(当時)3DCG作りはつまらなかった、だがやはり3DCGに戻ってきた。今は楽しい。
(約 5,800文字の記事です。)
(2019/05/06 追記)つまらなさの原因(当時を振り返って)
つまらないいと感じていた原因は今思うとこうだ。
*作るのが面倒だ。思い通りに形になっていってくれない。
苦行だからつまらない。リアルに作ろうとするとものすごく時間がかかる。絵を描くのと同じくらいだ、だったら絵を描けばいいよね?Zbrushのモコモコ造形から抜けられない(当時の技術力の問題)。ローポリチックなピシッとした造形を作りたいのにできない。辛いだけ。だからつまらない。
こんなところだった気がする。けどまぁ、その後、再びお絵描きに逃げてから一周してZbrushに戻ってきたわけだが。プラグインを開発したりカスタムブラシを作るなどして自由に操れるようになった今、楽しいよ。私はZbrushを生涯使い続けるつもりだから、立体モデルを使って絵作りをして、物語を作るつもりだから。諦めないで捨てないでZbrushと格闘し続けてよかったと思っている。
*今は自由なモデリングをZbrushでできることの喜びのほうが遥かに大きい。
モデリング限定ならZbrushはかなり自由に作れる。Fusion 360を補助的に使えば幾何学的に正確なモデルも作れるが、仕上げはやはりZbrushだろう。別にエンジンのような正確なものを作る必要はないので、だったら直感的にいじれるZbrushの方がいい。ふにゃふにゃにできるのがZbrushの良さだ。一方でFusion 360のようなCADにはそれが難しい。
確かにZbrushは思いっきり癖があるが、ちゃんと使いこなせるようになる。粘り強く使い方の学習をし続けていればね。諦めないことだよ。
*2019/08/30追記
ってどれくらいの期間粘れば?う~ん、私の場合はぼちぼちとゆる~く触りながら結局は1年半かかったかな~。途中でプラグイン開発とかVUEやUE4で自然風景を模索したりして遠回りしたけれど。でも少なくとも集中的に3ヶ月は学習するところからスタートすべきかなと。それを乗り越えたら、そこからマイペースでOKなのでゆる~く半年くらい?でトータル9ヶ月くらいで自由自在になる気がするよ。全力集中なら通算4~5ヶ月でほぼ自由に使えるようになると思う。
(2019/08/30追記、#Twinmotion に持っていってレンダリングテスト中)
(追記、終わり)
以下、当時の記事。
***
ついに結論に達してしまった(笑)以前の記事で3DCGと2D絵を比較したときに、フルカラー仕上げなら3DCGモデリングによる絵作りが有利、という結論になったわけだ。確かに、色塗りの技術なしで、色とマテリアル指定すればあとは演算結果に従うから、効率がいい。
だが、漫画トーンを含めたモノトーンベースの表現ならどうか?やはり2Dの絵のほうが圧倒的に早い。それはなぜか?モノトーンベースの絵は「情報の丸め」が多用されているからだ。情報量が減るほど、絵のほうが直感的かつ早く仕上がり、逆に3DCGはその得意分野がどんどん減る。光学的な正確さがそぎ落とされるほど、3DCGの制作コストだけが高くなる。
これが、線画 vs 3DCG絵で比較したときの、本当の結論だったのだ。気が付かなかった。いや、信じたくはなかった。だから何とか3DCGの良さを行かす方向の結論を探ってみたのだ。
さて、なぜ今回、こっちの結論に達したのか。
寝袋やテントを簡単にモデリングしてみた後に感じたこと。
つまらない、つまらないのである!!!
なんで?なんでこんなにも満たされないの?
小物だから?No.
ローポリだから?No.
ブラッシングによる盛り込みがないから?No.
寝袋はブラシ盛り込み、テントはローポリ、いずれも小物ではあるが、小物以外のほうがもっと手間がかかることは間違いない。いずれも30分~1時間程度で簡単に仕上げたもの。手間はさほどかかっていない。
だが、満足感が皆無なのだ。noteにUPしてもちっとも楽しくない。ここ最近、悶々としていた。
なぜ私は3DCGモデリングをしているだろうか?
カバネリの無名さんまでは勢いでなんとか作ってみたものの、モデリングするという行為自体への違和感は、そのときからあった。だから、なんとかして、モチベーションを高めようと思って無名さんをテストしてみた訳だが、そこからさきもモチベーションは上がらず。
モデリングの手間を減らすべく、プリミティブなローポリモデルを作ってみたりしたが、それでも特に変わらない。(ローコットを作ったときに役立ったが。)
再び地球の軌道からスタート地点に帰還する
またまたスタート地点に戻ってきた。パラシュート降下である。再び自分の原点を見つめ直す。元々なんであったか?
オリジナル小説の挿絵を描く。
これがスタート地点だった。デッサン力の無さを3DCGで埋めようとしたのだ。これが3DCGの原点。
カラー化は必須だったか?No. である。基本はグレースケールで良かったのだ。トーンの利用は全く考えていなかったが、先日、ひょんなことからクリスタでトーン表現のテストをした結果、ふとひらめいたのである。
グレーやモノトーンベースなら、相当に立体情報が丸まっていることに。
普通、絵を描こうとしたら漫画表現に真っ先に辿り着くだろ?という一般常識を大きく外れた結果、ようやく普通の考えに辿り着く(笑)とんだ回り道だ。
デッサン力の不足によって線画化が難しい部分は、モデリング結果を利用して線画化&トーングラデを利用し、直接に線で描けるのならばそのまま描けば、一番早い、ということに、気付いた。
トーンによる立体の演出ならば、細かいグラデの滑らかさも気にしなくていい。さらには3DCGの陰影情報をそのまま利用できる。多少ポリゴンが粗くても、トーン情報に変換すれば全く問題ない。
Zbrushの作業レベルが当時と今では違う
Zbrushを始めた当初は、ポリゴンの表面を思い通りに整えることができなかったから、3DCGモデルの稜線をそのまま線画として用いることができず、手でトレースするという手間が無駄だと思っていたが、今は違う。面をきちんと整える技術も身につけた。今なら、綺麗なモデルから稜線を抽出できる。人手によるトレースは不要だ。
Zbrushの機能も大半は理解して使えるようになったし、パースや画角なども理解した。なので、後は絵で描く画角に合わせて、見た目あわせで3DCGモデルを配置し、それを線画化してクリスタのレイヤに持ってこれれば、「デッサン力の無さ故に正確に書けなかった物」の線画化が完了である。
人体についても同様。なのでポージングが終われば線画化はほぼ終了。見た目あわせでクリスタ上で服やシワを感覚で入れて、トーンの影も同様に入れれる。なお、ポージングによっては関節の曲がりに不自然なところができるが、それも基本的には線画上で補正するし、3DCGモデルをZbrush上で直してもいい。今ならそれが「さくっと」できる。
もともと、服のシワは線画で描くノウハウを学ばねばならないと思っていたし、それを立体化するにしても、同じノウハウが必要だと感じていたのだ。だから、どっちをとっても元々学ぶつもりでいたのだ。
クリスタで描く「モノトーン絵」に戻るメリット
3DCGレンダリングと違って、面の荒れを気にしなくていいのが強い。恐らくはほとんど白で塗りつぶして終了だろう。
また、2次元絵ベースになれば、表情のペン入れの細かさも、Zbrush上でポリペイントする場合とは比較にならない。ピクセル数が違いすぎる。また、グレーベースなら色味も気を使う必要がない。
また、髪の毛にはGペンによる入り抜きができるので、3DCGモデルよりも繊細な表現ができる。もっとも、表現力に画力が影響する部分ではあるけれども。でも、ふわっと感は3DCGモデルよりも出しやすい。
鳥の表現も、基本的には写真を見て描くことになる。が、鳥のモデリングはそれだけで一つの作品になるくらい、面倒だし、360度どこから見ても生き生きした鳥のモデルは、更に大変だ。生き生きした鳥の写真を見て模写した方が早いし、正確。
なによりも、
モデリング中は楽しくなかったが、お絵描き中は楽しかった
これな!これが根本的な満足感の違いだったのだ。
モデリングは、The 作業そのものである。
最初の頃は、エレノアさんが立体になって感動したが、あれが今までの感動のピークだったな。あとはダダ下がり。
一方、今振り返っていると、しょぼい線画1枚に1.5時間かかっていても、1枚ずつの満足感はあった。画力がないから下手な部分があることは確かにあるのだけれど、その部分は、今の3DCGの力を持ってしても埋まる部分ではないことに気が付いてしまったのである。
作業量が少ないと3DCGはデメリットが強調される
3DCGモデルを使うと、例えばペーターの鞍や、鳥取り網の絵の部分などは、確かに正確だ。だが、後はどうだろう?マントやホットパンツなどの衣類、適当に書いたテント、どれも3DCGできちんと作ろうとするとかなりの手間だ。だが、当時、線画でそれなりに描いた絵のほうは、そのまま絵として成立している。
つまり、3DCGは手間がかかるのだが、きちんとした手間をかけないで仕上げると、望んだ表現力に達するほどのモデルに仕上がっていない、ということに気が付いたわけだ。2次元の絵で適当に描いた絵と、3次元で適当にモデリングしたモデルとでは、そもそも完成に至るまでの総エネルギー量が1桁違うので、同じ作業量の手抜き制作では、3DCGのほうが更にショボいのである。これに気が付いた。
だから、RASPモデリングに必要なエネルギーを落書きに使ったほうが、完成物(絵)としてはまだマシ、ということになる。
3DCGモデルを線画レンダリングして活用する方向で
結局、3DCGモデルは、線画レンダリングした結果を活用する方向に変更。線画シェーダーなどを模索して、なるべく人の手でトレースしなくても線画&トーン影を付けられる方法を模索したい。等幅線になることは否めないが、そこは軌道に乗ったら改めて線画をベクターレイヤ化する方法を模索するとして。(EXにバージョンアップすれば線画をベクターで抽出することができた気がする)
作画方法の方針転換
つまり、絵で描いたほうが効率的な部分はGペンでクリスタで描き、デッサン力の無さ故に線画化が難しいところはZbrushでモデリングした後、線画シェーダの結果を利用する、というもの。
これはかつてのテスト結果。一応線画レンダリングは可能。
現代の機械モノアニメーション制作手法に近い方法で、手描きの絵と3DCGレンダリングのいいとこ取りをしたハイブリッド表現で、小説の挿絵を創っていく、という方針に転換してみることにした。
Zbrushの腕はなまらせたくないので榊本で学習は継続
けど、せっかくローポリもハイポリも自由に扱える技術を長時間かけて獲得したのであるから、腐らせるのはもったいない。なので、榊本で学習を進める。
けど、恐らくはZbrushの学習としては榊本での学習がほぼラストかな、という気もする。必要以上にZbrushに時間をかけても、しょうがない。別にフィギュア造形師になるわけじゃなし。
結論
・3DCGは、2Dの絵を描く際に、デッサン力の無さを補うための「手段」として使う。
・当初の目的通り、挿絵を創るための手段。
・活動の方針を、当初の通り、絵描きへ徐々に戻す。
・トーンを使った塗りで1枚絵の完成形とする。
・Zbrush技術は保持したいので、平行して学習を続ける。
となると、3DCG技術のうち、いくつかの技術については学習を打ち切ることができる。
・UV展開やテクスチャマッピング技術
・レンダリングの綺麗さ
・マテリアルやパラメーターの違いによる表現の違い
また、VUEについても綺麗なレンダリング結果にこだわらなくても良くなったので、深入りしない。何となく森っぽかったり、山っぽい感じになっていれば、あとはトーン処理の結果、見えるほどの差になるか否かの判断をすれば、自ずと活用方法が絞られる。
リアルな大木にしても、VUEで試行錯誤して作るよりも、リアルな大木の写真を見て描いた方がいいに決まっている。遠景なら、黒でつぶれる枝葉なら、レンダリング結果+クリスタでの一部の切り貼りの繰り返しでごまかせるだろう。そもそも、そこまで背景にこだわるつもりがない。被写界深度のことを考えれば、なおさらぼやけていて当然だから。
振り返ってみると
壮大な遠回りだった。が、全ては無駄にならない。ポリペイントで3DCGモデルに黒で線を入れておけば、使い回し時でも安定した黒線が立体情報として線画レンダリングされるわけだから、いちいち溝を立体で作らなくてもいい。この辺のノウハウは、Zbrushを触りだした当時にはないノウハウだ。
また、クリスタのモデルに限らず、世界中のフリーのobjを自由に使える点も大きい。気に入らない部分はZbrushで修正すれば、好みの形にも修正できるのは、大きな利点だ。これはただ絵を描き続けていたら絶対に手に入らなかった能力。この可能性に未来を感じたからこそ、3DCGに手を出したわけだが、悲しいかな、作っている作業そのものが楽しいのは、絵のほうだった。
というわけで、今後はnoteの記事が徐々に絵描き寄りの表現にシフトしていく予定。
今後ともよろしくお願いします。
(196回目のnote更新)
(2019/08/30追記、やっぱり3DCGでGoしてます(笑))
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読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊