儀式には続けることを求め、仕事には効率を求めよう

私のファーストキャリアは、自衛隊だ。高校卒業後、防衛大学校に進み、無事に陸上自衛隊に入った。自己紹介noteはこちら

軍隊というところは、いろいろな儀式がある。その一つが、当直や週番の交代のときの報告だ。

防衛大の学生の頃だと、以下のような流れで、指導教官に週番の交代を申告する。

「下番(かばん)中隊週番、笠岡学生以下3名の者は、週番勤務に関する件、異状なく申し送り、下番します」
「上番(じょうばん)中隊週番、笠岡学生以下3名の者は、週番勤務に関する件、異状なく申し送り、上番します」

この儀式のあとに、普通のテンションで「1週間おつかれさん。今週は**というイベントがあるから、事故がおきないように週番からも機を見て注意をするように」などの指示を教官からもらう。

これを、一言一句間違えないように覚える。同じ儀式を何年もずっとやっている。

最初は、意味がわからなかった

上記の儀式は、早くて2年生から少しずつ参加する。自分が言うようになるのは4年生からだ。

最初は、この儀式に何の意味があるのかわからなかった。「どうせ普通に話をするなら、いらないじゃないの」とも思っていた。

しかし、教官が、あるとき、表題のようなことを言ってくれたのが、とても印象に残っている。

儀式には続けることを求め、仕事には効率を求める

儀式が文化を作る

儀式が、歴史や文化、雰囲気、連帯感を作るのだと教えてくれた。だから、意味がないからやめようとか、効率が悪いから無くそうとか、そういう対象のものではない、という話だった。

ラグビーのアイルランドがやるハカとか、宗教的な儀式とか、すべてに共通していると思う。

儀式があるから独特の雰囲気が生まれる。同じ体験をしてきた人の間に、不思議な連帯感が生まれる。

これは、組織をまとめるひとつの方法として、一定の効果があることだ。

それは仕事?それとも儀式?

一方で、なんでもむやみに続ければいいというものでないことは周知のとおり。仕事には効率を求めなければ、ビジネスで勝つことはできない。

多分戦争にも勝てない。

でも、おなじようなやり方をし続ける人が、組織には少なくない。

そんな人に聞きたい。

それは、仕事ですか?それとも儀式ですか?

なにか文化を作るため、連帯感を作るためのことなら、儀式だろう。それは続ければいい。

こういう話は、きっとその会社は、仕事ではなく儀式をやってたんだろうね、と解釈すると少しだけ理解できる。

儀式、やってますか?

最後に言っておきたいのは、「あなたの組織に、儀式はありますか?」という話。

そんな組織は嫌だ、と思う人も少なくないだろう。けど、個人の能力が相対的に低い集団が、そうでない集団に勝つには、組織の力を発揮するのが、わかりやすい打ち手のひとつ。

何か、個人の能力の集合体だけであることに行き詰まりを感じるなら、こういうことを検討してもいいのかもしれない。

ぜひ、サポートお願いします。いただいたサポートは、より多くの人にコーチングが届くよう、情報発信に活用させていただきます!