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政治講座v84「不勉強な報道記者と大学教授の肩書に見合わない知識の狭さ」

老婆心ながら若き報道記者と専門外を論じる大学教授の肩書に苦言を呈する。まず、1っ点目、報道記者とそれを編集する大手報道機関の不勉強さに失望した。そこには、「夫婦別姓」を平気で使っている。2点目、大学教授と称する肩書の投稿記事に「中国は5000年の歴史を持つ国」との表現と、「日本は、中国の属国として媚びて、今は米国に媚びている」という表現。間違えたふりをしながら、徐々に洗脳する高度なプロパガンダニュース・プロパガンダ情報にもっと、日本人は敏感になるべきである。今回はその関連記事を掲載する。努々洗脳されることなかれ!

               皇紀2681年8月1日

               さいたま市桜区

               田村 司

はじめに

悲しいかねこれが天下の「NHK」の記事の表題である。判決に関する見解は今回は差し控えが、吾輩も最高裁大法廷の「合憲」には賛成である。しかしながら、「姓」と「氏」の区別もしないで、記事の表題にすることは、正確性を旨とすべき報道機関の姿勢を疑う事象であるので、敢えて取り上げた。

以前も投稿したので再度掲載する。

やさしい法律講座v43「判例研究:令和2年(ク)第102号 令和3年6月23日 大法廷決定(夫婦同氏)」https://note.com/tsukasa0415/n/n28e4cc572cfc

政治講座ⅴ44「個人の『権利濫用』と公共の『我儘』」副題 夫婦別氏を巡って儒教思想に祖先返りか?差別主義化か?https://note.com/tsukasa0415/n/nde3df22be875



これがNHKの報道の表題と内容である。民法の規定では「姓」ではなく「氏」である。

夫婦の氏)第750条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻を称する。

「夫婦別姓認めない民法の規定は合憲 最高裁大法廷 判断」


2021年6月23日 20時00分

  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210623/k10013099631000.html

夫婦別姓を認めない民法の規定について、最高裁判所大法廷は憲法に違反しないとする判断を示しました。憲法に違反しないという判断は、6年前に続いて2度目となります。

都内の3組の事実婚の夫婦は、2018年に夫婦別姓での婚姻届を受理するよう求める審判を申し立て、別姓を認めない民法と戸籍法の規定は、男女の平等などを定めた憲法に違反すると主張しましたが、いずれも家庭裁判所と高等裁判所では退けられました。
最高裁では15人の裁判官全員による大法廷で審理されてきました。

23日の決定で、大谷直人裁判長は「6年前の判決後の社会の変化や国民の意識の変化といった事情を踏まえても、憲法に違反しないという判断を変更すべきとは認められない」と指摘し、夫婦別姓を認めず夫婦は同じ名字にするという民法の規定は、憲法に違反しないとする判断を示しました。

また「どのような制度を採るのが妥当かという問題と、憲法違反かどうかを裁判で審査する問題とは次元が異なる。制度の在り方は国会で議論され、判断されるべきだ」としました。

そのうえで、3組の夫婦が求めていた別姓での婚姻届の受理も認めませんでした。
一方、裁判官15人のうち4人が憲法に違反するという意見を書きました。

最高裁大法廷が夫婦別姓を認めない民法の規定について憲法に違反しないと判断するのは、6年前の判決に続いて2度目となります。
申し立てていた人「別の姓で結婚したいという価値観を認めて」
審判を申し立てていた真島幸乃さんは最高裁判所の前で取材に応じ「とても残念です。別の姓でいいと夫婦が合意しているにもかかわらず、婚姻関係が成立しないのはなぜなのか。別の姓で結婚したいという価値観を認めてほしい。婚姻届が受理され、家族で記念写真を撮ることができる日まで頑張りたい」と話していました。
弁護団代表「全く理解できない」
審判を申し立てていた弁護団の代表の※榊原富士子弁護士は「残念な結果だ。一部については、憲法違反ではなく法令違反にとどまると指摘しており全く理解ができない。今後、さらに弁護団で検討する必要がある。ただ、15人の裁判官の中でも、意見が分かれていることを感じさせる決定だったので、前回の判断よりも進展が感じられた」と話していました。

※榊は「木」に「神」
国連 過去3回 改正を勧告
海外では多くの国で夫婦が別々を名乗ることが認められていて、法務省によりますと、同じ姓を名乗ることが義務づけられている国は、把握できている範囲で日本だけだということです。

民法の規定について、国連で採択された女性差別撤廃条約の委員会は、過去3回にわたって日本政府に対し「法律を改正すべきだ」と勧告しています。
違憲判断 裁判官4人の意見
憲法に違反すると判断した裁判官は、前回の5人から4人に減りました。

検察官出身の三浦守裁判官は「夫婦の名字を同じにする現在の制度は、現実的に女性に不利益を与えている。夫婦別姓の選択肢がないことは、婚姻の自由を不合理に制約していて、憲法に違反する」という意見を述べました。

弁護士出身の宮崎裕子裁判官と、学者出身の宇賀克也裁判官は連名で反対意見を書き、「夫婦の名字を同じにしないと結婚を法的に認めないという制約を課すのは合理性がない。婚姻の自由と夫婦の平等を保障した憲法の趣旨に反し、不当な国家介入にあたる」として、別姓での婚姻届も受理すべきだと判断しました。

弁護士出身の草野耕一裁判官も反対意見を書き、「選択的夫婦別姓を導入することによって向上する国民の利益が大きいことは明白だ。それにもかかわらず導入しないことは、あまりにも個人の尊厳をないがしろにしている」として憲法に違反すると判断しました。
合憲判断 裁判官3人の補足意見
裁判官出身の深山卓也裁判官と行政官出身の岡村和美裁判官、行政官出身の長嶺安政裁判官の3人は、憲法に違反しないとする判断に賛成の立場で補足意見を書きました。

3人は「国民の意識の変化については、国会で評価、判断されるのが原則で、選択的夫婦別姓の導入をめぐる最近の議論の高まりについてもまずは国会で受け止めるべきだ。国会で国民の意見や社会の変化を十分に踏まえ、真摯(しんし)な議論が行われることを期待する」としています。
申し立て 3組の夫婦が会見
申し立てをしていた3組の夫婦が東京 霞が関で会見を開きました。

大山礼子さんは「非常に暗い気持ちだ。日本は別姓を選べないという世界的にも珍しい状況だが、ガラパゴスから脱するチャンスを、また逃した。国会は、国民の意見を代表する機関として役割を果たしてほしい」と話しました。

高橋彩さん(仮名)は「最高裁に期待し、実は婚姻届を準備していた。結婚後の姓の『夫の氏』と『妻の氏』の両方にチェックを入れた婚姻届を最高裁の帰りに出しに行きたかった。この婚姻届が破られたような気持ちになった。非常に残念だが、これで終わるつもりはない」と話していました。

また、高橋さんの夫の水沢博司さん(仮名)は「国会にボールが投げられたが、何度ボールを投げればよいのか。自分の子どもが大人になり、結婚するとき、別姓も選べる選択肢を作ることが私たちの世代の役割だと思う」と話していました。

また、弁護団の代表の榊原富士子弁護士は「大変残念だ。裁判官の男女比率も問題で、15人の裁判官のうち、もし半分が女性であったら、こうした判断にはなっていないのではないか」と述べました。
早稲田大学 棚村教授「国会は歩み止めずに議論を」
家族法が専門の早稲田大学の棚村政行教授は「最高裁は人権を守るとりでとしての役割を放棄している。夫婦が同じ名字を名乗らなければいけないことが憲法にかなうのか、真っ正面から判断すべきところを回避して、国会にボールを投げてしまった」と指摘しています。

そのうえで、「選択的夫婦別姓については、導入を求める国民の意見がだんだん強くなっている。国会はこの判断が出たから議論しなくていいではなく、歩みを止めずに議論を進めてほしい」と話しています。
加藤官房長官「国会の動向注視しながら検討」
加藤官房長官は、午後の記者会見で「詳細について把握していないので、コメントは控えたい。選択的夫婦別氏制度を含め、夫婦のに関する具体的な制度の在り方については、昨年末に閣議決定した、第5次の『男女共同参画基本計画』で、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、さらなる検討を進めると定められている。政府としては、引き続きそうした方針にのっとって検討を進めていく」と述べました。
上川法相「国会の議論の動向 注視しながら検討」
上川法務大臣は、臨時の記者会見を開き「夫婦同氏制の規定は合憲との判断で、基本的には平成27年の判決を踏襲したものと承知している。いずれにしても、多数意見のみならず、反対意見や補足意見についても内容を十分に精査する必要がある」と述べました。

そうえで「各党において、さまざまな形で検討が進められている。法務省としても、夫婦のの具体的な制度の在り方に関して、国会の議論の動向を注視しながら検討を進めていきたい」と述べました。
丸川女性活躍相「全体像の把握進める」
丸川女性活躍担当大臣は、記者団に対し「最高裁判所で合憲の判断が示されたことは承知をしているが、詳細を完全に把握していないので、現時点でのコメントは差し控えさせていただく」と述べました。

そのうえで「まず、最高裁判所の決定の中身を見たい。国民的な議論が大変活発になったという認識があるので、引き続き、世論調査なども含めて、しっかりと全体像の把握を進めていきたい」と述べました。
立民 安住国対委員長「判断は時代遅れ」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「判断は時代遅れで残念だ。衆議院の解散・総選挙が間近に迫っているが、立憲民主党として時代にあった対応をしっかり訴え、世界標準に改めていきたい」と述べました。
公明 竹内政調会長「時代に合った判断すべきではないか」
公明党の竹内政務調査会長は、記者会見で「最高裁判所は、現在の法律解釈に基づいて、結論を出したと思うが、国会として、国民の理解が広がりつつある社会状況の変化を捉えながら、時代に合った判断をすべきではないか。今後、議論すべき重要なテーマであり、しっかり議論していきたい」と述べました。
共産 穀田国対委員長「時代錯誤と言わねばならぬ」
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「これまで国民的にもいろいろな議論が行われてきており、それを踏まえたうえでの決定であるべきだ。最高裁判所は、果たして国民の変化や世界の流れをとらまえてきたのか。時代錯誤と言わねばならないと思う」と述べました。

My   opinion .

記者の執筆した解説部分はほとんどが『姓』との表現である。法務大臣や法務省の回答部分に関しては『氏』で正確に表現されている。執筆した記者の意図は計り知れない。天下のNHKの報道にしては、違和感が感じるのは吾輩だけであろうか。


中国は5000年の歴史を持つ国」との表現と、「日本は、中国の属国にまた戻る」という表現を考察





「中国五千年の歴史」は大嘘だった? 中国の本当の姿とは

https://www.itmedia.co.jp/ebook/articles/1307/09/news049.html

https://www.itmedia.co.jp/ebook/articles/1307/09/news049_2.html



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“中国の歴史はうそだらけ”という憲政史研究者・倉山満氏の主張とは?


「中国五千年の歴史」は大嘘だった! 中国の本当の姿とは
 それが憲政史研究者・倉山満氏の『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社/刊)だ。『嘘だらけの日米近現代史』(扶桑社/刊)に続く、うそだらけの近現代史シリーズ第2弾となる本書は、日本の中国研究者が書けないタブーにまで切り込んでいるという。

 では、何がうそだらけで、どうして研究者たちは沈黙するのか? そして中国の本当の姿とは? 倉山満氏に直接お話をうかがった。

(金井元貴/新刊JP編集部)

中国の歴史はうそまみれで同じことの繰り返しだった!
―― 「中国」というと夏王朝から続く3000年、4000年という長い歴史があるというのが通説です。

倉山満氏(以下倉山) ところが、まずそれが大うそなんです。王朝はあっても、それが今の中華人民共和国の“歴史”とは限りません。別の言い方をすると、通説とされている“歴史”そのものが中国政府のプロパガンダといえるでしょうね。

 しかも、彼らはより長いものが好きなので、どんどん年数は伸びていっておかしなことになっています(笑)。今では、中国の歴史は6000年あるという説も出てきているようです。

―― どうしてそんなに年数が延びているんですか?

倉山 他国に対抗している部分はあります。日本が皇紀2600年といえば、あちらは3000年といってきましたし、ユダヤや北朝鮮が5000年といえば、6000年という。しかも確実な考古学的発見がないまま、いつの間にか増やしてしまうんです。だから、大風呂敷を広げて、誰も畳まないというのが彼らの特徴といえるでしょう。

―― もちろんそれが考古学的にも実証されているならば良いのでしょうけど、もしそれがないとなれば無責任といわれても仕方がないような……。

倉山 実を捨ててでも名を取る。恥の概念はないけれどメンツは大事。そして、どんなときでも内ゲバが大事。これが中国の特徴です。

 例えば、日中戦争こと支那事変は中国の反蒋介石派が話をこじらせたことが発端で起きました。彼らが日本人たちにテロを仕掛けて蒋介石に対して『日本と戦え!』という中華ナショナリズムという錦の御旗を掲げます。一方、蒋介石は、日本と戦っても負けることは目に見えているので、戦うことはできずに板ばさみになるんですね。

 そうすると、反蒋介石派が『軟弱なやつだ!』といって、さらに日本を挑発するためにテロを繰り返す。結局、中国は日本に攻め込まれて国中荒されて、蒋介石は重慶の山奥に立てこもって徹底抗戦しているのに、そういう状況でも、反蒋介石派は『ざまあみろ』という態度を取るんです。もう無茶苦茶です。

―― この本を読むと、まさにそれは1つの典型的な例であることが理解できますね。同じことが何度も繰り返されて、国が滅んでは新しい王朝が生まれて、さらにそれを繰り返すという……。

倉山 そうですね。近年では歴史教科書問題も同じで、この本には書いていませんが、あれを煽ったのは反トウ小平派だといわれています。トウ小平は米国や日本に近づいて、ソ連を抑えようとしていましたが、『なに軟弱なことやっているんだ』と反トウ小平派が煽って火をつけた。これは蒋介石のパターンと同じです。

―― そのサイクルがずっと繰り返されてきたんですね。

倉山 中国史を見ていくと、1つのパターンに図式化できるんです。そこには8つの段階に分かれていて、たまに戻ったり飛ばしたりするんですけど、根本的に8段階目で一つの王朝が滅びて、次の王朝が覇権を握り、また8段階目までいって滅び……と、その輪から抜け出せないんです。(*1)

 だから、この本で中国史を振り返ったのですが、固有名詞と数字を入れ替えるだけの単純なお仕事でした(笑)。それは冗談でも、ほぼ全部同じパターンなので、だんだん飽きてきてしまうという。

(*1)8つの段階は以下の通り

1、新王朝、成立 → 2、功臣の粛清 → 3、対外侵略戦争 → 4、漢字の一斉改変と改ざん歴史書の作成 → 5、閨閥、宦官(かんがん)、官僚など皇帝側近の跳梁 → 6、秘密結社の乱立と農民反乱の全国化 → 7、地方軍閥の中央侵入 → 8、1へ戻る

倉山氏によれば、基本的にはこの8つのパターンを繰り返すのが中国史なのだそうだ。

―― では、「中国六千年の歴史」がうそだというのはどういうことなのでしょうか。

倉山 中国の歴史を遡って行くと占領と内ゲバの連続なんです。例えば、清の初代皇帝であるヌルハチは満州人ですし、フビライ・ハンはモンゴル人です。彼らは今、中華人民共和国といわれている土地のかなりの部分を支配していた人たちであって、中国人ではありません。もし、彼らを中国人とするならば、日本でいうと戦後に日本にやってきたダグラス・マッカーサーを日本人と見なさいといけないくらいの暴論です。

―― この本にはさまざまな通説が出てきますが、結局わたしたちが知っている通説とは何なのでしょうか。

倉山 中国に対する幻想ですね。実は幕末や明治時代までは中国大陸のことをちゃんと分かっていました。

 例えば、吉田松陰という浪人がいます。あの人は今で言うと勉強が凄まじくできるネトウヨみたいな人で(笑)、幕府が持っている中国大陸の情報を盗みに入って、それを読んだだけでどんなところか分かってしまうんです。彼自身、勉強するということは戦をすることと同じという意識を持っていましたし、松下村塾の塾生全員がそうだったようです。

―― そうした意識が変わってきたのはいつごろのことなんですか?

倉山 それは、日露戦争に勝ったころですね。緊張の糸が切れ始めて調子に乗る人が出てきます。まあ、50年も緊張状態でしたから、限界だったというのも分かりますけどね(笑)。そこから軍と文官の対立が激しくなり、軍の中でも喧嘩が起きる。大日本帝国として東アジア最強の国になって傲岸(ごうがん)な人間が増えるのです。

 そういう風潮に対して警鐘を鳴らしたのが、夏目漱石や吉野作造でした。彼らは中国や台湾、朝鮮はすでに独自の文化を持っていて、彼らに対して高圧的に出ても統治できないのだから、その文化を認めてあげた上で、主権国家を持つ能力がないのであれば恨みを買わないように文化的な統治をすることが日本にとって国益であると説いたんです。これはすごくバランスの取れた意見なのですが、現代の視点から見ると完全な帝国主義者で右翼です。しかし当時はこの意見はもろに左でした。バランスが取れているのに中道じゃないんです(笑)。だから、そういった意見はどんどん排除されていったのです。

 そのため、本当の中国の姿というのが見えなくなってしまった。そういった幻想に惑わされたままではいけない、賢くならないとまずいという危機感から、わたしはこの本を書いたんです。

―― 夏目漱石や吉野作造には先見の明があったということですね。

倉山 そういうことですね。特に夏目漱石は、すでに日清戦争で勝ちに行くときに、日本人は滅びるといっています。つまり、その時には1945年8月15日の日本の姿が見えていたわけなのです。

日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由

日本の研究者たちが本当の中国の姿を書けない理由
―― インタビューの前半では「中国の歴史はうそだった!」ということで大変興味深いお話を聞かせていただきました。それで、本書を読んで、どう歴史と向き合えばいいのかというところで戸惑いを覚えてしまったのですが、倉山さんはどのように歴史と向き合っていらっしゃるのでしょうか。

倉山 わたしの向き合い方はすごく単純で、地図の上にその国や地域の年表を書いていくだけです。そして、日本ではこの年に何が起こり、清朝ではこんなことが起こっていて、朝鮮はこうなっていたと並べるだけで分かってしまうのです。

 大学院生のころに、13年間ほど安全保障の勉強会に参加していたのですが、その第一回目の合宿での勉強テーマが『カスピ海』だったんです(笑)。そこで、カスピ海の近くにあるグルジア、アゼルバイジャン、ロシア、アルメニアが何をしているのか、日本の新聞記事や本から情報を集めて年表にしていくと、グルジアとアゼルバイジャンはトルコにとってのロシアへの盾なんだ、とかアゼルバイジャンとアルメニアは仲が悪いということが分かるんです。これは地政学的なやり方で、大まかな歴史や関係を把握するための望遠鏡のようなものです。でも、地政学だけでは本当の事情まで把握できないので、詳しい部分は政策決定論という顕微鏡で見ます。つまり、望遠鏡と顕微鏡の二刀流です。

―― かなり詳しいところまで把握しないと、本当のことは分からないということですね。

倉山 そうなんです。例えば、満州事変が起きたとき欧州は『政府が不拡大方針を言いながら現地で軍事拡大するなんて、日本はなんてずる賢いんだ』と思ったらしいのですが、それは地政学だけで見るとそうなりますね。でも、実は時の総理大臣がノイローゼでまともな命令が出せなかったというオチで、それは望遠鏡だけでは覗けないですから、顕微鏡が必要になります。

―― そういえば、帯の部分に「日本の中国研究者が書けないタブーを書く!」と書かれていますが、中国に都合の悪い情報はタブーになっているんですね。

倉山 研究者の中ではタブーになっているものもあります。わたしは情け容赦ない人間なので平気で書くんですけど(笑)、本当の事情を知っていても仲間がいるので書けないという側面もありますね。

―― 仲間がいるから書けないというのはどういうことでしょうか。

倉山 例えば研究者のお師匠さんが親中派で、こういうことを書いてしまうとお師匠さんを批判してしまうことになるとか。学会の中には派閥があって、幾ら頭が良くて立派な研究ができていても、その派閥に加われなかったら職にもつけないわけですよ。ケンブリッジとオックスフォードで博士号取っても、非常勤講師2コマという研究者もいます。後は、日中共同研究費を握られているので、中国の悪口言えないとか。

―― お金や職、上下関係などが絡んでくると、そうなってしまうんですね。

倉山 そうなんです。だから、日本人自身の問題でもありますね、本当のことを言わないというのは。メディアも同じで松村謙三らが日中記者交換協定というのを勝手に結んで、中国政府に都合の悪い報道はさせませんという約束をするんです。これは一応廃止されていますが、事実上まだ生きています。

 でも、相手がどんなにダメダメでも、日中国交正常化後の日本はひたすら献身的に中国に貢いでいます。もうね、口を悪くしていうと、年増で厚化粧のDV女に貢いでいるオヤジですよ、日本は。

―― それはこの本にも書いていましたよね。早くすっぴんを見て、現実に戻りなさいと(笑)

倉山 そうです。早く見てほしいです。

―― そんな中国のすっぴんが明らかになる本書ですが、どんな方に読んで欲しいですか?

倉山 そういうことなので、ドMの人以外すべてですかね(笑)。ドMの人はもうしょうがないです。

 後、ここで言うのもなんですが、政治学者のマイケル・グリーン(編注:東アジアの外交を専門に研究している米国の政治学者。知日派として知られ、日本のメディアにもたびたび出演している)に日本語のまま読んで欲しい(笑)。知日派の米国人学者としていろいろ言っていますけど、英語になっていないものは価値がないという米国人のあの傲岸さ! 日本から中国に行っていた人も、現地の語学ができなかった人っていないですよ。この国をハンドリングしたいなら、まずこの国の言葉を学ぶべきです.

My  opinion  !

吾輩も支那の歴史は一つの連続した国の歴史ではないと確信している。中国大陸を舞台に色々な民族の王朝の盛衰の歴史であり、断片的な征服した王朝が存在しただけである。多種雑多な民族の一つが、地政学上の優位性で王朝が出来ただけで、その後、滅亡して新王朝が出来ただけである。日本の皇紀2681年の長い国家としての歴史を持つ国は存在しない。支那のプロパガンダに騙されてはいけないのである。しかも、支那の属国に戻る論説の抽出

昔から大国に対して小国は、朝貢貿易よろしく、大国の元首のもとに出かけ、靴をなめて媚びる必要があった。日本はそれを中国に対して長いこと行ってきたのだが、いまではその相手がアメリカに変わっただけの話かもしれない。」を堂々と文書化して、支那のプロパガンダを行っているのである。

大学教授のレベルの高いとされる人物が歴史的根拠に乏しい論説(プロパガンダ)を平然とのたまうところに日本の言論の危うさを感じる。素人の吾輩でも、論説に疑問がある部分が多々ある。そして、自説、通説、学説、を分類して解説すべきと、素人の吾輩は痛切に感じる。それが、総合的、絶対的な意見であるかのような錯覚させる論説は頂けない。論説者の個人的意見は尊重するが内容については意義がある。

吾輩の反論ぶんを以前掲載してあるので是非ご覧あれ。

政治講座ⅴ31「八紘一宇の誤解と現代の偏向報道」

https://note.com/tsukasa0415/n/n35da3bc6dade


参考文献


小川原正道著 『日本の戦争と宗教 1899-1945』講談社 2014.1.10 第1刷発行

櫻井 よしこ著 『日本の敵』新潮社 2015.3.30 

田辺俊介編著 『民主主義の「危機」』勁草書房 2014.12.25 1版1刷

渡辺昇一著 『この大動乱の世界で光輝く日本人の生き方』徳間書房 2017.3.31 1刷

名越二荒之助編 『世界から見た大東亜戦争』 展転社 1992.4.8 2刷発行

マックス・フォン・シュラ―著 『アメリカ人が語る アメリカが隠しておきたい日本の歴史』ハート出版 2017.2.25 6刷発行

西尾幹二著 『同盟国アメリカに日本の戦争の意義を説く時がきた』ビジネス社 2013.12.24 初版発行

池間哲郎著 『日本人だけが知らない世界の真実』育鵬社 2017.12.8 初版第1刷発行 p206

芳次公介著 『日米同盟はいかに作られたか』講談社 2011.9.10 第1刷発行

東郷和彦・保阪正康著 『日本の領土問題』角川書店 2012.2.10 初版発行

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