情報発信の「中身作り」と「仕組み作り」の違い
(約 3,200文字の記事です。)
今や誰でも一度は聞く「情報発信」という単語。そして事実、Twitterなどの短文系SNSを除いたとしても、ブログやnoteという長文が可能な無料メディア、WordPressやWixなどのウェブサイト製作ツール、YouTubeなどを考えれば、誰でも簡単に情報発信ができるようになった。
それは全く否定しない。
だがここに1つの罠がある。それは「情報発信する対象となる情報作りそのもの」と、情報を効率よく、ユーザーにとって「いつでも」アクセスしやすくてかつ分かりやすい形に「し続ける」ための仕組み作りとは、全く別物なのだ、ということ。
特に「いつになっても・分かりやすく・アクセスしやすい形」にし続けるということがポイントになる。
例えばメンテを1年怠って放置しても、その間にユーザーにとって「分かりやすく・アクセスしやすい形」になっているかどうか。
今日もZbrushプラグインのアプデを終えて公開した
こんな感じで、今回も結構な時間とエネルギーをかけて新たな機能を追加した。決して2, 3日で完成した機能ではない。仕様を決定して論理設計をし、実際に実装テストとバグ修正を経て、英語UIと日本語UIのダイアログやボタンUIを実装して、ようやく今日リリースした。
だが、完成したからといって「BOOTHにUPして更新履歴を付ければおしまい」か?と言われればNoである。
問題はここから先だ。
何が変わったの?どう変わったの?どういうときに役に立つの?
これを伝える努力が、またゼロからスタートするのだ。苦労してアプデした高機能なプラグインの開発、完成したけれど、それとは無関係に「ここから再び伝える努力をスタート」しなければならないのだ。
ゴールに到達した結果、再び「スタート地点に変化」するのだ。
……、辛い。
つまり、良質なコンテンツを作り上げたことと、それを分かりやすく効率的に端的に伝える努力とは、無関係なのだ。無関係なので、いつでもゼロスタートなのだ。
コンテンツを伝える努力「媒体の整備」
個人開発だと、たいていの場合、コンテンツが完成してリリースして力尽きる(笑)私がたくさん経験したことだ。せっかく良いコンテンツに仕上がっても、肝心の「伝える努力」で力尽きて中途半端になると、なかなか成果が「すぐには」でない。もちろん時間が経てば分かる人は分かり、伝わるようになるのだが、人は成果を急ぐ生き物だ。なので、コンテンツが完成した後の「伝える努力」これを怠ってはいけない。
とは言え、連続的には無理だ。たいていの人は力尽きる。だから日を改めて、気力を回復させてから、きちんと解説ページを仕上げた方がいい。それをしないと「中途半端なまま」日の目を見なくなってしまうのだ。
次回の情報の陳腐化「時系列の積み重ね方式」
もちろん熱くなって公開した「当時」はまともな体裁であっても、何度かアプデをした後は目も当てられないほどの「とっちらかった情報源」になることもよくある(笑)
現に私のZbrushプラグインに関するブログはそうなっている点が多数ある。
そんな感じで、情報公開した当時はまともでも時間と共に陳腐化して、あるいは分かりにくくなっていく例がある。特に時系列で情報を積み重ねるブログシステムでは絶望的にメンテが無理だ。Twitterなどでも然り、noteもまた然り。
なので専用のウェブサイトをWordPressで構築したが、ようやく功を奏し始めた。
このツールはVer.1.0.0からVer.1.2.0で大きく機能が増えた。ソフトがアプデで機能が増えるのは当たり前のことだ。問題はここから先。
増えた機能を「今から」使うユーザーと、既存ユーザーにどう対応するか?これだ。既存ユーザーからすれば「機能の差分情報さえあればいい」し、新規ユーザーにとっては「今使える全機能」が知りたいのだ。矛盾する。これを両立させるためには、残念ながらブログのような時系列の積み重ね方式では対応できない。これが今までの私の限界だった。
過去の差分情報とアーカイブ化と「今の最新情報」を分ける
新しいウェブサイトでは
1. 今回増えた機能の解説(前回との差分情報)
2. それらを統合した「今の全機能の解説」
3. 過去のバージョンの全機能を各々アーカイブとして保存
この3つを分けることにした。既存ユーザーにとっては1を眺めればそれで十分だ。全機能の解説など不要。なので1をWhat's New的な更新情報ページにした。
そしてこの情報をVer.1.0.0当時のページに組み込んで最新のVボタン管理ツールの解説ページとした。だがこれを行う前に当時のページをコピーし、URLにv100を追加した上で、そのページの最後にアーカイブとしてリンクを貼り付けた。
そうすることでもしVer.1.0.0を使わざるを得ないユーザーがいたとすれば、そのアーカイブページを読めばそこに書いてあることがVer.1.0.0の全機能ということになるわけで、分かりやすい。
また差分情報なのでファイル容量はほとんど増えない。テキストの違いなんて数KBだし、増えた容量の大半は画像の容量がだろう。なので仮に100バージョンもアプデしてもテキストで言ったら1MBも増えない。なので全くサーバ容量の心配になり得ない。むしろリンクによって各バージョンごとのページ履歴が残っているほうがスッキリしている。
こうすることで過去の情報の差分も用意できるし、過去のある時点の全情報にもアクセスできる。そしてメインとなるページは常に最新の全情報が揃った状態に保てる。
こういう仕組みを作りたかった。今回、初めて、ようやくこの仕組みを実現できた。もっとも、そう言うようにできるようにWordPressでサイトを作ったわけだが、サイト完成から3ヶ月かかってようやくその実稼働に至ったわけ(笑)
【結論】コンテンツ作りは大変だが、そのあとの仕組み作りも大切
今回の結論はこれ。コンテンツ作りは大切だ。これが肝だ。だがそこで力尽きてはいけない。そこから先の作業が、実はコンテンツ作りの半分くらいエネルギーが必要なほど大変だったりする。
だからクリエーターの皆様は、まずはコンテンツ作りに集中し、いいモノができたら、そのエネルギーの半分くらいを更に投じて「如何に見せるか、アクセスさせるか、利便性を高めるか」にもう一工夫して欲しい。この一工夫がとても重要だ。
そのためには、コンテンツが完成したら小休止し、あまり間を空けずに仕組み作りを始めた方がいい。時間が経つと「心が冷める」のだ。そして次のコンテンツ作りに気が向いてしまう。そうなると、いいコンテンツが放置される。日の目を見るのに無駄に長い時間がかかる。
そうならないように、鉄は熱いうちにうち、刀が完成したらすぐに化粧箱に入れて「売りに出る」べきだ。そして売れてから次を考えた方がいい。あるいは店頭に並べてから(売りに出してから)次の刀を打つべきだろう。
そうしたほうが、いいループができるからだ。
というわけで、コンテンツ作りと同じくらい「公開方法、コンテンツの流通方法」を考えることも重要だ!ということを書いて本日は終了です。
今回の創作活動は約45分(累積 約2,706時間)
(734回目のnote更新)
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