメはどこまでも」という曲に

上昇し続けることはできなくても またやり直せるさ
スピッツ『放浪カモメはどこまでも』

という歌詞がある。
大学受験を控えたわたしは、高校の図書室で何度も何度もこの曲を聴き歌詞をなぞり自分を奮い立たせた。
草野マサムネさんの書く詞の素晴らしさは書き出したらキリがない。
あんまり幸せ全開じゃないところとか、特別なことをしない幸せとか、彼の幸せの価値観がとても好きだ。

幸せは途切れながらも続くのです
スピッツ『スピカ』

有名すぎる一節だけれど、これが彼の「幸福観」なんじゃないかと思う。
わかる。だって思うもん、「あ〜今幸せ途切れてるところだわ!」って。でも明日になったらまた幸せになるかもしれないし、仕方ないよね。って。

わたしが好きな言葉を紡ぐ人たちは、みんな特別なことを大きな口ぶりで語ったりはしない。優秀な指導者みたいになにかを教え導いてくれたりもしない。
だけど、わたしの胸の中にほっこりと、どっしりと、礎を築いているのだなあ、と思う。

誰かの心に留まる言葉を、紡げたらいいよね。

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