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一人で中華を食べた日〜餃子が私に勇気を与えてくれた〜

福岡市民ならご存知の超コスパの高い優良中華店弐ノ弍。
ここは2人以上で行って、酒と中華をたらふく胃の中に入れて「お値段以上だったね」とニトリを出た後かのような感想を呟く、わいわいがやがやのお店。

一人で行ったことはなかった。
一人で行きたいと思ったこともなかった。
一人で行く日が来ることも想像していなかった。

でも、その日は来た。
ついに一人で行ってしまった。あの、弐の弐に。

大衆中華料理に一人で行く私は寂しい人間なのか?

そんな事が一瞬頭をよぎったが、私の空腹はそんな不安を一瞬で消し去り、2本の足は私の意思とは関係なくお店に向かって歩き出していた。

この時既に17時。微妙な時間に朝ごはんを食べた為微妙な時間にお腹が空いてしまった。
夜21時にはまた夜ご飯の予定があるのに。
仕方がない、食べることに幸せを感じる人間には空腹という欲望を目の前にすると背に腹はかえられん。

出来るだけ人が少ない店舗が良かった。
大名店は言語道断。賑わいすぎる。
今泉店も若者しかおらん。却下。
薬院店は遠い。

いつき主催、弐ノ弐一人飲みオーディションを通過したのは警固店。
ここは、何度か前を通って、広くて比較的綺麗で人が少なそうだったので気になっていた。

威勢のいい兄ちゃんが予約票を片手に席を案内してくれる。
予約しているか聞かれたが、この席数そんなに予約で埋まるのか?と疑問に思いつつ入り口すぐの二人席に座る。

これがビックリ。次から次にお客さんが入ってくる。会話を聞いていると空席が目立つ中、それらは全て予約で埋まってるのだそう。
そして新規のお客さんがすでにウェイティング状態。

さすが激安中華店。

一人で二人席を占領しててごめんなさいと心の中でやんわり謝罪しつつ、烏龍茶、餃子、ルーロー飯を注文。

ものの数分で全てが揃う。

キンキンに冷えてやがると言いたい気持ちを抑えて、キンキンには冷えてない烏龍茶を流し込みながら7個を3口で行けてしまうサイズのミニ餃子をまずは頬張る。

カリカリの食感と肉汁たっぷりの具材が口の中でコロナ前のナイトクラブのように踊り狂う。

うまい。

次に、大好物のルーロー飯。
ぷるぷるの角煮は八角の香りを脳内にまで解き放つ。
角煮の恩恵を受けて茶色くなった熱々の白飯は、かき込む手を止めさせてくれない。

優勝。

幸せってこういうことなんだよなーーーー
と心の中の青空に向かって叫びながら、黙々と箸を動かす事10分。完食。

心も胃も満たせて、お会計は1000円。
コスパっっ!

ぼっち中華って、、なんて考えていた15分前の自分は既に過去のものになっていて、お店を出た時の自分は一回りも二回りも成長していた。(気がした)

一人で弐ノ弐に行ったから、2月23日は中華記念日。

きっと、もう怖いものなんてない。
ほんの少しの勇気さえあれば。




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