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Unityを学ぶことにした 1(BlenderやMMDでの学びを発揮する場所)

(約 4,300文字の記事です。)

唐突だが、今後は新たなZbrushプラグインの開発を控えて、Unityの勉強を始めようと思った。既存Zbrushプラグインについては要望があればメンテするが、積極的なメンテは多分行なわない。(なお予定は未定。)

今まで色々と「○○を学んだ結果のアウトプット先が△でいいのか?」と迷ってきたが、多分、今の私にとって必要なのはUnityによるトゥーン表現だという結論に至った。Unityによる絵作り、短編動画作りが、一番しっくりくるのではないか、という結論。

かつてUE4を学んだ人がなぜここでUnity?

長々と書きたいが結論だけ。

・別にリアルな表現が必要じゃないことに気が付いた
・トゥーンシェーダーの方が必要だった
・質感表現は別に必要なかった
・紙媒体の漫画で「衣類の質感、感じますか?」ないからつまらないですか?No.
作りたいのは線画やセルルックアニメの絵作りだった

結局は自分にはUE4は不要だったってこと。

もしかしたらサブスタンス3Dペインター(Substance 3D Painter)なども不要かも知れない。だって紙媒体の漫画で、キャラの衣服、質感を感じないでしょ?だからといってつまらないか?そういうことはない。となると、別に私にとってはPBRマテリアルすら、必要なかったのだ。

必要なのは輪郭線と1影2影だったのだ。色はモノトーンであってもいい。

Unityのトゥーンシェーダーの価値

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もともとUnityにはトゥーンシェーダーによるセルルックアニメ絵の表現を追求してきた経緯がある。「ユニティちゃんトゥーンシェーダー」プロジェクト。今はVer.2になっているようだ。その資源を利用したい。

もともとVer.1の頃から魅力的だったが、当時はUE4を学んでいたためにそこまで余裕がなくて手が出せなかった。

もっと言うと「ゲームを作るつもりがないのにゲームエンジンなど学んでいられるか!」という謎の先入観が邪魔をし続けていた。

UE4を学んだのは当時のBlender 2.8系のCycles並の絵をリアルタイムで作れると感じたからその可能性を試しただけで、結局はプリコンパイルの待ち時間が「分単位なので」長くて結局は使えないという結論に。

そして今。Blender 3 系になってCyclesも2倍速。Cyclesはリアルな絵作りが得意だ。……だが、本当にPBRレンダリングによるフォトリアリスティックな表現が必要か?


答えはNoだった、やっぱり(笑)


なのでPBRもなにもあったもんじゃない。結果、サブスタンス3Dペインターの必要性も一気に小さくしぼんだ。

(私にとっての話であって一般的にはサブスタンス3Dペインターは重要)


やはり私が欲しい表現は線画、トゥーンのようなセルルックな、レガシーな、枯れた、よく見たアニメ絵表現を3DCGでやりたかった、それだけの事だった。


リグ変形、物理演算、MMD並に表現できるメリット

例えばダンス動画を作れるソフト=MMDは簡単で楽しいが、ソフトとしては未来がほぼない。オープンソース化されない限り、いつまでも開発終了したソフトに依存するメリットはない。

とは言え学べることは多い。だが学びを発揮する場所ではない。そこで学んだことを生かせるステージ、それはUnityやUE4だろうということで、Unityの学習の価値は十分にある。

そんな感じで、リグ、ウェイト、物理演算、それらを発揮できるステージがないと「何のためにBlenderでマゾのような修行のようなウェイト調整やリグ入れをしなければならないのか?」の答えがなくなるのだ=モチベーションの消沈。

なのでBlenderオンリーの当時の私にとっては、これがやれるかあれがやれるかという技術的挑戦は面白かったが、そこから先の作品作りには進まなかった理由にもなっている。そこから先のビジョンをイメージできなかったのだ。

というのもBlenderの物理演算は遅すぎて全くリアルタイムじゃない。これがMMDとの大きな違いであり、モチベーションの起点になり得ないのだ。(だから当時、リアルタイムレンダリングという点でUE4を学んだわけだが)


だが時は流れて2年。色々と環境が変わった。そして気が付けば「リアルタイム処理」を見回せばUnityが多勢となっていた。(もちろんUE5にも期待はするが、もう土俵が両者で違いすぎた)

VTuber, VRChat, それ全部Unityベース

昨今Blenderがもてはやされているが、問題はそこから先なのだ。Blenderで色々できることは分かる。でもずっとモヤモヤしていた気持ち、それは「Blenderでそれができたからと言って、でもそれ、Blenderの中だけでしか実現できないよね?」ということだ。

これの何が問題かというと、Blenderで物理演算付きのアニメーションがリアルタイムで軽快に動くか?と言われればNoなので、すなわち、快適なアニメーションプレビューにはBlenderは使えないよ、ということ。

もちろんレンダリングしたり物理をベイクすればそうでもないだろう。アニメーションについては乗り越えられそうだ。だが、それまでだ。そこからの応用がない。

例えばBlenderで霧の表現、ゴッドレイの表現など、色々な表現手法を苦労して理解して実践できたとしよう。でもそれ、Blender以外では全く応用できない。あくまでも「Blenderを通じてそれが表現できるようになった」ということでしかない

もしBlenderが3DCGの何にでも使える中核になっていればそれで問題はないのだが、実際は違う。キャラのセットアップやFBX出力の起点になり得るが、そこから先の出番は業界によって全く異なる。

最終的な絵作りをするプラットフォームでなければ、色んな演出方法は互換性がないので使えない。となると、最終的な絵作りをBlenderでするならば問題ないが、Blender以外で絵作りをするとなると、Blenderでの表現技法の習得にかけたコストが全て無駄になる。

なによりもBlenderのトゥーンシェーダーは未熟で枯れてはいない。まだまだ各自が試行錯誤している状況だ。そしてトゥーンシェーダーはそもそもとてもノウハウが必要な、極めて主観的な感覚で最終調整が必要な物だから、ポン付けで上手く絵が出るBlenderノードはほとんどない。そしてBlender自体もどんどん進化するので、個人開発のノードが最新版に追いついてこない。そしてそもそもトゥーンシェーダーの数が少ない。Blender Marketを見てみても。

つまり、トゥーンシェーダーの絵が必要な私にとって、実はBlenderでのレンダリング(絵作り)はあまりメリットがないのでは?と思い始めたのだ。


Unity上での表現はゲームにもアニメにも使える

Unity上でトゥーンシェーダー表現に詳しくなれば(そのチューンに詳しくなれば)、実は応用先が広いのでは?と思っている。Unityだから当然ながらゲームエンジンなのでゲームでのトゥーン表現にそのまま利用できる。またゲームに必須なボタン入力などのインタラクティブな表現を全て取り去ればアニメーション製作ツールになる(最終的な仕上げ調整は動画化して動画編集ソフトやAEなどで仕上げるわけだが)。

なのでUnity上で霧、ゴッドレイ、その他色々な光学的なエフェクトに習熟すれば、その応用先がゲームだったりアニメ製作へも応用できるわけだ。ここがBlenderとの違いになる。

そして自分にとってはそれはとても魅力的だ。自分にとってのBlenderでの閉塞感の打開策としてUnityは魅力的だと思うようになった。

Zbrushで感じた閉塞感をBlenderでも繰り返したくはない。


Zscript, Python, 別にC#でも大差なし


1. Zbrush=Zscript
2. Blender=Python
3. Unity=C#

プログラミング言語も突き詰めればメモリ保存と条件分岐とエラー処理くらいしかない。なので後は各言語の作法を知っているかどうかの違いであって、クラスの概念など多少の効率の違いでしかない。どちらも最終的に結果を出せるように組み上げることは可能だ。むしろ後からの機能拡張のしやすさの違いでしかなくて、それを除けばどの言語も何とか目的を達することができる。

なので、別にどれでもいいのだ。あとは各言語の得手不得手や特性の違いがあるだけだ。

例えばAI分野ではPythonが向いている。でも別にAIで自動処理させる何かを作るつもりはさらさらない。

Zscriptに関しては完全にガラパゴス。


自分が欲しいのは線画表現、セルルックアニメの静止画

別にアニメを作りたいわけじゃない。時間軸表現はとても大変。だから静止画1枚絵でいい。でもセルルックにはしたい。というのも、今まで散々試した結果、自分が欲しいのはフォトリアリスティックなUE4のような表現じゃない。質感も無視した、いわゆる普通のセルルックなイラスト、アニメ絵。

これでいいんだ。線画があればなおいいが、1枚絵ならば後から線画レイヤーだけをクリスタでいじって手作業で加工して仕上げてもいい。特に線の要り抜きは手作業で調整したほうが「満足度」が高いだろう。

そして別に線画そのものにそんなに思い入れがあるわけじゃなくて、等幅の線でもいいので、ほどほどのアウトラインがあって、色が程よく1影2影になってくれればそれでいい。最悪クリスタ上で手塗りで調整しても構わない。

欲しいのが1枚絵なので、アニメーションと違うのでCLIP STUDIO PAINT上で手作業での後付け加工が使える。全部Unityでなくても仕上げにこだわれるという見方もある。

結局、自分が作りたいのは、

3DCGという手段を使って「1枚絵」をセルルック調で作る

これだけだったのだ。


何周回ったか分からない。5年経って、ようやく辿り着いた?というか5年も遠回りして最初に出した結論に戻ってきたというか。



自分も新たな一歩を踏み出さなければならないと思っている。

道が分岐しているならば、自分の道を選ぶしかない。それだけ




……、言いたいことはこれで全てだが、これに関する詳細はかなり長くなってしまった(笑)なので続きはこちら。



今回の創作活動は約1時間45分(累積 約2,717時間)
(736回目のnote更新)

読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊