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素材の味を生かす!で、本当の素材の味って何?(+塩の話)

(約 3,000文字の記事です。)

「素材の味を生かす!」かっこいいフレーズだ

カッコいいね!でもさ、その素材の味、本当に知ってます?調味料を一切使っていない、生、または加熱しただけの素材の味ですよ、そのまんま。ただ焼いただけの肉、ただ茹でただけの野菜の味。

問1、「加熱しただけの鶏肉の味は?」
問2、「加熱しただけの卵の味は?」
問3、「豆腐の味は?」
問4、「加熱しただけの鯛の味は?」
問5、「もやしの味は?」
問6、「お総菜コーナーの唐揚げの味は?」etc...

そう聞かれた人はほとんど間違いなく「知っている。」と答えるだろう。知っているならそれでいい。でも、もし知らないなら一度試してみるべきだ。

例えば、問1の答えは薄い塩味がする。そりゃそうだ、生き物だもの。塩分あるよ。牛肉も豚肉も味がある。そして豚肉は臭みが強い。これは炒めてみるとよく分かる。だからショウガをを効かせて匂いを消す「豚の生姜焼き」が理にかなっているんだね。一方、牛肉は果てしなく牛肉のうまみがある。ステーキが旨いわけだ。

同様に、卵には意外としっかり塩味。半熟卵の黄身でそれを強く感じる。

豆腐はダイレクトに豆のうまさを感じる。同時に水のうまさも感じる。透明感の中に閉じ込められた大豆のイソフラボンワールドが四角い形を形成している。また、絹ごしと木綿ではかなりの個性の違い。これを編み出した人は偉い。

鯛のアラだが、驚くほどの出汁のうまさ。ただ、当たり外れが大きい。また、鮮度も大いに関係する。古くなるほどえぐみが出て臭みが出てくる。魚は鮮度が大切だってよく分かる。旨いはずのものが旨くなくなっていく。もったいない。

もやし、これは無味無臭にかと思いきや、結構違う。もやしは香りが命。これは加熱しても失われない。そこに加わるしゃきしゃきとした食感。味というより香りの野菜。これは意外。

最後に、お総菜コーナーの唐揚げだが、めちゃくちゃ塩分が多い。味が多い。衣にも身にも味だらけ。これに調味料をかけようものならおぞましいほどの塩分量になるだろう。そうなると肉片は何肉でもいいと思うくらい。

お総菜や弁当のおかずには塩由来の味付けがかなり多い。なぜか?

塩は旨味そのもの、あるいは旨味を引き出すからだ。

現代食が塩分過多となる理由はここにある。旨味そのものだからだ。塩味が主役の「塩ラーメン」があること自体がいい例だろう。また、あっさりとしたコンソメベースに塩を少しだけ足すと途端にしっかりとしたスープに変わるから驚きだ。

だから商品にはふんだんに塩が使われる。そりゃそうだ、旨いほうが売れるからね。だからお店のパスタもたっぷりの塩+お湯でゆであげられる。下味が付いていたほうが美味しいからね。
塩ゆでの理由は調べたんだけども、化学反応による理由よりも、やはり下味をつける意味合いが強いと思う。だって科学的根拠が見つかる遙か昔からパスタはそうやって茹でられて愛されてきたわけだから。

入れまくればいいというわけではない

「塩辛い」という言葉があるように、入れすぎると突然不快な味となる。が、塩の味付けは「薄い」から「濃い」までの間のレンジがかなり広い。だから、塩の濃い味付けに慣れると、基準が限りなく「かなり濃い」方向に傾いてしまう。結果、素材の味がどんどん塩に隠れていく。また、塩分過多な食生活にもなる。

素材の味を知り、素材の味を楽しみたいのであれば、塩はなるべく少なくするべきだ。塩分はいつでもどこからでも摂取できるのだから。

カップラーメンの味は何味?

そんなこんなで、素材の味を知ってみよう生活をしているとき、手抜きをしてカップラーメンを食べてみた。相変わらずのうまさ、しかし……。

このカップラーメンは「何味」なのかさっぱり分からない。目を閉じてスープをひとすすりすると、旨い。旨いは旨いのだが、何味だか分からない。何から由来する旨味だかさっぱり分からない
そう、グルタミン酸。旨味成分の登場である。それ単体で旨味を演出する調味料。日々、素材の味を楽しんでいると、コイツの存在がすぐに分かるようになる。

調味料が悪いとはいわない。実際、お手軽に美味しく風味をつけられるし、限りなくうっすらと使うと素材の味を引き立てる。昆布だしや鰹だしのようなお手軽グッズでも構わない。入れすぎなければちゃんと素材を感じられる美味しい料理になる。

だが、グルタミン酸のような何由来かがわからないような調味料は、やはりどこか浮いた味がする。昆布でもない、鰹でもない、大豆でもない、魚介類でも肉でもない。なんだこの味は。

そこでカップラーメンでは、自然さを演出するために風味をつけて、醤油っぽくしたり、香りをつけて味噌っぽくする。スープの色の演出もそうだ。魚介系の出汁成分を入れるのもアリだろう。それでもやはり、例えば醤油の味と旨味とが繋がらない。分離している。
「一口すする。うむ、旨い。うまいけど……。あ、醤油味か」(あ、味噌味か、おっとシーフードか)
なんともおかしな話である。

本物を知れば、自ずと偽物(フェイク)が見えてくる

素材の味を知っていますか?Yes. ならば直感的に偽物を見抜くことができる。見抜くというより、本物との差異を感じる。感じてしまう。自動的に。
考える必要などない、ただ感じるのだ。だからこそ、本物の中でも特に優れたものなのか普通程度なのか、やや劣るものなのかも必然的に分かる。かすかな違いだが、それが重要なのだ。

興味のない人にとっては「ふ~ん」で終わるだろう。それもいい。それに気づけるかどうかがまずは重要なのだが、それを強要する必要はない。

きちんと本物を知っていること。クリエーターにとって重要なことだと思う。自分は何をしようとしているのか、それは手段なのか目的なのか。どこまでが満足でどこからが不満なのか。手抜きなのか効率化なのか。やるべきかやらないべきか。

自分にとっての本物を知っているということ。他人の価値観や情報由来ではなく、それらを自分で咀嚼(そしゃく)した結果、見つけ出した本物。これはぶれない。


自分で感じて見つけ出した本物であること

自分にとっての本物他人の価値観や情報由来ではだめだ。それらを自分で実際に試してみて咀嚼した結果、感じて見つけ出した本物でなければならない。そしてそれは絶対にぶれない。自分自身で感じたことを自分で否定できるはずがない。うわべの知識ではなく、実際に体験することが重要なのだ。

とりあえず鶏肉をただ茹でて食べてみてはいかが?そこにヒントがあるはず。


だから私も日々、自分の中の本物作り&発見(発掘?)に勤しんでおります(笑)


更新履歴

2020/07/09 追記
少しメンテ。1年以上前の記事ですが、読んでみても話の流れに勢いがあると感じたので更新履歴は最後に入れることにしました。


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読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊